水月会地方セミナーなど

何だか今週も慌ただしく過ぎてしまいました。

石破 茂 です。

15日火曜日に名古屋市において政策集団水月会の第1回地方セミナーを開催致しました。愛知県議会議員、市町村議会議員、経済界、同窓会三田会の皆様はじめ、多くの方々のおかげさまで盛会裏に終わりましたことに心より感謝申し上げます。

この企画を発案頂いた後藤田正純衆院議員、地元でご尽力頂いた八木哲也衆院議員に、そしてわざわざご挨拶を頂いた愛知県連会長の藤川政人参院議員にも心より感謝致しております。

「派閥として異例の試み」などと報じられていますが、政策集団がその考えを広く有権者に問い、議論し、政策を練磨し昇華させていくことは当然のことだと思います。

米国大統領選挙のやり方すべてがいいとは思いませんが、共和党であれ民主党であれ、候補者達が長期にわたってその政策や政治姿勢を全米各地で述べ伝え、競っていくことには、その中で候補者の資質が見極められていくという意味でそれなりの意義があるものと考えます。短期間で勝敗が決するが故に、単なるイメージやマスコミ報道に左右されやすく、往々にして「こんな人とは思わなかった、期待外れだった、裏切られた」との反応が生ずる我が国とはそこが異なるように思います。それでも良い結果とならない場合は多々ありますし、米国新政権の行方も見通せませんが、民主主義の在るべき姿の一つではあるのでしょう。

水月会の定例勉強会では所属議員がそれぞれの得手とするテーマで講演を行っています。

今週10日木曜日には先週の八木議員に引き続き、福山守衆院議員(四国比例・当選二回)の「高齢社会と国際化」と題する講演があり、啓発されるところ大でした。官僚の説明を聞いて質疑するだけの従来の自民党のスタイルから脱却しなければ、本来の政治主導は実現できないのだろうと思っております。

この困難な時代にあって、魔法使いでも手品師でもない政治がすべてを解決できるはずはないのですが、少なくとも「政治は自分の気持ちを分かっている」という思いを有権者に持って頂くことは最低限必要なことと思います。今週14日月曜日に、抗癌剤治療を受けながら記者活動を続けている朝日新聞記者・野上祐氏の「政治にもインフォームドコンセントを」という講演を聞いてその思いを強くしたことでした。

自民党を離党した議員の復党への動きが加速しており、波紋や軋轢が広がっています。

政治は人間の営みなので数学や物理のようにすべてに明確な解があるわけではありませんし、復党に至る事情は個々によって大きく異なります。

地元の話で恐縮ですし、あまり触れたい話題でもないのですが、二階幹事長が前向きと伝えられている川上義博・元参院議員の復党に、私が会長を務める鳥取県連が反対するのは以下の理由によります。

①第43回総選挙(2003年・小泉内閣・無所属で当選、その後自民党会派入り)、第44回総選挙(2005年・小泉内閣・郵政解散・無所属で落選)、第21回参議院通常選挙(2007年・第一次安倍内閣・民主党公認で当選)、第23回参議院通常選挙(2013年・現安倍内閣・民主党公認で落選)、と四回にわたり自民党公認候補と対決し、そのうち2回自民党公認の前職・現職候補を落選させた。

②山口俊一議員、野田聖子議員など、郵政改革に反対して当選した議員はその後多くが復党し、閣僚や党三役として政府や自民党内で活躍しているが、川上氏は郵政選挙で落選後も復党の意思を示すことなく民主党入りし、小沢氏側近を標榜して参議院選挙に当選、その後野田佳彦内閣で総理補佐官を務めるなど、郵政造反復党組とは事情が全く異なる。

③復党させることで当該地域における自民党の党勢拡大に寄与するのであれば、当該自民党県連の了承のもとに復党させる余地があるが、鳥取県では現在衆参両院とも自民党候補が県民の多くの支持を得ており、川上氏の復党で、過去4回にわたって同氏と必死で戦った党員の党に対する信頼失墜・失望を招いて党勢が衰退することこそあれ、拡大することは全く見込めない。

④以上は9月に開催された自民党鳥取県連常任総務会において満場一致で決定されており、自民党鳥取県連の総意である。

かつて政治改革を巡って自民党を離党し、その後復党した私はこの問題についてあまり発言したくないのですが、私自身、党の方針と反する時は無所属で立候補しており、自民党候補と対決して落選させたこともありません。

当選4回の時、無所属から自民党に復党したのは、加藤紘一幹事長をはじめとする当時の執行部からの復党要請を受けてのことでしたが、その後半年近く鳥取県内の自民党員のお宅を訪ねてご理解を頂く努力をしたものでした(あの時のことは私にとって過去最も大きな挫折体験となっています)。

川上元議員に個人的には何の恨みもありませんが、過去の総括も無く、自民党県連や地元の自民党員に理解を求める努力もしないままに、いきなりトップダウン頼みで復党を模索する姿勢には強い違和感を覚えます。

自民党県連をお預かりする者として看過出来ないのみならず、このようなことが許されるなら党全体の信用にも繋がりかねないことを強く危惧します。16日に二階幹事長と面談した際、このようなことを申し上げました。

週末は、19日土曜日が「細川珠生のモーニングトーク」出演(午前7時・ラジオ日本系列・収録)、第2回Japan Fisherman’s Festival 全国魚市場&魚河岸まつり(午前11時半・日比谷公園)、広島県石破茂政経懇話会で講演(午後4時・尾道市農協本所)、高山博州広島県議会副議長就任祝賀会(午後6時・尾道国際ホテル)、同役員懇親会(午後8時・尾道市内)。

20日日曜日が東広島市長・東広島市関係者との朝食懇談会(午前8時・東広島市内)、茨城県古河市長選挙候補予定者・針谷力氏出陣式(14時・古河地区、16時・総和地区、18時・三和地区)という日程です。

今日はこれから武蔵野市で防衛政策について講演する予定です。何だか今週も慌ただしく過ぎてしまいました。あれこれと抱え込んでしまい、仕事が雑になってしまうことを怖れています。

皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

(2016年11月18日「石破茂(いしばしげる)オフィシャルブログ」より転載)

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