重すぎて客室内への持ち込みを断られた猫を、飼い主がこっそり客室へ。驚きの手段とバレた理由とは?

彼は誘惑に勝てなかった……。
ビクターに似た猫(イメージ画像)
ビクターに似た猫(イメージ画像)
ANDREI SPIRACHE VIA GETTY IMAGES

そのプランは完璧なはずだった。最後に誘惑に負けなければ。

ロシアの航空会社アエロフロートは11月12日、ミハイル・ガーリンさんという乗客をマイルプログラムから外し、マイルを剥奪したとCNNに明らかにした。

理由は、ガーリンさんが愛猫のビクターを客室内にこっそり持ち込んだからだ。

アエロフロートは、輸送容器を含めて重量が8キロ未満のペットの客室内への持ち込みを許可している。

ビクターを連れて、モスクワからウラジオストクへフライト予定だったガーリンさん。しかし、チェックイン時に計量したビクターの体重は10キロだった。そのため、ビクターは貨物スペースで輸送されなければいけないと告げられた。

近年、機内でのペットの死亡事故が続いている。「8時間のフライトの途中で、貨物スペースで万が一何かが起きてビクターが死んでしまったらどうしよう、と思いました」とガーリンさんはワシントンポスト紙に語っている。

ガーリンさんは「なんとか客室内での輸送を許可して欲しい」と懇願したが、アエロフロート側は態度を変えなかった。

そこでガーリンさんは大胆な計画を企てた。

ガーリンさんは搭乗日を変更し、Facebookでモスクワの友人たちに「ビクターにそっくりの小さめの猫を探してくれ」と呼びかけた。その結果、ガーリンさんはフィービーという名前のビクターにそっくりな猫を見つけることに成功した。

当初のフライトから遅れること数日、ガーリンさんはマイルを使ってモスクワからウラジオストクまでビジネスクラスの席を二つ予約した。

そして、チェックイン時にフィービーを使って体重検査をし、見事合格。客室内での旅が許可された。

その後、今度は飛行機に乗る前に、ガーリンさんはフィービーをビクターと交換した。

ガーリンさんの計画は、うまくいくはずだった。しかし彼は、この逆転劇をFacebookInstagramで自慢せずにはいられなかった。

SNSの投稿でガーリンさんは、自分とビクターの写真を投稿。今回のプランを説明した。

投稿された2枚の写真のうち、1枚の写真にはガーリンさんがビクターを抱き上げて、窓の外を見ている様子がうつっている。もう1枚からは、おとなしくケージの中に座るビクターの前に、シャンパンが入っていると見られるグラスがおかれている様子がわかる。ヘッドレストには、アエロフロートのロゴがはっきり見える。

ガーリンさんの投稿は、幸か不幸か拡散した。投稿を見て調査を始めた、とアエロフロートはCNNに明かす。

その後アエロフロートは、ガーリンさんを同社のロイヤルティプログラムから除外し、残っていたマイルを「いくつかの意図的な違反行為」を理由に剥奪した。

「書かれていた情報は、監視カメラに残っていた映像で確認できました。飛行前の検査で、この乗客は投稿写真に掲載されている大きなサイズの猫と見られる猫を、(ケージから)出していました」と同社はCNNに語る。

このアエロフロートの対応は、ロシアのソーシャルメディアなどで大きな反発を招いているようだ。

NBCによると、ロシアの政治家はアエロフロートCEOに手紙を書いて、ガーリンさんにマイルを戻し、動物を輸送する際の規則を緩めるよう求めた。

一方、ペナルティをニュースを通して知ったというガーリンさんは、37万マイルを失ったが腹を立ててはいないようだ。彼はワシントンポストに次のようにコメントしている。

「私は確かにルール破りました。それゆえにアエロフロートは、罰を与えることにした。私はただ、それに従うだけです」

ハフポストUS版の記事を翻訳しました

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