森保一監督は試合後、三笘薫選手を抱きしめていた。期待と重圧、様々な思いが集約された一枚がこれだ【ワールドカップ2022】

指揮官と選手の信頼関係がそこに表れていた。サッカー日本代表のW杯は終わったが、世界に衝撃を与えた電光石火のドリブルは記憶に刻まれた。
森保一監督と三笘薫選手
森保一監督と三笘薫選手
Getty

サッカー日本代表は日本時間12月6日、カタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦(ラウンド・オブ16)でクロアチア代表と対戦し、1-1(PK戦1-3)で敗れた。

延長でも決着がつかず、今大会初のPK戦にもつれ込む死闘に。残念ながら、“サムライブルー”が目標としていた悲願のW杯初のベスト8入りはならなかった。

試合後の1枚の写真が反響が寄せられている。森保一監督が三笘薫選手を抱きしめる瞬間をおさめたものだ。

森保監督は三苫選手を抱きしめた。「感動をありがとう」の声

三笘選手はPK戦で2人目のキッカーを務めた。1人目の南野拓実選手が失敗。ゴールを決めて流れを日本に持っていきたい場面だったが、無情にも相手キーパーのセーブに阻まれた。

PK戦で決着がついた後、ピッチで静かに涙を流していた三笘選手。試合終了後、森保監督はピッチの外で三苫選手を抱きしめていた。

この写真に対し、Twitterには「感動をありがとう。次のW杯で新しい景色を見せてくれることを信じています」「三笘はさらにいい選手になっていくだろうな」「お疲れ様でした」などと労いと賛辞の声が溢れた。

試合後のインタビューでは「試合を通して、全部が足りなかったと思います。次のW杯で勝てるようにやるしかないと思います」と涙ながらに振り返った。この先の日本代表の攻撃を担う一人は、間違いなく三笘選手になるだろう。

電光石火のドリブル、世界に衝撃

三笘選手の今大会での活躍は目を見張るものだった。特に、電光石火のドリブルは世界に衝撃を与えた。左サイドをハイスピードで駆け上がり、ディフェンダーをかわしていくその姿に日本中が夢中になった。ボールを持つと「何かやってくれる」。そんな期待感を抱かせた。

まさに、森保ジャパンの“ジョーカー的存在”。グループリーグでは全て後半から試合に出場し、日本に流れを呼び込んだ。負けたら敗退が決まるスペイン戦では、田中碧選手の逆転弾につながるゴールライン際の折り返しが話題となった。

VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で検証の末、ゴールラインを割っていないと判定された。英紙『タイムズ』は このシーンについて「ボールは残り、ドイツは敗退した」との見出しで決定的瞬間を報じたほどだった。

英・プレミアリーグのブライトンに所属して臨んだ今回のW杯。注目を集めた日本の逸材は今後、選手としての市場価値をさらに高めて欧州の名門ビッグクラブに移籍する可能性もある。

今大会の経験を糧に、4年後のW杯でベスト8入りを果たすその姿が見たい。

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