山形県知事がGo Toキャンペーンを疑問視。「この時期に全国一斉にスタートするのは、いかがなものか」

首都圏での新型コロナ感染増加を受けて「地方としては手放しでは喜べない」
7月14日、定例会見する山形県の吉村美栄子知事
7月14日、定例会見する山形県の吉村美栄子知事
山形県庁公式サイトの動画より

政府の「Go Toキャンペーン」が全国一律で7月22日から先行実施されれることについて、山形県の吉村美栄子知事が「この時期に全国一斉にスタートするのは、いかがなものか」と会見で疑問視した。

■Go Toキャンペーンとは?

「Go Toキャンペーン」は新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた産業の消費を喚起するのが目的だ。このうち国内旅行における宿泊代金などの料金を割り引く「Go To トラベル」キャンペーンが先行して、7月22日から始まる

しかし東京都の新規感染者数は、7月9日から4日連続で200人を超えている。SNSを中心に、地方への感染拡大を懸念する声が出ており、Twitterでは14日「#GoToキャンペーンを中止してください」というハッシュタグが「日本のトレンド」に入った

■「地方としては手放しでは喜べない」

吉村知事は14日の定例会見で、地元テレビ局の質問に対して「最近の首都圏の感染状況や、このたびの豪雨災害の状況などを踏まえますと、この時期に全国一斉にスタートするのは、いかがなものかなと思っております」と批判した。その上で、経済対策になることは認めた上でに、感染増加を受けて「地方としては手放しでは喜べない」と率直な思いを打ち明けた。

会見での地元テレビ局の記者の質問と、吉村知事の回答は以下の通り。

――「Go To トラベル」キャンペーンについてですが、新型コロナ感染者が東京で再び急増する中で、キャンペーンを利用して東京から観光客が山形県にやってくることについて、率直なお気持ちを聞かせてください。

国土交通省は「Go To トラベル」キャンペーンを7月22日から一部先行して実施すると発表がありました。最近の首都圏の感染状況や、このたびの豪雨災害の状況などを踏まえますと、この時期に全国一斉にスタートするのは、いかがなものかなと思っております。経済に資するとは思っておりますが、感染増加の状況をみますと「地方としては手放しでは喜べない」という思いであります。

山形県としましても全国知事会を通して、いきなりの全国一律の実施ではなく、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえながら、まずは近隣地域の誘客から始めて段階的に誘客範囲を広げていくというような地域の実情に合った実施が可能になるように、各都道府県に十分な事業予算を早期に配分することなどを提言してきたところであります。

具体的に言いますと、山形県内で観光していただいて、東北地方とか段階的に感染状況を見ながら広げていくということも考えられますので、県としてはそういうことも申し上げてきております。できれば、全国的な感染拡大といいますか、第二波が来つつある感じも受けますので、一律ということではなくて、地域の実情に合ったやり方を自治体の長にお任せ頂ければありがたいと思っております。

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