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画面を見るだけでロック解除。瞳の「虹彩」で識別する技術がセキュリティの未来を変える

スマートフォンのロック解除はパスワード入力不要、手袋ははめたまま、画面を見るだけでOK。そんな便利な使い方を実現するのが目の「虹彩」のシワを利用した認証技術です。

■暗証番号やパスワード入力不要な生体認証技術

スマートフォンやタブレットの普及にともない、紛失や盗難などに備えて、セキュリティの重要度が高まっています。多くの人はスマートフォンの画面にロック機能を設定し、第三者が勝手に操作できないようにしているでしょう。その際に使われているのが暗証番号やパスワード入力、最近では指紋認証などです。

今後、スマートフォンやタブレットは多くの人の暮らしになくてはならないものとなり、同時に、より高いレベルでのセキュリティが求められています。

そこで注目されているのが、生体認証方式。これは、人間の身体的特徴(生体器官)や行動的特徴(癖)の情報を用いて行う個人認証技術を用いたものです。生体認証には「指紋認証」「手のひら静脈認証」の他に、「音声認証」「筆跡認証」などがあります。「虹彩(こうさい)認証」もその一つです。

■虹彩の皺(しわ)は2歳ごろからほとんど変わらない

虹彩認証とは具体的にどのような技術なのでしょうか。人間の眼球の黒目部分には、瞳孔の外側に「虹彩」と呼ばれる環状の部分があります。ここには瞳孔を拡大したり縮小したりする筋肉があり、この筋肉により作られた細かい皺(しわ)があります。

この皺は2歳を迎える頃からほとんど変化しないため、皺のパターンを「その人固有の識別情報」として、認証に利用するのが虹彩認証です。

虹彩認証は、赤外線カメラで眼球を撮影し、コンピュータで虹彩のパターンを抽出してする「非接触式」であるため、衛生的で、心理的抵抗が少ないのが特長です。また、顔や声のように年齢とともに変化することがないため、個人を識別する情報として活用しやすいことも魅力です。

■虹彩認証ができるスマホ、2015年度中に製品化へ

このたび富士通は、画面を見るだけで、赤外線カメラが瞬時に利用者の目の虹彩を読み取り、ロック解除が可能となる虹彩認証システムを開発。その技術を搭載したスマートフォンを試作しました。

従来の虹彩認証システムは、眼に赤外線カメラを10cm程度まで近づける必要がありました。今回の技術により、普段使いの姿勢や距離で、スマートフォン本体を見つめるだけで、ロック解除や、Webサービスのログインを行うなど、通常の使用時と同程度の眼の位置での認証が可能になります。

また、「手袋をはめたままでも認証できる」「パスワードを打ち込む必要がなくなる」など、スマートフォンの使いやすさが飛躍的に向上します。

富士通は、「手のひら静脈認証」や「指紋認証」など、さまざまな認証技術の開発を手がけてきました。今回、これまで培ってきた認証技術やカメラ制御技術を活用し、日常のさまざまな環境で微細な虹彩パターンを確実に認証するシステムを実現しました。

富士通は、虹彩認証の技術をスマートフォンやタブレットだけではなく、他のセキュリティソリューションに適用することも視野に入れ、幅広く応用していきます。今後、虹彩認証技術とその多様化について研究開発を進め、2015年度中に虹彩認証を使った様々なソリューションの製品化を目指します。

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