市議会での答弁は事前に分かっているか

よく、皆さんから議会って事前に答弁も分かってるんでしょ?と質問を受けます。
business meeting conference
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Zeljko Bozic via Getty Images

今日から市議会が始まりました。

よく、皆さんから議会って事前に答弁も分かってるんでしょ?と質問を受けます。

答えは、「分かってます」です。

まず、議員が何を市に質問したいかをリストにして議会事務局に提出します。これを通告といいます。

通告を行うと、その日か翌日以降に電話がかかってきます。

誰からかかってくるかと言うと、その質問のテーマを担当する職員(課長、補佐)さんです。

そして打ち合わせが始まります。

この質問にはこの答弁をします、あるいはその答弁ならこっちはこういう質問にします、といった形です。

この打ち合わせを3.4回もすれば質問も答弁も原稿が出来上がります。

つまり、議場において当日ガチンコで議論は基本的にありません。

じゃ、議会では議論は行われてないのかと言うとそれは違います。

議論はこの打ち合わせの段階で行われてます。今回だと以下のような感じです。

私「市独自のまち・ひと・しごと総合戦略策定に関して、子育て世代のニーズ調査の実施と市独自の希望出生率を算出をして、それを目標とした方が市の実情に合った戦略が作れますよ。国が出した目標出生率2.04を目標にしても市長も職員もピンとこないし、当事者意識出ないですよ。」

市幹部「ニーズ調査も希望出生率調査もそれなりのサンプル数がいるのでコストがかかります。希望出生率は国も県も出しており、似たような数字です。市でやっても多分同じと推測されるのでやる意味はないです。」

私「希望出生率はそうかもしれないが、ニーズ調査はしたほうがいいですよ。民間のマーケティングにはプロダクトアウトとマーケットインという用語があります。プロダクトアウトは企業が売りたい商品を市場に出すこと。マーケットインは市場が望む商品を作ること。今はマーケットインが基本です。マーケットイン型の企業なら戦略を立てるときに、まずは市場ニーズ調査をしますよ。ニーズが把握できなくて、どうやって商品を作るんですか。少子化対策としての地方創生の戦略作るなら、子育て世代の不満やニーズを把握しなきゃ計画なんて作れませんよ。」

市幹部「希望出生率の調査に関しては私と東猴さんとの間で意見の相違があります。確かに市独自のオリジナルの数字を出してそれに向かって施策を打つという発想は理解はできますが国と似たような数字になることが予想される中、やる必要が果たしてあるのかと。ただし、子育て世代が子育てに関して何に不満を持ってるのかといった調査は検討の余地はあります。」

このテーマの場合、実際は10分くらいお互い眉間にシワを寄せながら議論してました。

こうした打ち合わせを繰り返した結果、質問も答弁も出来上がるわけです。

ただし、これは一般質問だけです。委員会の質疑では市側がガチンコです。

その話はまた。

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