米最大の豚肉加工施設が操業停止に「肉の供給を危機的な状況に追い込む」(新型コロナ)

サプライチェーンに深刻で破壊的な影響をもたらす、と同社CEOは警鐘を鳴らします

アメリカ最大手の豚肉生産会社である「スミスフィールド」は、サウスダコタ州スーフォールズにある同社の豚肉加工施設を、期限を設けずに閉鎖すると発表した。

同施設では、従業員230人が新型コロナウイルス陽性と診断されていた。

同社のケネス・サリバンCEOは、食肉施設の閉鎖は「肉の供給を危機的な状況に追い込む」と警鐘を鳴らす。

スミスフィールド社のハム
スミスフィールド社のハム
Rich-Joseph Facun / Reuters

サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事は4月11日の記者会見で、「新型コロナウイルスに感染したスミスフィールドの従業員たちは、同州の感染者の半数以上だ」と説明した。

感染拡大を受けて、ノーム知事はスミスフィールドに少なくとも2週間施設を停止するように求めたという。

「スミスフィールドの状況は、困難で乗り越えなければいけないものです。スミスフィールドは、自社の施設を3日間閉鎖をすると決定しましたが、彼らの決断を賞賛する一方で、もっと強力な決断が必要です。

そのため、私たちはスミスフィールド社にに2週間施設を閉鎖するよう求めました」

■食のサプライチェーンに、大きな影響をもたらす可能性

その後、スミスフィールドはスーフォールズの食肉加工施設を当面の間閉鎖すると発表した。

同社によると、スーフォールズの施設はアメリカ最大の豚肉加工施設の一つだ。約3700人が働いており、国内の豚肉生産の4〜5%を占めるという。

サリバンCEOは、スーフォールズの施設やその他国内の食肉加工施設の閉鎖は、肉の供給を危機的な状況に追い込むだろうと懸念する。

「我々の施設が稼働しなければ、スーパーマーケットは十分な食肉を蓄えられなくなるでしょう。食肉加工施設の閉鎖は、多くのサプライチェーンに深刻で破壊的な影響をもたらします」

アメリカではスミスフィールドの他、JBSやカーギル、エンパイア・コーシャー、タイソン・フーズといった大手食肉会社も、新型コロナウイルスの影響を受けて施設を閉鎖している。

ブルームバーグによると、多くの食肉加工施設で新型コロナウイルス感染が発生しており、タイソン・フーズJBSの施設では死者も出ている。

スミスフィールドは、地元や州や国からの指示を待って、スーフォールズの施設操業を再開すると説明する。

「(食肉を供給することは)私たちの責任ですが、特に今は、これまで以上にそうだと言えます」と、サリバンCEOは述べている。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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