「クィア・アイ」のボビー・バーク氏が教える、ミニマル・ライフへの7つのアドバイス

始めるのは簡単。まずはガラクタを減らそう。
ミニマリスト・ホーム(イメージ画像)
NelleG via Getty Images
ミニマリスト・ホーム(イメージ画像)

今、私たちの生活はモノで溢れかえっている。

アメリカ人は毎日、約2キロ(4.4lb)、日本人は平均約1キロ弱(920g)のゴミを排出している。物質主義は人生の満足感低下に繋がるとされており、捨てずに溜まったモノは、私たちを不幸にさえする。

それを踏まえてみると、今日のミニマリズムという概念の人気も頷ける。

今回、ミニマリズムを取り入れた生活を送る1人であり、Netflixシリーズの『クィア・アイ』で知られるボビー・バーク氏がロサンゼルスの素敵な新居に私たちを招待し、ミニマリズムや、それの個人の生活への取り入れ方について語ってくれた。

ミニマリズムって何?

ミニマリズムと聞くと極めて制限されたライフスタイルを思い浮かべるかもしれない。しかし、その根底にある概念は物を減らすことでより自由に生きることにある。「僕にとってミニマリズムっていうのは、整頓された環境で、最高の生活をするってことなんです」とバーク氏は語る。

デザインの視点から見ると、ミニマリズムは「Less is more」(少ないほど良い)という概念からなっている。自分を取り巻く環境の中から余計なものを取り除き、本当に重要なものだけに絞り込み、それらに意義を見出すということ。

ライフスタイル全体にそれを取り入れて、物の消費を抑えることや金銭の節約、環境保護をしたりと、人間としてのあらゆる向上を意とする人もいる。

しかし、持っているものを全て売って小さな家に引っ越す必要はない(そうしたい場合は別として)。生活をシンプルにするために、今の家の中でもできる、簡単な方法もあるのだ。

バーク氏がロサンゼルスの新居で整理整頓する様子(Adobe提供)
バーク氏がロサンゼルスの新居で整理整頓する様子(Adobe提供)

ミニマリスト・ホームを創るための7つのアドバイス

バークは番組で活躍する5人の改造スペシャリスト「ファブ・ファイブ」のデザイン担当として最もよく知られているが、彼はそれ以前から何年もデザイン分野で働いて来た。ミニマリスト仕様のデザインを家に取り入れるに当たり多くのクライアントの手助けをして来た彼は、ミニマルな暮らしに関心がある人ならば誰もが取り入れるべき秘訣をいくつか教えてくれた。

1. 始め方は簡単
ミニマリズムを暮らしに取り入れたことがない人は、この変化を起こすことに圧倒されてしまうかもしれない。
しかし、1番良い手段はやはりガラクタを減らすことだ。

「自分を”こんまり(近藤麻理恵)”化するんです。家の中を見回して彼女の言う通り、『ときめく物』を探して」とバークは説明してくれた。そうするとで、長い間着ていない服や、玄関に溜まった郵便物、キッチンの引き出しスペースを奪うガラクタばかりの引き出しに出くわすことになると言う。「なぜ好きでもない、しょっちゅう掃除をしなきゃいけない物で家が溢れる必要があるんだろう?そうやって物を減らして、自分が本当に大好きなものを見つけて行くんです。」

2.「正しい方法」はない
インテリアに関しては、あまりルールにこだわらず、自分が心地良く感じるものを選ぼう。結局のところ、そこに住むのは自分なのだから。

「デザインって凄くパーソナルなもの。僕が不愉快に感じるものがその人にとってはお気に入りだったりするから...」とバークは言う。コツはとにかく自分をインスパイアし、幸せにしてくれる物に囲まれた環境を作ること。ただし、バーク氏的にはラグ(毛並みの長いデザインのもの)だけはNGらしい。「ラグカーペットはどうも好きになれなくて(笑)」とバーク氏は苦笑した。

3. ミニマルな家でも心地良さは保てる
「味気ない色彩と僅かな装飾では、生活感のまるで無いショールームのようになってしまうのでは?」と思うかもしれないが、ミニマリストデザインを取り入れつつ暖かみを出すテクニックもある。「僕は色んなレイヤーや手触りのものを使うようにしてます」とバークは語っていて、似た系統のものや特に捻りの無い色のものでも、異なる質感のものを取り入れるのだとか。「そうすれば変に華やかにしなくても暖かみが出るんです」

ミニマリスト・ホーム(イメージ画像)
KatarzynaBialasiewicz via Getty Images
ミニマリスト・ホーム(イメージ画像)

4. カラーが好きでも大丈夫
ミニマリストデザインの家について少し調べてみると、真っ白な家具や暗めの色の棚などばかり出てくるでしょう。実際、バーク氏もそういったテイストを好んでいて、沢山の色を取り入れるようなタイプではないという。しかし、カラーが好きだからといってミニマリズムを諦めてしまう必要はない。「繰り返しになりますが、ミニマリズムはモノを最低限に減らすことに焦点を当てているので、ド派手な赤紫色でもミニマリズムは成り立ちます。大切なのはバランスなんです」

5. 職場でのミニマリズムもおすすめ
バーク氏曰く、オフィスが散らかる要因は基本的に紙類なのだそう。しかし、今や実質の紙を置いておく必要性は少ない。例えば、『Adobe Scan』のような無料アプリを使えば、スマホで書類をスキャンして、PDFで書き出し保存や編集さえ出来るという。「そうすればいちいちプリントする必要も減り、散らかることもデスクが溢れかえることも無くなります」と教えてくれた。

6. 見た目の魅力だけじゃない
バーク氏はミニマリズムに関して見た目の魅力以外にも、良質で長く使えるものを買うことで環境的な考慮をすることも重要だと言う。「僕たちの家には使い捨てのものが沢山あって、それは結局埋め立て地に行きついてしまいます」とバーク氏。「ミニマリズムは見た目が美しいとかってだけでなく、環境のことをちゃんと考え、自分の人生に何を取り入れるか考えて見極めることなのです」

7. 一度片付けたら再発させちゃダメ
一旦掃除と整理整頓を終えたら、再びごった返しにしてはいけません。家に入れていい物とそうで無い物に分別をつけて、必要の無いものには ”No”と言うことも大切だとバーク氏は言う。「タダだからってそれを貰う必要はありません」と教えてくれた。

ミニマルな暮らしと一口に言っても、家の物を減らしたり、オフィスの紙類を無くしたりとその方法は様々だ、とバーク氏。「人生がすごくすっきりしますよ。身の周りだけじゃなく、頭の中もね」

ハフポストUS版の記事を翻訳、編集しました。