トランプ大統領、2人の女性記者の質問に怒って記者会見を突然中断。会場から立ち去る

「その質問は中国に聞いてくれ」。質問をしたアジア系の女性記者を、攻撃的な態度で非難した

ホワイトハウスで5月11日に開かれた記者会見で、トランプ大統領が突然会見を中断して立ち去る一幕があった。大統領は、直前の女性記者とのやりとりに腹を立てているようだった。

この日行われたのは、新型コロナウイルスについての記者会見。

CBSのウェイジャ・ジャン記者が「なぜアメリカは他の国より、ずっと素晴らしい検査ができていると主張するのか」そして「多くのアメリカ人が死亡し、感染者数が増えている中で、なぜ他の国との競争として捉えるのか」を大統領に尋ねた。

ジャン記者(左)とコリンズ記者
ジャン記者(左)とコリンズ記者
Kevin Lamarque / Reuters

大統領はジャン記者の質問に対して「なぜなら、世界中の他の国で死者が出ているからだ」と説明。

さらに「それは、中国に聞くべき質問だろう」と、強い口調で返した。

「私に聞くな。その質問は中国に聞いてくれ。彼らに聞いたら、とても普通ではない返事をするかもしれない」

ジャン記者は中国生まれのアジア系アメリカ人だ。「中国に聞け」という言葉に対して更に質問を続けようとしたが、大統領は彼女を遮り、後ろにいたCNNのケイトラン・コリンズ記者を指名した。

しかしコリンズ記者は自分の質問をする前に、ジャン氏に言いかけた事を大統領に聞くよう促した。

コリンズ記者に促されたジャン記者は「なぜ、具体的に私に対してそう言うのか?」とトランプ大統領に質問。

それに対して、トランプ大統領は「具体的に言ったわけではない。誰にでも言う。質問が不快だからそう答えた」と、ジャン記者を再び強く非難した。

■ これまでも女性記者に対して怒りを爆発させてきた

このやりとりの後にコリンズ記者が自分の質問をしようとすると、大統領は今度はジャン氏に質問を続けさせたコリンズ記者への罰であるかのように、コリンズ記者の質問を受けることを拒否。他の記者を指名した。

コリンズ記者が「私を指名しましたよね」と言ったが、大統領は「したが、答えなかった。だから次の質問にうつる」と返答した。

それでもコリンズ氏が質問を続けようとすると、大統領は「みなさん、ありがとうございました」と突然記者会見を中止。会見場を立ち去った。

トランプ大統領はこれまでにも、新型コロナウイルスについて尋ねようとする記者に敵対的な態度を取ってきた

中でも、PBSのヤミーシュ・アルシンド記者やMcClatchyのフランチェスカ・チェンバース記者など、アフリカ系やアジア系の女性記者に怒りの矛先を向けてきた。

ジャン記者は4月の記者会見でも、大統領に攻撃されている。

ジャレッド・クシュナー氏の発言について尋ねたジャン記者に対して、大統領は「大したことではない事を、大問題のように扱っている」と非難。「自分を恥じるべきだ」と怒り、「質問の聞き方が不快だ」とジャン氏の話し方を攻撃した。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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