
アメリカ・アリゾナ州の砂漠地帯で行方不明になっていた幼い子どもが、犬のおかげで無事に保護された。
ヤヴァパイ郡保安官事務所によると、2歳のボーデン・アレンさんは4月14日午後5時頃、ラスベガス南東のセリグマンという小さな町にある自宅を出て、行方がわからなくなった。
40人以上による捜索が行われ、アレンさんは約16時間後の15日朝に、約7マイル(約11キロ)離れている農場で無事に発見された。
保安官事務所にアレンさんを発見したと連絡したのは、その農場を経営するスコッティ・ダンドンさんだった。しかし農場に連れてきたのはダンドンさんの飼い犬で6歳のアナトリアン・ピレニーズのバーフォードだと見られている。
ダンドンさんは、「迷子の子どもの話は聞いていました。町に行こうとして車道を出ようとした時に、犬が入口のところに座っているのに気づいたんです。ふと見上げると、隣に小さな子どもが立っていました」と保安官事務所に語っている。
ダンドンさんは、アレンさんの自宅と農場との間のエリアについて「とても幼児が歩けるような場所ではない」と保安官事務所に述べている。
「こんなに遠くまで来たなんて信じられません。まっすぐ歩いたとしても、7マイルもあります。ここから彼の家までの間には、3つの大きな山と広い谷もあります。2歳の子どもがそんな道を通ってきたなんて信じられません」
保安官事務所も、捜索中のヘリコプターから少なくとも2頭のピューマを目撃したと伝えている。
アレンさんは発見された時にタンクトップとパジャマのズボン姿という軽装で、無事に保護されたことは奇跡的だと受け止められている。
ダンドンさんはアレンさんをすぐに家の中に入れて食べ物と水を与えたという。
「『一晩中歩いていたの?』と聞くと、彼は『ううん』と答え、『木の下で寝ていた』と言いました。『うちの犬が君を見つけたの?』と聞いたら、『うん』と答えました」と保安官事務所に対して述べている。
バーフォードがどうやってアレンさんを見つたのかは不明だが、ダンドンさんは長時間寄り添って牧場まで連れてきたのではないかとNBCに語っている。
ダンドンさんによると、アナトリアン・ピレニーズは番犬として知られており、バーフォードも夜間に家の周囲をパトロールして、コヨーテなどを追い払っている。
ダンドンさんは「(バーフォードは)子どもが大好きだから、見つけた後にずっと離れなかったんだと思いますよ」と保安官事務所に述べている。
アレンさんは切り傷や擦り傷、軽い脱水症状はあったものの、健康状態に問題はなかった。
バーフォードにはご褒美としてダンドンさんから約1キログラムのリブアイステーキが与えられたという。ダンドンさんは「最高の犬です」とNBCの取材で愛犬を称えている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
