「球場内に鳥の群れがおりまして」。鳥の飛来でプロ野球の試合が中断の珍事。追い払った選手「今日のヒーロー」と話題【動画】

照明を消しても、音を鳴らしてもダメ。運営側があれこれと手を尽くすも退散しない鳥の群れ。窮地を救ったのは、バットを持った千葉ロッテの背番号「3」でした。
ZOZOマリンスタジアムの外観
ZOZOマリンスタジアムの外観
HARUKA OGSAWARA

まさかの“珍客”に、さすがのプロ野球選手たちもお手上げだった─。

ZOZOマリンスタジアムで9月20日に行われた千葉ロッテマリーンズ対オリックス・バファローズの一戦は、試合中に鳥の群れが飛来し試合が一時中断する事態となった。

中断中は鳥を追い払おうと様々な手が講じられたが、鳥はなかなか退散せず。終止符を打ったのは、千葉ロッテの角中勝也選手だった。SNSでは「今日のヒーロー」「角中の20分」などと話題となった。その一部始終を振り返る。

「鳥の群れが入ってきました」

鳥の飛来が確認されたのは、6回表1アウト1・3塁、バファローズの攻撃中だった。実況アナウンサーが「鳥の群れが入ってきました」となどと伝えると、たちまち球場内が騒然となった。鳥の群れは縦横無尽に球場内を飛んでいた。

それからまもなくすると、球場アナウンスで「お客さまにお知らせいたします。只今、場内に鳥の群れがおりまして、試合進行の妨げとなっております。しばらくお待ちください」と伝えられた。

その後は審判の指示で両軍の選手たちがいったんベンチに引き上げた。

20分におよぶ鳥との戦いが始まった

鳥との“戦い”はその後も続いた...。飛来から約6分半、場内アナウンスで「照明を一度暗くさせて頂きます。お足元に十分ご注意ください」と伝えられると、場内の照明が段階的に消された。

すると、球場内はスマートフォンのライトをつける観客が次々と現れた。まるでアーティストのライブ会場のような異例の光景となった。

10分が経過しても鳥が去ることはなく、場内アナウンスでは観客に対し「スマホのライトを一度消していただけますでしょうか」とお願いがあった。

まもなくして今度は、「これよりBGMで鳥の鳴き声、大きな音を出させて頂きます。しばらくお待ちくださいませ」との場内アナウンスがあった。音で鳥を追い払おうという作戦だった。

鳥の大きな鳴き声だけが球場内にこだました。なんともシュールな光景だったが、あまり効き目はなかったようだ。

続いて、大きな衝撃音を発したが、かえって鳥は心地良くなったのか、人工芝の上でくつろぎ始めてしまった...。あれこれ手を尽くし、運営側もお手上げ状態といったところだった。

窮地を救ったのは、背番号「3」だった

鳥の飛来から17分後。1人の選手がバットを持ちながらグラウンドに飛び出してきた。千葉ロッテの背番号3、角中勝也選手だった。これにはアナウンサーも「痺れを切らしてベテランが出てきました」と実況した。

角中選手はバットを持ちながら鳥の群れを追いかける。すると鳥は徐々に逃げていくように飛び立ち始めた。角中選手はベンチへと戻った。

その後は4人のスタッフが笛を吹きながら外野付近を見回った。その時には鳥の群れは場内から去っていた。飛来から19分半、結果的には角中選手のバットが窮地を救った。なお、試合は6-3でバファローズが勝利した。

鳥の飛来により試合が中断されたケースは過去にも何度かあった。直近では2017年8月30日、Koboパーク宮城(現:楽天生命パーク宮城)で行われた東北楽天対西武ライオンズの一戦だった。

8回表が終わったところで降雨による中断が宣告されると、その中断中に鳥の大群が飛来し、約1時間にわたって対応に追われた。

日刊スポーツによると、鳥の飛来による試合の中断はこのほか、1958年9月13日の巨人対大洋(後楽園)で7分、1959年9月2日大毎対東映(後楽園)で9分、1971年4月29日の広島対中日(広島)で9分、1976年6月4日南海対太平洋(大阪)があったという。

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