都知事選、誰に投票すればいい? 主要候補者5人の公約を比較してみると...。立候補者一覧も掲載

都知事選、主要候補者の公約は?新型コロナ対策、東京五輪、雇用・働き方、子育て・女性、LGBTに関する政策の項目に分けて比較しました。
(左上から時計回りに)山本太郎氏、小池百合子氏、宇都宮健児氏、立花孝志氏、小野泰輔氏
(左上から時計回りに)山本太郎氏、小池百合子氏、宇都宮健児氏、立花孝志氏、小野泰輔氏
時事通信社

7月5日は、東京都知事選の投開票日だ。新型コロナウイルスの感染拡大の懸念がつづく中、主要候補者は何を訴えるのか。

①新型コロナ対策、②東京オリンピック・パラリンピック、③雇用・働き方、④子育て・女性に関する政策、⑤LGBTに関する政策、5つの項目に分けて、主要候補者の公約や主張をまとめた。

※各候補者の公式サイトや選挙公報、日本記者クラブでの会見内容から比較しています。

①新型コロナ対策

新型コロナ対策について
新型コロナ対策について
HuffPost Japan

《山本太郎氏》

PCR検査や医療体制の拡充のほか、新型コロナウイルス対策として総額15兆円を段階的に確保すると表明した。全都民への10万円給付や、学校の授業料1年間免除、中小企業・個人事業主への補償などを公約に掲げている。財源は都債の発行でまかなうとしている。

《小池百合子氏》

第2波の対策として、東京版CDC(疾病対策予防センター)の創設やPCRなど検査体制の強化、医療体制の整備、病院・医療従事者へのサポート強化、ワクチン・治療薬の開発支援強化、オンライン診療の拡大などを掲げている。

《宇都宮健児氏》

PCR検査体制の強化、医療従事者らへの財政支援の強化などを訴えている。また、自粛や休業要請によって収入が減少した中小事業者、仕事を失ったり収入が減少したりした非正規労働者・フリーランス・学生などへの徹底した生活補償などを公約とした。

《小野泰輔氏》

PCR検査や医療体制の拡充のほか、特定業種に絞り補償を実施する。また、休業要請に応じた事業者への「協力金」の支給遅れについて、問題を解決する仕組みづくりを行うという。小池都知事が定めた「東京アラート」や「ロードマップ」の見直しも宣言した。

《立花孝志氏》

「コロナ自粛をぶっ壊す!」を公約に掲げる立花氏は、「行き過ぎたコロナ自粛に反対するために立候補をした」と表明している。日本記者クラブの会見では、コロナの重症化リスクが高い高齢者を中心に自粛を要請する方針を語った。

東京青年会議所主催の都知事選ネット討論会で、出席した他候補者全員から質問を望まれる現職の小池百合子氏(6月28日)
東京青年会議所主催の都知事選ネット討論会で、出席した他候補者全員から質問を望まれる現職の小池百合子氏(6月28日)
時事通信社

②東京オリンピック・パラリンピック

東京オリンピック・パラリンピックの方針について
東京オリンピック・パラリンピックの方針について
HuffPost Japan

《山本太郎氏》

山本氏は、「東京オリンピック・パラリンピック中止」を掲げる。「世界各国のコロナウイルスの感染状況を鑑みれば、来年の五輪開催は不可能」とし、「開催都市として、ハッキリと五輪中止をIOC(国際オリンピック委員会)に宣言」と訴えている。

《小池百合子氏》

「都民・国民の理解が得られる形でのオリパラ大会の開催」を公約に盛り込んだ。記者クラブの会見では、「アスリートにとって更に1年先を見るのはかなり厳しい」と話し、感染対策を講じた上で、2021年の開催を目指すとしている。

《宇都宮健児氏》

感染症対策の専門家が、2021年の開催が困難であると判断した場合は、「IOCに中止を働きかけ、中止になったことで浮いた予算はコロナ禍で被害にあった都民の支援に回します」としている。

《小野泰輔氏》

「十分な感染症対応の時間を確保」するため、「2024年への延期」を視野にIOC等と再交渉を行うと表明。中止ではなく、「都民の希望である東京大会は確実な開催を目指します」としている。

《立花孝志氏》

「東京オリンピックはリモート競技に」と提案。記者クラブの会見では、2024年あるいは2022年の延期を目指すと表明した。また、「開催費用をIOCに負担させる」と訴えた。

