粘投のダルビッシュが今季2勝目も、「500発男」プホルスへの危険球が地元紙で物議 「ビーンボール戦争か、内角のボールが逸れただけなのか」

レンジャーズのダルビッシュ有投手が現地時間4日のエンゼルス戦に先発した。味方の大量援護もあって4月6日のレイズ戦以来、約1か月ぶりの白星となる今季2勝目を挙げたが、5回にプホルスのヘルメットをかすめた危険球が地元メディアで物議を醸している。

レンジャーズのダルビッシュ有投手が現地時間4日のエンゼルス戦に先発した。味方の大量援護もあって4月6日のレイズ戦以来、約1か月ぶりの白星となる今季2勝目を挙げたが、5回にプホルスのヘルメットをかすめた危険球が地元メディアで物議を醸している。

photo Getty Images

■プホルスのヘルメットをかすめた危険球

レンジャーズのダルビッシュ有投手が現地時間4日のエンゼルス戦に先発した。6回3分の1イニングを投げ、初回にメジャー通算500本塁打を達成しているアルバート・プホルスらに2本の本塁打を浴びるなど苦しんだが、その後は粘り、7安打、9奪三振で3失点に抑えた。レンジャーズは14-3で勝利。

ダルビッシュも味方の大量援護もあって4月6日のレイズ戦以来、約1か月ぶりの白星となる今季2勝目を挙げたが、5回にプホルスのヘルメットをかすめた危険球が地元メディアで物議を醸している。

地元紙「サンガブリエル・バレー・トリビューン」電子版が「プホルスがヘルメットに死球を受けた」という見出しで緊迫の場面を報じている。

レンジャーズの9-2リードで迎えた5回裏だった。2アウト2塁で迎えたプホルスの打席で、2ストライクと追い込んでいたダルビッシュの91マイル(146キロ)の速球の軌道が大きくそれた。プホルスのヘルメットをかすめると、スラッガーは地面に倒れこんだ。

同紙が「ビーンボール戦争か、内角のボールが3球逸れただけなのか」と書き出した場面を、プホルスはこう振り返ったという。

「正しいタイミングで避けることができて本当に幸運だった。(負傷など)バカげたことが起こらずに嬉しいよ。9-2リードの場面で彼がわざとぶつけようと投げたのなら、彼は間抜けだ。でも、そうではないと思うし、ボールが滑っただけだろう。もしも、意図的に投げたのなら、間違いなくマウンドに詰め寄っていた」

■プホルスはダルビッシュの悪意を否定したが…

メジャーを代表するスラッガーはダルビッシュの悪意を否定し、単なるすっぽ抜けだと理解している。だが、同紙は前段を説明している。5回表にエンゼルスのマイケル・コーン投手が秋信守にカウント2-2からデッドボールを与えていた。さらに6回表の先頭打者となったアレックス・リオスに対しても、コーン投手が内角に厳しいボールを放り込み、リオスが大きく避ける一幕もあった。リオスがフライで凡退する際にはコーンに対して、声を荒げたという。

「(リオスが)何を言っているのか分からない。聞こえなかったからね」とコーンは語っているというが、この一触即発のシーンについて、エンゼルスのマイク・ソーシア監督も同紙の取材に「コーンは内角をアグレッシブに攻めようとしただけだし、ダルビッシュも同じだと思う。これが野球の一部。誰も打者にぶつけようと思っていない。内角を攻めただけ」と悪意があった投球でないという見解を示している。

「ヘルメットへの死球は不運」と語ったダルビッシュ【写真:Getty Images】

MLBの公式ホームページの特集記事によると、ダルビッシュはプホルスへの死球について、通訳を介して、2ストライク後の失投をもったいないと悔やみながら、ヘルメットへの死球は不運と語っているという。一方、リオスは「プホルスにわざとぶつけたなんて思わない。だから、彼(コーン)がわざと自分めがけて投げるのは正しい考えではない」と語っており、両軍は少なからず遺恨を残した格好だ。

一方、ダルビッシュは初回にエリック・アイバーとプホルスにソロホームランを浴びたが、3回以降は粘りの投球で勝利をつかんだ。116球を投げてストライクは71球。9奪三振は昨年の奪三振王の面目躍如のピッチングだった。

これで今季2勝1敗、防御率2・87。フォックススポーツ電子版は「ダルビッシュが輝き、レンジャーズがエンゼルスを撃破」と大見出しで称えている。MLBホームページでもレンジャーズのロン・ワシントン監督が「今日はダルビッシュが素晴らしい仕事をしてくれた」と感謝している。強敵相手に荒れ模様の一戦を制したダルビッシュは今後、勝ち星を増やしていけるか。

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(2014年5月5日「フルカウント」より転載)

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