
実業家イーロン・マスク氏の父親であるエロール・マスク氏が、複数の子どもを性的に虐待した疑惑が生じているとニューヨークタイムズが報じた。
同メディアは、カリフォルニアや南アフリカの警察や裁判記録、メールやテキストメッセージ、個人のメモや手紙を調査し、ソーシャルワーカーや家族への聞き取りを実施。
その結果、エロール氏が自身の子どもや当時の義理の子ども5人を虐待した疑いがあると伝えている。
エロール・マスク氏とは
エロール・マスク氏には少なくとも9人の子どもと義理の子どもがいる。最年長が世界的富豪のイーロン・マスク氏だ。
エロール氏はこれまでに3人の女性と結婚している。ニューヨークタイムズが報じている疑惑は、ほとんどが3番目の妻ハイデ=マリ・ベズイデンハウトとの間に生まれた子どもや、義理の子どもに対するものだ。
エロール氏は、1992年に19歳年下だったベズイデンハウト氏と結婚。ベズイデンハウト氏と最初の夫との間に生まれた3人の子どもの義理の父親になった。
ニューヨークタイムズによると、このうちの1人で当時4歳だった義理の女の子が1993年、エロール氏から体を触られたとおばに打ち明けた。
この義理の子どもは10年後、14歳の時に自分の下着の匂いをエロール氏が嗅いでいるのを見つけたと語っている。
さらに大学生だった21歳の時には、エロール氏から無理やりキスされたと訴え、南アフリカの裁判所に同氏に対する一時的な保護命令を申請した。
女性は保護命令申請の中で、エロール氏がベズイデンハウト氏との間にもうけた女の子2人と、義理の男の子1人を性的に虐待したとも訴えている。
この女性は薬物中毒に苦しんだ後、20代で当時70代だったエロール氏との間に子どもを作った。この子どもは5歳だった2022年に、エロール氏から尻を触られたと家族に打ち明けたという。
エロール氏の性的虐待疑惑に対して過去に捜査が行われたが、同氏が起訴されたことはない。
エロール氏は、ニューヨークタイムズに対して、報道内容は「全くの虚偽であり馬鹿げている」と述べて一連の疑惑を強く否定。家族が子どもたちに嘘を言わせて、イーロン氏から経済的支援を得ようとしていると主張した。
イーロン氏は公の場で父親についてほとんど語らないが、父親と疎遠であることを隠していない。
2017年のローリング・ストーン誌のインタビューでは、父親が「思いつく限りの悪事を働いてきた」と述べている。また、2023年に出版された自身の伝記では、父親と話をしていないと語った。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
