また、ヤジの話か・・・と自分でも書くのが嫌になるが、こと所属している千葉県議会が貶められているかのごとく扱われたように感じたため、書かずにいられなくなった。いちいち反論することではないかもしれない。しかし、真実ではないことを放置することはできないのである。
複数の報道機関によると、千葉市の熊谷俊人市長がツイッターで、都議会のヤジ問題について「千葉市議会もやじがないわけではありませんが、少ないですし下品なものはありません。県議会はひどいようです」とツイートしたという。さらに、それに対して森田健作知事と阿部紘一県議会議長が4日、「そんなことない」と一斉に否定したと報じられた。
何をもって、熊谷市長がひどいと言ったのかわからない。だが「千葉市議会が少なく下品なものはない」との文言と対比したのであれば、千葉県議会は多く下品なものがある・・・そう言いたいのであろうか。
「県議会のヤジはひどくない」・・・森田知事、阿部議長と同様、私も反論する。
何を持って多いか少ないかという判断基準は定かではないものの、自分の経験からモノを申せば、討論で登壇した際、10分近く寸断なくヤジの嵐を浴びたことがあった。TPP推進を訴えた時のことで、農業生産額全国第3位の千葉県ではTPPをタブー視する風潮があったため、保守から左翼まで議場全体を敵に回す格好となったのである。
ただ、その時でさえ、誹謗、中傷、暴言の類のヤジはなかった。あくまでも農業生産者の立場からの政策の相違に対するものであり、むしろ、今でも良い経験だったと思っている。ヤジの可否はともかく、集中砲火を浴びた経験のある私でさえ、ひどいとは思っていない。
一方、「ひどい」という指摘のほか、この件については、もう1点、市長の姿勢について問題があると感じた。「ひどいようである」と推定でモノを言っている点はどうだろうか。
熊谷市長が本会議、或いは委員会などを傍聴された上で指摘したのであれば、「ひどい」という感じ方の違いであるため、まだ理解することができる。そうであるのなら、こんな反論などしないだろう。
ところが、私が議席をお預かりしてからこの3年間、熊谷市長は一度も傍聴に訪れた記憶がない。見てもいないものを、あたかも事実のように言えるものなのか。或いは、他人に聞いたことを確かめもせず、鵜呑みにしてしまうのか。今、世間で耳目を引く問題について、然るべき立場の人間が、いかに公的な場ではない私的なツイートであっても、単なる伝聞の形で発信するのは如何なものかと思う。「講釈師見てきたような嘘をつき」が腹立たしいのだ。
実は、私はこの1年の間に、熊谷市長の資質を疑う事例にぶつかったことがある。今はトーンダウンしているものの、私が政策として取り組んでいるハラールに関し、一時、千葉市の積極的な取り組みが話題になった。
最初は、この点についてスピード感を評価したものだが、よくよく調べているとその内容はお粗末なもの。過去に問題を起こした人物を関わらせるなど、放置していたら国際的な問題になる恐れもあったのだ。その時、その人物の言うことを鵜呑みにしたのか・・・と疑念を抱いたのである。
県議会議員の身分である私が直接タッチできないながら、政治的な繋がりのある千葉市議に働きかけて水面下で動きブレーキをかけた。その時の件と合せて、もしかしたら、思い付きで行動されることが多いのでは、と疑いの目を向けたくなるのである。
「ひどい」という感じ方は人によって違うものの、少なくともご自身で確認しないことを伝えたのは事実。熊谷市長におかれては、取り組み姿勢などいいところもあるとの印象があるし、その点に関して私は評価しているので、熟慮してコトに臨んで頂きたいと思っている。