立憲・枝野幸男代表、辞意を表明。「ひとえに私の力不足」【発言全文】

衆院選の結果を受け、立憲民主党の枝野幸男代表が代表職を辞任する意向を表明しました。
テレビ番組のインタビューに答える立憲民主党の枝野幸男代表=10月31日夜、東京都港区
テレビ番組のインタビューに答える立憲民主党の枝野幸男代表=10月31日夜、東京都港区
時事通信社

立憲民主党の枝野幸男氏は11月2日、衆院選で同党の議席数が公示前より下回ったことを受け、代表職を辞任する意向を示した。

執行役員会の冒頭で表明。「新しい代表のもと、新しい体制を構えて来年の参議院選挙、そして次の政権選択選挙に向かっていかなければならないということを決断いたしました」などと述べた。

また、 「特別国会までは私に代表を務めさせていただき、特別国会閉会日に代表を辞させていただいて、代表選挙の手続きを速やかに進めていただきたい」とも述べ、首相指名選挙を行う特別国会閉会後に代表を辞任し、代表選挙を行う考えを示した。

野党共闘の敗北、厳しい選択迫られる

NHKの開票速報によると、10月31日投開票の衆院選で、立憲民主党は公示前の109議席を96議席に減らした。

立憲、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党の5党は、全選挙区のうち7割を超える210以上の選挙区で候補者を一本化。「野党共闘」で挑んだものの、その結果は不振に終わった。朝日新聞デジタルによると、一本化した選挙区で当選した候補は、野党系無所属を含めても29%だった。

議席を減らしたことに加え、辻元清美副代表が小選挙区で日本維新の会・池下卓氏に敗れ、比例復活もかなわず落選が確実になるなどの打撃も受けた。

一方、野党共闘から距離を置いた日本維新の会の躍進が目立った。特に本部を置く大阪府では圧倒的で、候補者全員が当選し、15議席を獲得した

マスコミ各社は、結果を受け、福山哲郎幹事長らが引責辞任の検討に入ったと報道。枝野氏の進退についても、11月2日までに判断を下すと報じていた。

記者会見を終えた立憲民主党の枝野幸男代表=11月1日未明、東京都港区
記者会見を終えた立憲民主党の枝野幸男代表=11月1日未明、東京都港区
時事通信社

【枝野氏の執行役員会での冒頭発言全文】

この総選挙、執行役員の皆さんには、全国各地走り回っていただいて、仲間の当選に向けてご尽力いただきました。本当にありがとうございます。

思えば、昨年の9月15日、本当にさまざま、いろんな経緯の中でそれを乗り越えて、新しい立憲民主党として結集いただきました。そこから1年あまり。なんとか、政権の選択肢を国民の皆さんに示すということでそれぞれの立場で、もちろん、所属議員、総支部長、党員、準党員、パートナーズの皆さん、応援をいただく連合の皆さんはじめ、たくさんの皆さんにお支えをいただき、またその中でも執行役員の皆さんにはさまざまな役割、中心になってになっていただいて、ご奮闘をいただきました。

私個人的なことを申し上げれば、4年前の総選挙で、図らずも、戦後最少の最大野党の党首という立場をお与えをいただき、なんとか次の総選挙では、政権の選択肢として認めていただける、そういう状況を作らなければならないということで頑張ってまいりました。

皆さんのご尽力とご協力の結果、構えとしては、政権選択選挙とメディアも言っていただけるような構えを作ることができましたのは、皆さんのご協力とご奮闘のおかげと感謝をいたしております。

一方で、政権選択の構えを作ることはできましたが、選挙の結果は、平野代表代行や、辻元副代表をはじめ、有為な仲間がたくさん戻ってくることができず、また、現有議席を下回るという、大変残念な結果となりました。ひとえに私の力不足ということで中心となって支えていただいた執行役員の皆さんには心からお詫びを申し上げる次第でございます。

また、全国各地でご支援、ご協力をいただいた皆さん、そして何よりも、この選挙を戦い、残念ながら、当選することができなかった仲間の皆さんにも大変申し訳なく思っているところでございます。

ついては、政権の選択肢として次のステップを私どもとしてきちっと踏み出していくことが、厳しい状況の中ではありましたが、たくさんの皆さんにご支援をいただいた、立憲民主党の役割、責任であるというふうに思っております。

そうした状況を踏まえるならば、新しい代表の下、新しい体制を構えて、来年の参議院選挙、そして次の政権選択選挙に向かっていかなければならないということを決断をいたしました。

ここまでお支えをいただいた執行役員の皆さんにご理解とご了解をいただければというふうに思っております。

この間、昨年9月の代表選挙は、国会議員だけでの投票でございました。国会日程等ございますが、党員、準党員、パートナーズ、支えていただいている皆さんにしっかりと参加していただいた形で、新しい代表を選んで、しっかりとした体制で参議院選挙に臨んでいただきたいというふうに思っております。

ついては、特別国会目前に迫っております。これはいろんな評価、あるかもしれませんが、特別国会はこの総選挙の結果を議会で正式に示すということでございますので、特別国会までは私に代表を務めさせていただき、特別国会閉会日に代表を辞させていただいて、代表選挙の手続きを速やかに進めていただきたいというふうに思っております。

みなさんにご了解いただければ今日からそこに向けた事務的な準備は進めさせたいというふうに思っております。

皆さんに大変なお力添えをいただいて、ある意味ではいい戦いをさせていただいたという思いもあります。ただ、政治と選挙は結果であります。こうした残念な結果に終わりましたので、皆さんにもご了解をいただいて、こうした形で進めてまいりたいというふうに思っておりますのでぜひご理解をいただいて、最後までご協力をいただきますようお願いを申し上げて、冒頭の挨拶とさせていただきます。

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