熊本地震で改めて思う。台湾、この良き隣人の熱い想い

支援でそのスケールとスピードに感心させられるのが隣国台湾だ。

熊本で起きた地震に関しては、各国から支援の声明があがっているが、いつもこうした支援でそのスケールとスピードに感心させられるのが隣国台湾だ。彼らは台湾大地震の支援のお礼だと繰り返すが、今回も被害拡大を見て政府が6500万円の寄付を表明しただけでなく、党や自治体単位での寄付、そして募金の呼びかけなどの動きも迅速だ。

私にとっても、この良き隣人の熱い想いでは忘れられないことがある。

5年前の311の震災直後、中田英寿の友人の台湾のTVプロデューサーから一本の電話があった。「何か出来ることはない?特番やるよ。寄付を募る。いつもしてもらってばかりだから」と。

震災から1週間後の18日、信じられない番組が台湾で放送された。台湾のテレビ局3局合同でいわゆる24時間テレビのような生放送のチャリティ番組が実現したのだ。台湾のとんでもない有名人たちが代わる代わるスタジオに来ては曲を歌ったり、インタビューに答えたり。そして自分の出番の後は、スタジオ後ろのひな壇の電話オペレーターの席に座って、視聴者からの電話に出て寄付を受け付ける。当時の総統、馬英九氏もスタジオにお越しになられて、何と電話受付をずっとされていた。有名な財界人も次々に大きな小切手のパネルをもって登場し、いつの間にか、とてつもないスケールの寄付金アピール大会に発展。ある人が「3000万円寄付します」と言えば、次に出てきたライバル会社社長が「ならば5000万円」と言う。日本では考えられない不思議な光景だった。結局数時間の放映で20億円以上の寄付金が集まった。

あのドタバタの中だったから、この台湾の番組のことは日本ではあまり報道されなかったけど、台湾という国から私たちはとっても愛されているということと、この台湾という国はとんでもないパワーを持っているんだってことを、目の当たりにしてびっくりしたことを今でも覚えている。本当に有難うございました。

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