100万本のバラより100万円のバラ1本

「都市ブランド戦略」に挑戦されている自治体の視察ということで広島県福山市に伺いました。

(左が筆者、視察先にて。右は私が大学生時代にインターンを経験させて頂いた東京都町田市の市議会議長)

「都市ブランド戦略」に挑戦されている自治体の視察ということで広島県福山市に伺いました。福山市は人口46万人で県内では広島市に次ぐ大都市です。しかし、市の担当者は人口の割りに全国的な知名度がないので何とかしないといけないということを仕切りに説明しておられました。

さて、私も始めて福山市を訪れて知ったのですが、福山市は「ばらのまち」だそうです2010年3月に「100万本のばらのまち 福山」の実現に向けて、ばらのまちに関する行動計画「ばらのアクションプラン」が策定されてました。

さらに「福山市ばらのまち条例」も制定され、5月21日は「ばらの日」だそうです。

そして、目標として「ばらの咲き誇るまち 福山」の実現を掲げまい進されております。確かに、説明時の配布された資料もばら色のファイルにばら色のパンフレットであり、ブランド戦略の一環であることが伺えました。

さて、具体的な取り組みとしては、

1)ばら苗配布事業

「100万本のばらのまち」をめざし、ばらづくりの輪を広げるため熱意ある市民、団体等に1992年度(平成4年度)より無料でばら苗を配布しています。

2)新築記念ばら苗配布事業

住宅を新築、購入した世帯へ記念として「ばら苗」を配布する事業を2007年度(平成19年度)より始めています。

配布第1号を記念して、羽田市長が直接手渡しにより配布。

3)新生児誕生記念ばら苗配布事業

「ばらのアクションプラン」~みんなの「ばら」100万本プロジェクト~に基づき,2014年(平成26年)4月1日以降に市内で生まれた新生児の誕生をお祝いし,その記念として,市の花ばらを配布します。

など、ばらに特化した事業を展開されています。

ただ、実際に福山駅に降り立ってみても駅前にばらの花らしきものは見当たらず(見落としていたのかもしれませんが)、市役所に着いて担当者からの説明とばら色のパンフレットを見て初めて知りました。

ばらを特色とした公園が市内にあることと、上記に掲げたばらの苗木の無料配布などによって花壇にばらがある市民宅が見られる街ということです。

その結果、2016年5月21日の「ばらの日」にはついに100万本のばらを達成されたそうです。その記念式典では市内の公園に,1,000人を超える多くの市民が参加し、「ギネス世界記録™町おこしニッポン」の企画として、「同時にブーケ(花束)を贈り受け取った最も多いペアの数」(「Most pairs presenting and receiving bouquets simultaneously」)という記録に挑戦し,見事539組(1,078人)の世界記録を樹立しました。

ただ、こういった試みにもかかわらず、福山市がばらのまちであるという全国的知名度がないのでそこが課題でありましょう。

そこで、私は担当者への質問で、「100万本のばらもいいですが、100万円のばら一本を作れば皆、見てみたいと思って興味を持つし、全国的なニュースになるかもしれませんがいかがですか」と提案しました。担当者は「確かにとんがったもの1つを作るのもいいアイディアかもしれませんね」と言っておられました。

実現するでしょうか。税金を使った事業としては難しいかもしれませんね。

市議会議員(江南市)

東猴史紘

注目記事