テロ対策特殊装備展が開催 デバイスからSNSまで全ての情報を解析するツールなど展示

電話帳や発信履歴だけでなく、保存されたデータ、果てはSNSやクラウドメールの情報まで収集し、解析する事ができる犯罪捜査用のツールです。

東京ビッグサイトで開催されていた「テロ対策特殊装備展(SEECAT) 」より

入場に際して審査があり、認められた人しか見る事のできない「テロ対策特殊装備展(SEECAT) 」は、プレスも事前登録、審査が必要なセキュリティレベルの高い展示会です。訪れる人も対テロに従事する装備を開発する企業や政府関係者が多く、入場に際しては手荷物検査なども行われるなど、他の展示会とは雰囲気が異なります。

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SEECAT(Engadget)

サン電子のブースでは、子会社である「Cellebrite Mobile Synchronization(セレブライト社)」の携帯端末情報収集・解析システム「Cellebrite UFED」が紹介されておりました。

「Cellebrite UFED」は、世にあるあらゆる携帯電話の情報にアクセスし、電話帳や発信履歴だけでなく、保存されたデータ、果てはSNSやクラウドメールの情報まで収集し、解析する事ができる犯罪捜査用のツールです。

モバイル用の最新端末は、7インチのタブレット型で従来型よりコンパクトになっています。

犯罪現場に持ち込んで、逮捕した容疑者の携帯電話の情報その場で収集、解析して操作に役立てます。パスコードロックされている端末はもちろん、データ消去された端末であっても、情報を復元して収集、解析できるとしています。

新旧あらゆる携帯電話に対応し、例えば、中国製のコピー端末ですら解析できるのだそうです。

同種の機器の中では最高レベルの情報収集、解析能力があり、圧倒的な世界シェアを誇っています。

また、近年増えてきているクラウド上のデータにもアクセスし、情報の抽出、解析ができる機能も内包します。実際の画面は撮影を許可されませんでしたが、FacebookやTwitterの履歴、ダイレクトメッセージのほか、gmailなどのクラウドベースのメールにもアクセスできます。

防衛装備庁のブースでは、各種ドローンやガスマスク、ガスマスクのテスト機器などが展示されておりました。

小型の潜水艇タイプのドローンは、機雷原や災害後の海底など有人では危険な場所に投入され、情報収集を行います。

現在は潜水ドローンの運用に、有人の母艦を使用していますが、データの中継拠点などに無人の小型艇を使用する事想定して試験が行われているそうです。

クアッドコプター型のドローンに関しても研究は進められており、有線の光ファイバーによるコントロールで操縦、情報の伝送を行います。

こちらも、テロや武装集団が立てこもっている地域、原発事故など、いきなり人を投入するには危険なエリアに投入され、情報収集するとしています。

こちらは試作段階のガスマスクで、吸引缶と面体の間にマイクを仕込み、通信機のヘッドセットでのやりとりがしやすくなるようにした拡声器ユニットです。ヘリや戦闘車両を操縦しながら通信をするという際に、ヘッドセットを着けるのですが、ガスマスクをするとくもぐった声になってしまうのだそうです。そこでマスクの口の部分にマイクを仕込み、アンプで増幅してユニット横のスピーカーから音を出すという仕組みです。また、呼吸に応じてモーターが作動して呼吸を補助する機能も備わっています。

普通科隊員が使用する双眼のマスクのほか、全体が一枚のレンズで構成されているモデルもありました。双眼タイプは畳みやすく携帯性に優れているほか衝撃などにも強いそうですが視野が狭くなってしまうのがデメリットです。単眼型は視野が広く航空機や車両の操縦手にとって操縦しやすいという利点が得られます。

こういった新型のマスクの性能を試験するための機器がこちらの呼吸マネキンです。実際に人が被ってテストする前に、マネキンに被せて呼吸ができるかどうか、顔を動かすなどの実際に使用される条件下で密閉度が保たれるかなどをテストします。

展示会などでデモをする機会も増えたことから、しゃべる機能を追加したということです。

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(2015年10月19日「Engadget日本版」より転載)

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