台湾、立法院の占拠「太陽花学運」ルポ 熱気「野外フェスのよう」

台湾では政府が中国と昨年(2013年)6月に調印した「サービス貿易協定」に反対する学生らによる立法院(国会)の占拠が3月18日から続いており、一連の反対運動は「太陽花学運」と呼ばれている。「熱気に満ちた様子や雰囲気は野外音楽フェスと雰囲気が似ている」という。
時事通信社

台湾では、政府が中国と昨年(2013年)6月に調印した「サービス貿易協定」に反対する学生らによる立法院(国会)の占拠が3月18日から続いており、一連の反対運動は「太陽花学運」(Sunflower Movement)と呼ばれている。太陽花とはヒマワリを意味する。8bitnewsは「太陽花学運 ひまわりの花、熱気、台湾の若者達の決意と団結」と題して、動画とともに現地ルポを伝えている。

林飛帆をリーダーとする学生達による占拠の続いている立法院はTaipei Main Stationから徒歩5分程度。(中略)熱気に満ちた様子や雰囲気は、野外音楽フェスやお祭りと雰囲気が似ているところもある。演説が絶えず行われ、人々は熱心に耳を傾けている。様々な年齢層がいるが、若者が非常に多いのが特徴。友人同士やカップルの姿も多く目につく。数カ所で映画が上映され、水や食料は無料で配給され、医療施設も整備されている。人々は椅子やシートを道路に持ち出して座ったり寝転んだり、解放区となっている。

(8bitnews「【台北】現地ルポ:太陽花学運 ひまわりの花、熱気、台湾の若者達の決意と団結」より 2014/03/28)

ルポによると、運動に参加している学生たちはソーシャルメディアを使ってメッセージを発信し、「世の中のど真ん中の問題に対して大胆にアクションを起こしている」としている。

■馬総統、学生に一部譲歩も先行き不透明

台湾の馬英九(マーインチウ)総統は3月29日に記者会見を開き、立法院を占拠する学生らの要求を一部受け入れる考えを示した。しかし、占拠の引き金となった中国とのサービス貿易協定の取り下げには応じなかったため、学生側が今後歩み寄りを見せるかどうか不透明な情勢だ。NHKニュースなどが報じた。

馬総統は、中国と新たに協定を結ぶ際には内容を議会などで事前にチェックする制度を法制化する方針を示し、学生たちの要求に一部応じる姿勢を見せました。しかし、学生たちが強く求めてきたサービス分野の自由化協定の撤回には、あくまでも応じられないと強調しました。

(中略)一方、中国と協定を結ぶ際に事前にチェックする制度が法制化されれば、現在交渉中の経済協定の締結が遅れるなど、中国との経済連携に影響が及ぶことは避けられない見通しです。

(NHKニュース「台湾 馬総統が学生に一部譲歩も不透明」より 2014/03/29 23:48)

占拠している学生らは30日に総統府近くで大規模集会を開く計画だ。

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