2022年の単語は「ウーマン」。米オンライン辞書で検索数2倍に。その背景は?

日常的に使用されている単語「ウーマン」が、なぜ「今年の単語」に選ばれたのでしょうか?
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2022年も終わりに近づいてきた。

毎年年末恒例の「今年の漢字」が12月12日に発表され、2022年は「戦」が選ばれた。

海外でも13日、オンライン辞典Dictionary.comが「今年の単語」を発表。「2022年を語るのに切り離せない単語」として「ウーマン(女性)」を選出した。

同辞典は「ウーマン」を「大人の女の人」と定義している。

「ウーマン」を選出した理由として、現在の人々の文化的な会話においてはジェンダーやアイデンティティ、そして言語が交差した内容が多くを占め、辞典はその理解の手助けをしてきたことを反映したという。

日常的に使用されている単語だが、2022年は様々な出来事に応じて検索数が度々急増し、同サイトでの検索数は例年に比べ2倍に増えた。

検索数が最も急増し始めたのは3月下旬、米連邦最高裁のケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事の任命に関する公聴会が行われた時だった。その際、ジャクソン氏は、トランスジェンダーの権利の問題を背景に、共和党の上院議員から「女性の定義とは?」と質問され、「生物学者でないので定義できない」と返答した。彼女はその後の4月、黒人女性初の米最高裁判事に任命された。

他にも2022年には⬇︎

・米最高裁が女性の人工妊娠中絶を選ぶ憲法上の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下した。

・イギリス君主として歴代最長となる70年在位したエリザベス女王が他界した。

・イランで22歳のマフサ・アミニさんが、ヒジャブで髪をしっかり覆っていなかったという理由で道徳警察に身柄を拘束された後、死亡。この事件をきっかけに、イラン国内や世界各地で主に女性が中心となり大規模な抗議活動が起きている。

・テニスのセリーナ・ウィリアムズさんの「進化」トランスジェンダーのアスリートに関する議論、などスポーツ界での話題

などの出来事があり、同辞典はその影響も指摘し、2022年は「女性への影響、そして女性が世界の変化に与えた影響があった年として記憶されるだろう」と述べた。


これまで、複数の英語辞典もすでに2022年の単語を発表しており、オックスフォード辞典は「ゴブリンモード」(悪びれることなく、やりたい放題、怠惰でだらしなく、欲望のままに振る舞うことの意)、コリンズ英語辞典は「パーマクライシス」(長期にわたる不安定な状況)、メリアム・ウェブスターは「ガスライティング」(相手を心理的に追い詰める虐待)を選出している。

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