1カ月間「ヴィーガン生活」した私が、イギリスに行って驚いた4つのこと

イギリスは「ヴィーガン先進国」と言われています。

今年の4月、私は「動物性食品を一切食べない。1カ月"ヴィーガン生活"」をしていた。

肉、魚、卵、乳製品...。動物性食品を一切取らず、食に制限を抱えながら生きていくことは、大学生の私にとって決して簡単なことではなかった。学びや気づきは多く、自分自身も楽しくヴィーガン生活をしていた。しかし、一言で振り返るならば、「食材選びがひたすら大変だった」に尽きるだろう。

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ヴィーガン生活を終えてから早3カ月。夏休みに、私は「ヴィーガン先進国」と言われるイギリスのロンドンを旅行した。BBCによると、イギリスでは、夕食の29%は「肉や魚を含まない菜食である」との調査結果が出ているという。また、イギリスでシェア3割を占めるスーパー最大手・TESCOも、ヴィーガン対応を強化している

ヴィーガン先進国のイギリスで、私が実際に感じたことをいくつかご紹介したい。

1. 食品には「ベジタリアン」「ヴィーガン」の証明マーク

ロンドンのスーパーをウロウロしていた時、冷凍食品のピザに、「ベジタリアン」のマークが付いていることに気が付いた。他の食品もよく見てみると、「ヴィーガン」や「グルテンフリー」を証明するマークが付いている。

冷凍食品のピザに「vegetarian」のマーク
Fumika Nagasawa
冷凍食品のピザに「vegetarian」のマーク

私が日本でヴィーガン生活をしていた時は、どんな食品でも裏側に記載されている栄養成分表示を見るのがルーティンとなっていた。一見、動物性食品が入ってないように見えても、魚のダシや肉のエキスが入っていることがよくあるからだ。

日本にも、「ベジタリアン」「ヴィーガン」に対応と書いてある食品はあるが、まだまだ少ない。冷凍食品やお菓子など、もっと一般的に「ベジタリアン」や「ヴィーガン」のマークが付いていれば、ベジタリアンやヴィーガンでも手に取りやすくなるだろう。

2. 週末のマーケットにはヴィーガン専門のお店

週末、ロンドンでは至るところでマーケットが開かれる。経度0度、世界の時刻の基準として知られる町・グリニッジのマーケットに行ってみたら、ヴィーガン専門店がいくつか出店していた。

ロンドン・グリニッジのマーケットにて
Fumika Nagasawa
ロンドン・グリニッジのマーケットにて

スイーツやケバブなど、普通なら動物性食品が使われる料理が、100%ヴィーガンで売られている。お店も賑わっており、イギリスのヴィーガン先進度を垣間見ることができた。

3. 「ヴィーガン」の概念は、食だけにとどまらない

日本でも展開しているイギリス生まれの化粧品ブランド、ザ・ボディショップ。店内を見てみたら、一角に「ヴィーガン」の文字を発見した。動物由来の成分を一切含まずに作られた100%ヴィーガンのボディクリームが売られていたのだ。

ザ・ボディショップのボディクリーム
Fumika Nagasawa
ザ・ボディショップのボディクリーム

日本では、「ヴィーガン」というと食の概念と理解されることが多いが(私も最初はそう思っていた)、本来は衣食住すべてのライフスタイルに動物性のものを使用しないのがポリシー。イギリスでは、食べ物だけではなくヴィーガンの化粧品や衣類も充実していた。

4. ロンドンの町には、たくさんのヴィーガンレストラン

ロンドンを歩いていると、ヴィーガンレストランがたくさんある。私もヴィーガンハンバーガーを試した。

ジャックフルーツでできたハンバーガー
Fumika Nagasawa
ジャックフルーツでできたハンバーガー

このハンバーガーは、ジャックフルーツ(パラミツ)でできているが、食べてみたらまるで豚肉。日本でヴィーガン料理と言えば、大豆からできていることが多いので、新しい味わいで新鮮だった。

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今回、「ヴィーガン先進国」と言われるイギリスに行って、ヴィーガンという概念が、街や暮らしの中に自然に溶け込んでおり、あたりまえとなっていることに驚いた。

ヴィーガン生活をしていた時に「日本にもあったらいいのに...」と思っていたことが、もう現実となっている場所がある。「食の制限を抱える人でも生きやすい社会」を目指す私にとって、学びの多い経験となった。