「胸も整形したら」「ポルノ行き」自分への“悪口”やバストトップをデザイン。女性起業家のドレスに世界が驚く

有名インフルエンサーで起業家のキアラ・フェリーニさん。個性的なドレスをまとい、女性の権利に関して力強いメッセージを伝えた。
イタリアの音楽祭に、個性的なデザインのドレスで参加したキアラ・フェリーニさん(2023年2月7日撮影)
イタリアの音楽祭に、個性的なデザインのドレスで参加したキアラ・フェリーニさん(2023年2月7日撮影)
Getty Images

「胸も整形したら?」「お尻が垂れてる」

そんな自身に寄せられた“悪口”の言葉を書いたドレスを着用し、イタリアの音楽祭に登場した女性に注目が集まっている。

彼女が着たドレスはそれだけではない。この日披露した計4着のドレスのデザインはどれも個性的で、女性の権利に関して力強いメッセージを発するものだった。

Diorのドレス。その個性的なデザインとメッセージは?

イタリアの有名インフルエンサーで起業家のキアラ・フェリーニさんは、2月7日から開催されたサンレモ音楽祭にプレゼンターとして参加。

スペインの日刊紙エル・パイスの英語版などによると、衣装チェンジを行いながらDior考案のドレス4着を披露した。

▼「ヘイトドレス」

「ヘイトドレス」と名付けられたのは、白地のタイトなドレス。一見シンプルだが、所々に黒のパールで文字が縫い付けられている。

これはフェリーニさんのインスタグラムに対して、ユーザーが向けたヘイトや悪口の文言だ。容姿や身体、そしてフェリーニさん自身に対し、「おぞましい」「すぐにポルノに行くだろう」「胸も整形したら?」「フォトショップ(で加工)している。本当のお尻は垂れてる」などのコメントが寄せられたという。

フェリーニさんはインスタグラムの写真で、中指を立てて挑発的なポーズを見せている。

▼「恥知らずのドレス」

ヌードカラーのドレスには、バストトップやへそ、身体の曲線など裸のだまし絵が描かれている。フェリーニさんの投稿によると、これはルネサンス期のドイツの画家ルーカス・クラナッハの「アダムとイヴ」から着想を得たものだという。

このデザインの狙いは「女性とその身体に関する権利に光を当てること」。イヴは「歴史上初めて恥を感じるように仕向けられた」女性だとした上で、フェリーニさんは「自分の身体は恥ずべきものであり、罪を誘発する欲望の対象に過ぎないと言われてきたすべての女性たちの声を届けたい」と力強いメッセージをつづった。

▼「マニフェスト・ドレス」

Diorの伝統的なデザインにインスパイアされたというブラックシルクの「マニフェスト・ドレス」に、フェリーニさんがあわせたのは「Pensati libera(自由に考えよ)」と書かれたストール。

この言葉には、「すべての女性が社会から課された役割から自由に抜け出せるよう、インスピレーションを与えることができれば」という願いが込められている。また、成功する女性が罪悪感を持たないように闘うフェリーニさんが自分自身に課している「約束」でもあるという。

▼「鳥かご」

「鳥かご」と名付けられたドレスは、 ラインストーンをあしらったジャンプスーツに、檻のようなデザインのチュールスカートをあわせている。

このドレスに込められているのは、「女性がしばしば閉じ込められているように感じるジェンダーの固定観念から、新しい世代を解放する」という意思だ。フェリーニさんとおそろいの格好で一緒に写っているのは、娘のヴィットーリアさん。母から娘へ希望を託すメッセージだという。

これらのドレスを着用し、フェリーニさんはかつて少女だった自分に宛てたスピーチを行い、拍手喝采が送られた。それぞれのドレスの投稿には100万〜200万を超える「いいね」が寄せられた。この音楽祭はテレビでも放送され、多くの視聴者にも衝撃とインスピレーションを与えることになった。

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