世界中からごみをなくしたい!〜僕たちが海外展開にこだわる理由

僕たちが掲げている中期目標の一つは、「2020年までに、海外を中心に100チームつくり、まちづくりに参加する若者を増やす」というものです。

こんにちは!グリーンバード代表の横尾です。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

新年初!の投稿なので、改めてグリーンバードを簡単に紹介しますね。

僕たちは、国内外に70のチームを持ち、各地で街の清掃活動や街づくりのサポートを展開しているNPOです。アナウンサー、アーティスト、DJ、ホスト、自治体の首長、別のNPOの代表など、チームにはそれぞれ個性的なリーダーやサポーターがいて、彼らの呼びかけで集まったボランティアが定期的に活動しています。(年間の参加者数は約3万人。)

2002年にスタートした活動は、今では子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで老若男女幅広い層の方、また、外国人、障害を持った方、LGBTの方など多様な人たちが参加するようになり、放置自転車や耕作放棄地などの問題解決、それに商店街の盛り上げなどにも一役買っています。「カッコ良さ」「参加のハードルの低さ」を追求し、若者とまちの接点をつくっています。

さて、そんな僕たちが掲げている中期目標の一つは、「2020年までに、海外を中心に100チームつくり、まちづくりに参加する若者を増やす」というものです。(因みに、東京オリンピック・パラリンピックが決まるとっくの前から、そう決めていました笑。)

なぜ、海外を中心に展開したいのか。今日はその理由を3つお話したいと思います。

一つ目は、日本より海外の方がよっぽど街にごみが落ちていて、そのごみを何とかゼロにしたいからです。

皆さんはパリのシャンゼリゼ通りを歩いたことがありますでしょうか。歩かれた方は、きっとそこに落ちているごみの量にビックリされたことと思います。比較的市の清掃が行き届いているエリアではあるものの、タバコの吸い殻やファーストフードの袋など、本当に様々なものが落ちています。(参考:昨年7月に掲載されたクーリエジャポンの記事)ポイ捨てをすると罰金が科されることで有名なシンガポールでも、一本路地を入ればごみだらけ。一昨年、シンガポールで行われた環境サミットで講演させていただいた際には、日本の「ポイ捨てが少ない」ごみ事情に皆一様に驚いていました。

残念ながらポイ捨ての量について国別に示したデータはありませんが、(いつかは調査したいと思っているのですが...)既に海外に展開している僕らのチームの実感値で言うと、総じて日本よりポイ捨てごみは圧倒的に多い。海外の多くの国では街中にポイ捨てされていてもそれが当たり前のようで、「ごみを拾う専門の業者に任せればいい」という考え方があるようです。

数年前、パリ市長に表彰された時、市長には「パリ市民がボランティアでごみを拾うようになり、そもそも彼らの中にポイ捨てしないという気持ちが生まれれば、そこにかけている数億円の税金が浮き、別の社会課題にお金をかけることができる」とおっしゃっていただきました。

二つ目は、日本のクールな文化を海外に広げていきたいからです。

一昨年のブラジルワールドカップの際、日本人サポーターが試合後のスタジアムをきれいにして帰ったことが海外のメディアに取り上げられ、話題になったことは記憶に新しいかと思います。ブラジルのメディアなどは、「コートジボワールに負けたにも関わらず、試合後に日本の教育と礼儀を見せた」と称賛したということです。

日本では、僕たちも数年前から、日本ラグビーフットボール協会さんとともに試合前にサクラの柄のごみ袋を配り、試合後にはサポーターの方々とともにスタジアムクリーンをさせていただいています。すっかり恒例のものとなり、常連の方にはごみ袋をわざわざ取りに来ていただけるようになりました。

先日は東京都さんの企画に協力し、きゃりーぱみゅぱみゅさんとともに、ハロウィンイベントの参加者に「HALLOWEEN & TOKYO」限定のカボチャのごみ袋を配布し、「世界一きれいなハロウィンにしよう」と東京らしいハロウィンを呼び掛けました。渋谷、新宿、六本木、秋葉原でクリーンナップイベントを行いましたが、外国人も多く参加してくれました。

古くは江戸時代からと言われている「向こう三軒両隣」の近所付き合いでは、家の前を掃除する際、間口から隣に掛かる部分も掃除してきました。普段から生活させてもらっている場所や愛着のある場所、公の場所をきれいに保とうとする日本の素敵な文化を、もっともっと海外に広げていきたいと思っています。

そして三つ目は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをボランティアの力で盛り上げたいからです。

今年のリオでの開催が終わると、いよいよ日本は東京オリンピック・パラリンピックモード。ここでも僕たちの活躍できる場所はたくさんあると思っています。競技場での、観客を巻き込んだクリーンアップ、マラソンコースの沿道などでの、地元の方々と一緒に行うクリーンアップ、学校での、ごみ拾いを通じて地域を考えるためのワークショップやアクティブラーニングの実施などなど。

海外のグリーンバードに参加してくれている人たちが次々と来日して、一緒に活動する絵を想像すると、すごくワクワクします。

僕たちが活動を続けるのは、一人でも多くの若者に街に愛着を持ってもらい、老若男女、様々な人々と交流して、社会に参加すること、「自分のまちのことは自分たちの手で何とかする」ことの楽しさを味わってもらいたい。そして近所に、世界にたくさんの仲間をつくってもらいたいからです。東京オリンピック・パラリンピックでのボランティアを通じて、一人でも多くの人に参加し、交流するきっかけを提供できればと思っています。

これまでのガーナ、スリランカ、パリ、シンガポール、アナハイム、ベルゲンに加えて、明日からはイタリアでも僕たちのチームが立ち上がります。

2020年までに海外を中心に100チーム。そんな夢を一緒に実現してくれる企業さんも随時募集しています。(現在も、コカ・コーラ、フィアット、ナイキ、GAP、JT、野村不動産、ユナイテッドさんをはじめ、たくさんのグローバルな企業にスポンサードいただいています。)

引き続きのご支援、そしてもちろん、日々の活動にご参加のほど、どうぞ宜しくお願い致します!

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