東京都知事選の候補者のポスター掲示場と都庁(6月20日撮影)。
東京都知事選の候補者のポスター掲示場と都庁(6月20日撮影)。
時事通信社

③雇用・働き方

雇用・働き方について
雇用・働き方について
HuffPost Japan

《山本太郎氏》

東京都の職員を3000人増員し、ロストジェネレーション世代、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた失業者を採用することを公約に掲げる。また、気候変動に対応する産業を育成することで雇用増加を図る。

《小池百合子氏》

失業・求職者の就労支援の強化、氷河期世代や現在の新卒・在学生世代の都庁採用強化、副業など多様な働き方の強化などを公約に掲げる。『「爆速」デジタル化により東京の経済を「新しい成長」へ』と宣言し、テレワークや時差出勤の定着、ペーパーレスやはんこレス、キャッシュレスの推進なども図る。

《宇都宮健児氏》

「公契約条例の制定、非正規労働者を減らし正規労働者を増やす」を公約に掲げ、貧困や過重労働対策などを強化する。「ブラック企業規制条例」や「過労死防止基本条例」を制定し、劣悪な賃金・労働環境の改善を進めるという。また、最低賃金を全国一律時給1500円以上を目標に引き上げるよう、国に対し働きかける。

《小野泰輔氏》

テレワークの導入推進を図り、「多様なライフスタイルに柔軟に対応できる働き方を普及、定着させます」と宣言。隣県を巻き込んだ「サテライト都市」構想により、満員電車解消などに取り組む。都心の過密を防ぐことで、「就労と保育の両立」を推進する。

《立花孝志氏》

立花氏は、元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏の著書『東京改造計画 東京への緊急提言37項』を「具体化する」と宣言している。経済政策として「渋滞ゼロ」や「満員電車は高くする」、「現金使用禁止令」などを掲げる。また、「未来の働き方」として、「都民限定の無料オンラインサロン」の設立なども宣言した。

④子育て・女性に関する政策

子育て、女性に関する政策について
子育て、女性に関する政策について
HuffPost Japan

《山本太郎氏》

待機児童問題の解消のため、保育所を増設。「保育士の皆さんの社会的地位の向上に加えて、給与水準を国家公務員の正規の職員なみの水準に引き上げるべきです」と訴えている。また、DV対策として、DVの「実態調査・被害者支援・自立支援」の3本柱を強化するとしている。

《小池百合子氏》

待機児童ゼロへ向けた施策の加速や、男性の育休取得・家事育児への参加の促進、ベビーシッターなど仕事と子育て両立のための体制強化などを公約に掲げている。子育て世代の経済的支援を強化し、合計特殊出生率を2.07に引き上げるとしている。DVやハラスメント対策、ひとり親家庭への支援の拡充も訴えた。

《宇都宮健児氏》

待機児童問題対策のため、保育士の労働条件改善、認可保育園の充実を公約に掲げる。また、「義務教育の完全無償化」や、「女性の貧困をなくし、ジェンダー平等社会を推進する」なども宣言。都の審議会など意思決定分野における女性の参画推進、男女平等教育の推進、DVや性暴力の被害者支援の強化なども訴えている。

《小野泰輔氏》

公約では、「妊娠、出産、子育てへの大胆な投資を行います」と宣言。子育て世代や女性活躍のための政策として、「保育士の事務負担軽減」や、「不妊治療助成拡大、妊産婦支援・割引制度(マタニティパス等)の拡充、子育て応援券の導入、保育士の待遇改善(直接給付)」などのサポート拡充を図るとした。

《立花孝志氏》

選挙公報に記載された37項の緊急提言では、「オンライン授業推進」や「低容量ピルで女性の働き方改革」を図ると訴えている。

⑤LGBTに関する政策

LGBTに関する政策
LGBTに関する政策
HuffPost Japan

《山本太郎氏》

性的マイノリティへの「都パートナーシップ条例」を制定し、同性婚実現に向けて国への働きかけを行うと宣言した。また、災害時において、「安否確認時に同性パートナーも家族として対応する」など性的マイノリティの権利保護を推進するとしている。

