トランプ大統領「ピークはすぎた」経済活動再開のための3段階プラン発表

それぞれの段階で何を再開するのか。詳細が発表されました

アメリカのトランプ政権は4月16日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために続けているソーシャルディスタンスを緩和し、経済活動を再開させるプランを明らかにした

先立つ15日に大統領は、「感染拡大のピークを過ぎた」と述べ、経済活動を再開させるためのガイドラインを発表することを明らかにしていた

政権のガイドラインによると、再開プランは3段階におよび、感染者数が減っている地域でのみで実施されるという。


<ガイドラインを説明する、ホワイトハウス新型コロナウイルス対策調整官のデボラ・バークス氏>

■第1段階

ガイドラインによると、第1段階では、感染リスクが低い人たちは外出が認められる。しかし、外に出るときはできる限り物理的な距離をとり、10人以上のグループで集まってはいけないとしている。また、不必要な旅行は最低限にとどめる。

また、高齢者や基礎疾患のある人たちは、引き続き自宅待機を続けるよう求める他、高齢者施設や病院への訪問も禁止される。

テレワークについては、自宅勤務できる従業員にできる限り自宅勤務を続けることを求める一方で、段階的に職場に戻れるとしている。

現在閉鎖している学校は閉校状態を保ち、レストランなどの大勢の人が集まる場所は、確実に物理的な距離を保ている状態に限ってオープンできる。

ジムも、厳しいソーシャルディスタンスと衛生的な環境を保てる状態であれば営業再開できる。バーの営業再開は許されていない。

■第2段階

第2段階では、高齢者や基礎疾患のある人たちは、引き続き自宅待機を続ける。

それ以外の人は、外に出るときはできる限り物理的な距離をとるようにし、50人以上のグループで集まらないよう求める。

第1段階と違い、第2段階では不必要な旅行は再開してもいいとしている。

また、自宅勤務が引き続き推奨されるが、学校や保育所などは、再開できるようになる。

その一方で、高齢者施設や病院への訪問は第1段階同様に禁止される。

レストランや映画館、スポーツ競技場などの人が集まる場所は、比較的物理的な距離を保てる状態であればオープンできる。

バーに関しては、立ち席のスペースを減らした状態であればオープンできるとしている。

■第3段階

第3段階では、高齢者や基礎疾患のある人たちも、外に出ることができるが、物理的な距離を保ち、人が集まる場所は避けるように求められている。

ホワイトハウス新型コロナウイルス対策調整官のデボラ・バークス氏は、比較的行動の自由が許された3段階にあっても、高齢者など感染リスクの高い人たちを守る行動を取るよう呼びかけている。

■トランプ大統領「州の責任で決められる」

この経済活動再開プランのガイドラインは、アメリカで新規の感染者数が減少していることを受けたもので、それぞれの段階は、少なくとも14日間続くという。

またガイドラインは新型コロナの影響が比較的少ない地域を対象にしたものであり、大きな影響を受けている場所は、これまで通り外出禁止措置を続ける。

BBCによると、トランプ大統領は16日の会見で、感染者数が減少している地域があることを受けて自宅待機などの措置を緩和するようにしたと説明した。

「アメリカは国の活動を再開させたいと望んでいる。国全体を活動を停止させるのは、長期的に見て持続可能な解決策ではない」と大統領は語った。

さらに、トランプ大統領は16日午後に開かれた各州の知事たちとのテレビ会議で、経済活動の再開は「自らの責任で決められる」と伝えた、とAP通信は報じる。

アメリカで現在、世界最多の66万7000人以上の新型コロナウイルス感染が確認され、死者数は3万2000人以上になる。

感染者の数は州によって大きく異なり、東部のニューヨーク州や西部カリフォルニア州、南部テキサス州などで多くの感染ケースが報告されている。

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