ゴッホの絵、新型コロナで休館中の美術館から盗難。数億円の価値か

活動初期に描かれた「春のヌエネンの牧師館の庭」がオランダのシンガー・ラーレン美術館から盗まれた。
盗まれたゴッホの作品「春のヌエネンの牧師館の庭」。フローニンゲン美術館提供
盗まれたゴッホの作品「春のヌエネンの牧師館の庭」。フローニンゲン美術館提供
Associated Press

新型コロナウイルスで休館中の美術館から、ゴッホの絵画が盗まれた。

CNNによると、オランダ中部の都市ラーレンにあるシンガー・ラーレン美術館は3月30日に記者会見を開き、同国出身の画家フィンセント・ファン・ゴッホの絵画「春のヌエネンの牧師館の庭」が盗まれたと発表した。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため休館中で、同館の館長は記者会見し「私はショックで、信じられないほど怒っています」と訴えた。

■推定価値は数億円

美術市場のニュースを扱う「artnet News」によると、30日の午前3時15分ごろに、博物館の正面にある大きなガラス製ドアを破壊して、何者かが建物に侵入したとみられる。30日はゴッホの167回目の誕生日だった。

盗まれたのは「ひまわり」などの代表作が描かれる前の1884年の作品。父が牧師をしていたヌエネンにゴッホが住んでいた時代のもので、父の家から見ることができる村の教会の廃墟を描いている。所蔵しているフローニンゲン美術館から、シンガー・ラーレン美術館が借りていたものだった。

AFP通信によると、オランダの美術調査員であるアルテュール・ブラントさんは、この絵の推定価値について100万~600万ユーロ(約1億2000万円~7億1000万円)と述べているという。

■オランダでは1万人以上が感染

 ゴッホの作品が盗まれたシンガー・ラーレン美術館
ゴッホの作品が盗まれたシンガー・ラーレン美術館
Piroschka Van De Wouw / Reuters

欧州疾病予防管理センター(ECDC)の発表によると、オランダでは30日時点で、1万866人の感染者が確認され、771人が死亡している。

オランダ政府は新型コロナの感染拡大を防ぐため、多くの人が集まる美術館や劇場に一時的に休館するよう求めていた。これを受けて、ゴッホの作品が盗まれたシンガーラレン博物館も、2週間前から臨時休館していた

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