VW、排出ガス不正問題に関する内部告発の期限を11月末までと設定

ディーゼルの排出ガス不正問題について何らかの情報を知るフォルクスワーゲン(VW)の従業員は、早々に報告しないと罰せられる可能性があるようだ。

ディーゼル排出ガス不正問題について何らかの情報を知るフォルクスワーゲン(VW)の従業員は、早々に報告しないと罰せられる可能性があるようだ。同社は従業員に対し、11月30日までに不正に関する情報を調査チームに提供するよう求めており、この期限内に申し出た内部告発者については、解雇や損害賠償の請求などを免れることができると『ロイター』が報じている

この内部告発の期限は、VW乗用車ブランド取締役会会長のヘルベルト・ ディース氏による書簡をロイターが入手したことにより明らかになった。同書簡には、「我々はディーゼル不正とCO2排出量不正の真相を解明するため、皆さんが当社社員として協力し、情報を寄せてくれることを期待している」という一文が記載されているとのこと。同社としては短く期限を切ることで、内部調査の迅速化を図る考えだ。

この内部告発を促進する取り組みは、一定の効果を上げている。10月にはあるエンジニアが「VWの開発チームが2013年から2015年春までの間にCO2排出量を操作していた」と明かした。当時のCEOマーティン・ヴィンターコルン氏が掲げたCO2排出量の削減目標を達成できなかったため、タイヤの空気圧を上げ、さらに燃料の軽油に潤滑油を混ぜて、試験時の数値を良く見せかけていたという。

このCO2排出量の不正では約80万台に影響が及ぶと発表されており、その大半は車両税がCO2排出量とリンクしている欧州で販売された車両と思われる。同社は、この問題で影響を受ける顧客に対応するための追加費用を20億ユーロ(約2,650億円)と見積もっている。

米国環境保護庁(EPA)は、2.0リッター直列4気筒エンジンに加えて、新たに3.0リッターV型6気筒ディーゼル・エンジンからもディフィート・デバイス(無効化装置)が見つかった件でVWの捜査を続けている。また、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、対象となる車両の改修について11月20日までに説明するよう同社に求めている。そして、この不正問題に関して、同社はカリフォルニア州(や他の地域)で集団訴訟に直面する可能性もあるようだ。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

(2015年11月15日「Autoblog日本版」より転載)

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