アメリカ大統領選2020、いつ?結果が判明するのはいつごろ?

米大統領選の日本時間投票日から、勝者はいつ頃決まるかまでのスケジュール・仕組みをわかりやすく解説します。

【2020年アメリカ大統領選挙の投票日】

11月3日火曜日(日本時間・3日夜〜4日午後)

4年に一度のアメリカ大統領選挙、2020年の投票日は11月3日だ。

共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のジョー・バイデン氏が、大統領の座を争う今回の大統領選挙。

当日の投票は、最も早いニューヨーク州などで日本時間の3日20時に始まり、最も遅いアラスカ州やハワイ州で日本時間の4日14時に終わる。

勝者はいつ決まる?

■ 投票日の夜に、結果が判明しない可能性がある

前回2016年の大統領選挙では、投票日の夜・午前2時半頃(現地時間)に勝者が判明した。

しかし今回の選挙は、投票後すぐに結果が出ない可能性がある。新型コロナウイルスの影響で、郵便投票や不在者投票が大幅に増えているためだ。

アメリカ選挙プロジェクト」によると、事前に投票を済ませた有権者の数は、現時点で7600万人以上。これは過去最多で、前回大統領選挙の合計投票数の半数を上回る

ワシントン州シアトルで投票ボックスに票を入れる有権者(2020年10月28日)
ワシントン州シアトルで投票ボックスに票を入れる有権者(2020年10月28日)
ASSOCIATED PRESS

なぜ郵便投票が多いと、時間がかかる?

■ 事前登録したサインと、投票用紙のサインの照合が必要

■ 投票日後に届く投票用紙もある

■ 投票日にならないと開票できない州がある

郵便投票/不在者投票の集計は、投票所での直接投票より時間と労力がかかる

直接投票では、係員が投票所で有権者の本人確認をする。

しかし郵便投票では、集計担当者は封を開け、あらかじめ投票者が登録していたサインと投票用紙のサインが同じかどうかをチェックして、身元と投票資格を確認しなければいけない。

確認方法は選挙区によって違うものの、機械を使って確認する州もあれば、手作業で確認する州もある。

さらに、20近くの州が郵便投票の締め切りを11月3日の消印有効にしているため、投票日の後にも投票用紙が届くと予想される。

到着済みの投票用紙の集計を、事前に始める州もある一方で、激戦州のペンシルベニア州やウィスコンシン州は、投票日まで集計できない。選挙当日の11月3日に集計を始めるため、大量の票の集計は当日には終わらないと見込まれている。

こういった郵便投票の特性から、勝者が判明するのに数日、もしくは数週間かかる可能性もあると予想されている。

ニュージャージー州パラマスで郵便で届いた投票用紙の仕分けをする担当者(2020年10月24日)
ニュージャージー州パラマスで郵便で届いた投票用紙の仕分けをする担当者(2020年10月24日)
ASSOCIATED PRESS

どうやって決まる?

■ 大統領選は、各州の「選挙人」による投票で決まる

■ 選挙人の数は全部で538人。270票以上を集めた候補者が当選

実は11月3日の一般投票で、有権者は直接大統領に投票しているわけではない。

アメリカの大統領は有権者の投票の合計数ではなく「選挙人」による投票で決まる。

有権者たちが票を投じているのは州の「選挙人」で、この選挙人による投票で大統領選の候補者が決まる。

とはいえ、選挙人たちは好きな候補に投票するのではなく、ほとんどの州で有権者の投票結果に応じて投票することになっているため、3日の一般投票の結果で次期大統領がわかることになる。

選挙人の数は、全ての州を合わせて538人。この過半数である270票以上を集めた候補者が次期大統領になる。

50州のうちの48州とワシントンD.C.は「勝者総取り制」で、選挙人は州で最も多くの票を獲得した候補者に投票する。

例外はメーン州(選挙人数4)とネブラスカ州(選挙人数5)で、この2つの州では選挙人の票のうち、2人は一般投票の勝者に、残りを下院選挙区の勝者に投票する。

各州の選挙人の数は、州の上院と下院の議員を足した人数。住人が多い州ほど選挙人の数は多く、ワシントンD.C.は3人だ。

<各州の選挙人の数>

HuffPost Japan

ちなみに選挙人の投票で過半数を獲得する候補者がいなかった場合、議会下院で大統領を選び、上院で副大統領を選ぶ

選挙人による投票は12月14日に行われ、選ばれた大統領と副大統領は2021年1月20日に就任する。

2020年の大統領選挙、どうなる?

2020年の大統領選挙は、事前の世論調査では民主党のバイデン候補がリードを保っている。

しかし前回の大統領選挙では、事前の世論調査で支持率が低かったトランプ氏が、大方の予想を覆して当選した。

また、民主党の支持者は郵便投票をする人が多い一方で、当日に投票する人は共和党が多いと言われており、直接投票でトランプ氏の投票数が伸びる可能性もある

今回の大統領選挙は、4年間のトランプ政権の結果にアメリカの市民が回答を突きつける選挙でもある。

ギャラップ社による調査では「4年前に比べて生活が安定した」と感じている人は55%とオバマ政権やブッシュ政権より高く、経済面でトランプ政権に満足している人が多いことを示唆している。

その一方で、アメリカは新型コロナウイルスの感染者数、死者数が世界で最も多く、政権の対応の遅さや不備に対する不満がくすぶっている。

またブラック・ライブス・マターで人種差別に対する抗議の声があがる中、人種差別的な発言をしてきたトランプ大統領に対する怒りを抱いている人たちも大勢いる。

トランプ大統領は「郵便投票は不正が起きる」と主張し続けており、投票結果が僅差だった場合、法廷に持ち込まれるなど混乱が生じる可能性もある。

保守派とリベラル派の分断が進んでいると言われるアメリカ。大統領選挙で、市民がどのような答えを出すかに注目が集まる。

ハフポスト日本版では、2020年大統領選挙の投票結果を、特設ページで随時お伝えします➡︎アメリカ大統領選挙2020 特設ページはこちら

Maya Nakata / Huffpost Japan

11月5日夜9時(日本時間)から、モーリー・ロバートソンさん、長野智子さんとともに議論します。また、これまでアメリカの「ラストベルト(さびついた工業地帯)」を訪ね歩き、今回も現地で取材をしている朝日新聞機動特派員の金成隆一さんと中継をつなぎ、投票直後の「アメリカ」を伝えていただきます。

番組はこちらから⇒ https://twitter.com/i/broadcasts/1lDGLylbnRQJm

(時間になったら自動的にはじまります。視聴は無料です)

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