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2020年05月24日 14時48分 JST

9月入学のゼロ年生案⇒学童保育の待機児童が「41万人」に

教員は6万6千人が不足し、これまでの案の中で最多となります。

朝日新聞社

9月入学のゼロ年生案、学童保育の待機は「41万人」

 政府が検討中の「9月入学」をめぐり、文部科学省が新たに出した「ゼロ年生案」について、苅谷剛彦・英オックスフォード大教授の研究チームが影響を試算した。現年長の子どもたちを2021年4~8月に「ゼロ年生」にし、9月から1年生にする同案では、学童保育の21年の待機児童は41万1千人となり、今の23倍近くに膨らむ。教員は6万6千人が不足し、これまでの案の中で最多となる。

 文科省は官邸や他省庁に、(1)21年秋に入学する小1のみ、4月2日~翌年9月1日生まれを合わせた誕生月17カ月分の学年とする「一斉実施案」と、(2)小1を4月2日~翌5月1日生まれまでの誕生月13カ月分の学年とし、誕生月の期間を5年がかりで1カ月分ずつずらしていき、26年から12カ月分に戻す「段階的実施案」を提示。新たに(3)4月2日~翌4月1日生まれまでの誕生月が12カ月の学年を維持した上で、4~8月に「ゼロ年生」期間を設ける案を加えた。

 政府は6月上旬をめどに9月入学について論点や課題を整理する方針だ。自民党が設置した「秋季入学制度検討ワーキングチーム」も6月初旬に政府への提言をまとめるという。

 研究チームは地方教育費調査や学校基本調査などを使い、子どもの出生数の変化などを加味して「一斉実施案」「段階的実施案」「ゼロ年生案」を今回、新たに推計した。

 「ゼロ年生案」では4~8月にゼロ年生が加わり7学年いるため、学童保育の待機児童が毎年4~8月に41万1千人となる。現在の1万8千人の23倍近くだ。21年に14万9千人となり徐々に減る「一斉実施案」、21年に2万5千人で5年間続く「段階的実施案」に対し、大幅に多くなる。

 一方、保育所の待機児童は、「一斉実施案」では21年のみ26万5千人で翌年以降は解消。「段階的実施案」では21~23年で計47万5千人生まれる。「ゼロ年生案」だと、安倍政権が20年度に待機児童ゼロの目標を達成すれば生まれない。

(朝日新聞デジタル 2020年05月24日 13時00分)

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