《小池百合子氏》

「性的マイノリティのアウティング対策」を公約に掲げている。

《宇都宮健児氏》

「同性カップルのパートナーシップ制度の導入」を公約に掲げる。LGBTの子どもたちやその保護者をサポートするための相談窓口の設置なども盛り込んだ。

《小野泰輔氏》

「同性パートナーシップ都条例」の制定を宣言。また、「同性間に限らず使えるパートナーシップ制度(東京版PACS)も合わせて検討」するという。

《立花孝志氏》

LGBTに関する政策について、選挙公報などに直接的な記述はなし。37項の「東京都への緊急提言」として、「東京のダイバーシティ」を掲げている。

イメージ画像
イメージ画像
Marc Bruxelle / EyeEm via Getty Images

公約などが掲載されたウェブページ・選挙公報は以下の通り。

山本太郎氏小池百合子氏宇都宮健児氏小野泰輔氏立花孝志氏

2020年東京都知事選 立候補者22人一覧

全立候補者22人(届出順・敬称略)のプロフィールは以下の通り。

※各候補者の年齢・党派・公式サイトの情報は、東京都選挙管理委員会のウェブサイトより掲載しています。

・山本太郎(やまもとたろう)

年齢:45歳
党派:れいわ新選組
公式サイト:https://taro-yamamoto.tokyo/
選挙公報はこちら

・小池ゆりこ(こいけゆりこ)

年齢:67歳
党派:無所属
公式サイト:https://www.yuriko.or.jp/
選挙公報はこちら

・七海 ひろこ(ななみひろこ)

※6月25日、都知事選から「撤退する」と表明した

年齢:35歳
党派:幸福実現党
公式サイト:https://nanami-hiroko.net/
選挙公報はこちら

・宇都宮けんじ(うつのみやけんじ)

年齢:73歳
党派:無所属
公式サイト:http://utsunomiyakenji.com/
選挙公報はこちら

・桜井誠(さくらいまこと)

年齢:48歳
党派:日本第一党
公式サイト:https://japan-first.net/
選挙公報はこちら

・込山洋(こみやまひろし)

年齢:46歳
党派:無所属
公式サイト:https://komiyamahiroshi.jimdofree.com/
選挙公報はこちら

・小野たいすけ(おのたいすけ)

年齢:46歳
党派:無所属
公式サイト:https://ono-taisuke.info/
選挙公報はこちら

・竹本秀之(たけもとひでゆき)

年齢:64歳
党派:無所属
公式サイト:https://www.hideyukitakemoto.com/
選挙公報はこちら

・西本誠(にしもとまこと)

年齢:33歳
党派:スーパークレイジー君
公式サイト:なし
選挙公報はこちら

・関口安弘(せきぐちやすひろ)

年齢:68歳
党派:無所属
公式サイト:なし
選挙公報はこちら

・押越清悦(おしこしせいいち)

年齢:61歳
党派:無所属
公式サイト:http://liferelax.blog.fc2.com/
選挙公報はこちら

・服部修(はっとりおさむ)

年齢:46歳
党派:ホリエモン新党
公式サイト:なし
選挙公報はこちら

・立花孝志(たちばなたかし)

年齢:52歳
党派:ホリエモン新党
公式サイト:なし
選挙公報はこちら

・さいとう健一郎(さいとうけんいちろう)

年齢:39歳
党派:ホリエモン新党
公式サイト:なし
選挙公報はこちら

・ごとうてるき

年齢:37歳
党派:(略称)トランスヒューマニスト党
公式サイト:https://gototeruki.jimdofree.com/
選挙公報はこちら

・沢しおん(さわしおん)

年齢:44歳
党派:無所属
公式サイト:https://note.com/sionic4029
選挙公報はこちら

・市川ヒロシ(いちかわひろし)

年齢:58歳
党派:庶民と動物の会
公式サイト:なし
選挙公報はこちら

・石井均(いしいひとし)

年齢:55歳
党派:無所属
公式サイト:https://hi0815.com/
選挙公報はこちら

・長澤育弘(ながさわやすひろ)

年齢:34歳
党派:無所属
公式サイト:なし
選挙広報はこちら

・牛尾和恵(うしおかづえ)

年齢:33歳
党派:無所属
公式サイト:https://tokyosen-ushi.amebaownd.com/
選挙公報なし

・平塚正幸(ひらつかまさゆき)

年齢:38歳
党派:国民主権党
公式サイト:https://twitter.com/sayuflatmound2
選挙公報はこちら

・ないとうひさお

年齢:63歳
党派:無所属
公式サイト:なし
選挙公報はこちら

注目記事