
コスメブランドのLUSH(ラッシュ)は、7月1日から「同性婚」と呼ばれる「結婚の平等(法律上同性カップルの結婚)」への賛同を可視化し、国会議員へ届けるキャンペーンをスタートした。
キャンペーンでは、全国78店舗に設置したボードに、結婚の平等への賛同を示すハート型のシールを貼ってもらう。
LUSH SPA新宿店、LUSH 原宿店、神戸三宮店の3店舗では、賛同の理由や、結婚の平等実現への想いなどのメッセージを書いてもらう。
1日にLUSH SPA新宿店を一緒に訪れた15歳の平野さんと彩那さんもキャンペーンに参加。それぞれ「結婚したい人と結婚しよう」「なんで日本は同性婚ダメなの?もっと自由になればいいのに。偏見がなくなればいいのにな!」とつづった。
平野さんはメッセージを書いた理由について「自分の一言で法律が変わったら嬉しいし、自由に結婚できる人が増えてくれたらなと思ったから」と述べた。
彩那さんは「コスメブランドがこういうキャンペーンをやってくれるのは嬉しい」「偏見がなくなればもっと日本がいい社会になると思う」と語った。
店舗でのキャンペーンは7月9日まで。このアクションに加えて、31日までオンライン署名でも賛同の声を募っている。

ラッシュが「主体」となり声を届ける
ブランドコミュニケーションマネージャーの小山大作さんは「これまで、ラッシュは社会課題に取り組んでいる団体を後押しし、ショップを利用して団体のメッセージを波及させるキャンペーンをしてきました。しかし今回は、ラッシュが主体となり、結婚の平等を求める声を国会に届けたい」と述べた。
「性的指向や性自認に基づく差別を禁じるべき」いう考えが世界各地で根付き、39の国や地域で同性同士が結婚できるようになる中、日本でも、国の機関による世論調査で結婚の平等への賛成が7割を超えるようになっている。
また、結婚の平等を求めて性的マイノリティの当事者が国を訴えた裁判では、札幌、東京、福岡、名古屋、大阪の5つの高裁で「同性カップルの結婚を認めていない現在の法律の規定は違憲」と判断された。
しかし、石破首相ら与党の政治家は、「国会の議論や訴訟の状況を注視する」という発言を続け、結婚の平等実現に向けた具体的な議論は国会で進んでいない。
小山さんは、賛同の声を国会議員に届けることが結婚の平等の法制化のために必要なのではないかと考えた、と話す。
「原告や支援団体は長い間、声を上げ、活動してきました。今必要なのは、それ以外の人たちも、結婚の平等を求めているということを伝えていくことだと考えました。その声を可視化し、国会議員に知ってもらおうというのが今回のキャンペーンです」

LUSH SPA新宿店、LUSH 原宿店、神戸三宮店の3店舗では、メッセージを書き込んだハート型のステッカーを窓に貼って掲示し、賛同の声が増えていく様子を見てもらう。
小山さんは「他の人たちのコメントを見ることで、さらに結婚の平等について自分の考えが深まるかもしれません。また、自分の意見がまとまっていなくてメッセージを書かなくても、コメントを読んで結婚の平等について考えるきっかけにしてもらえたら嬉しい」と話す。
集まったメッセージやオンライン署名は、結婚の平等の法制化に向けた要望書として、参議院選挙の後に全政党の代表に提出するという。
