タイム誌初「今年の子ども」に15歳の科学者。発明のモチベーションは「他の人を幸せにしたい」という気持ち

「誰かを幸せにするのが、私の毎日の目標です。そこから『どうすれば、何か良いことができるか、コミュニティを助けることができるか?』という気持ちが生まれるんです」

タイム誌初となる「今年の子ども」に、数々の功績を残してきた15歳の科学者・発明家のギタンジャリ・ラオ氏が選ばれた。

タイム誌といえば1920年に始まった「今年の人」が有名だ(「今年の男性」と呼ばれていた時代もあった)。

「今年の子ども」は、世界にポジティブなインパクトを与えている若い世代を評価するために作られたという。

コロラド州に住むラオ氏は、アメリカに住む8〜15歳の5000人の候補の中から選ばれた。

初の「今年の子ども」に選ばれた気持ちを、「とても光栄で嬉しいです!メンターや先生、家族、友人。私を信じてサポートしてくれた全ての人に感謝します。最終選考に残った皆さん、おめでとうございます。彼らの多くは私の友人であり、私をインスパイアしてくれる人たちです!」とTwitterに投稿している。

「今年の子ども」に選ばれた後、ラオ氏は俳優のアンジェリーナ・ジョリー氏のインタビューに答え、「汚染された飲料水や、オピオイド依存症、ネットいじめなどの問題を、テクノロジーを使って解決するための研究をしている」と語った。

ラオ氏はこれまでに、ネットいじめをなくすためのサービス「カインドリー」を立ち上げたり、水の汚染物質を調べる装置を作ったり、世界中の団体や学校と一緒に、若い人たちのプロジェクトや発明を助けるワークショップを開いたりしてきた。

様々な問題に取り組むモチベーションは「他の人を幸せにしたい」という気持ちから生まれるという。

「誰かを幸せにするのが、私の毎日の目標です。そこから『どうすれば、何か良いことができるか、コミュニティを助けることができるか?』という気持ちが生まれるんです」と、ラオ氏は語る。

メーカーズ・カンファレンスでスピーチするラオ氏(2018年2月6日)
メーカーズ・カンファレンスでスピーチするラオ氏(2018年2月6日)
Rachel Murray via Getty Images

そんなラオ氏の活動は、これまでも注目を集めてきた。

11歳だった2017年には、飲料水に含まれる鉛を調べる装置を発明したことで、「アメリカの最も優れた若い科学者」に選ばれた。ラオ氏はこの装置を、ミシガン州フリントで起きた、水道水の鉛汚染をきっかけに作った。

また2019年には、科学分野での功績が評価されて、フォーブスの30歳以下の30人に選ばれた

活躍は科学分野だけにとどまらない。9歳の時には弟をテーマにした本「Baby Brother Wonders(幼い弟が知りたいと思っていること)」を出版。

2021年にも「A Young Innovator’s Guide to STEM: 5 Steps To Problem Solving For Students, Educators, and Parents(若い発明家ための理系科目ガイド:生徒、教師、親たちのための問題解決5つのステップ)」を出版する予定だ。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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