新米パパの私が、3週間のワンオペ育児中に気づいた5つの大切なこと

想像以上の過酷さでした。

こんにちは。ハヤシタクマと申します。書籍編集者をしています。

妻と息子(1歳3ヶ月)の3人暮らしです。

ついこの間まで、私の人生の中でも過去最高といえる忙しさとストレスを味わいました。

といいますのも、妻が県外で実習を受けることになり、GW明けから3週間、月〜金はワンオペ育児をすることになったからです。

ワンオペ育児は、想像以上の過酷さでした

それまでも、家事と育児は分担し、土日には一人で息子の面倒を見ることもあったので多分大丈夫と思っていたのですが、3週間という長丁場は想像以上の過酷さでした。

ざっと1日の流れを書くと、

朝は6時前に起き、朝ごはんをつくり、洗濯物を干し、子どもにご飯を食べさせ、オムツを替え、自分も朝の準備をして、保育園に行き、出社。

会社ではバーっと仕事をしてあっという間にお迎えの時間。

17時に会社を出て、保育園に着くのは18時。家に着いたら夜ご飯を食べさせ、お風呂に一緒に入り、着替えをして、歯磨きさせて、寝かしつけ。

20時に寝たらその後起きて自分のご飯と残った仕事を始め、寝る(正直寝落ちしてしまい、深夜に活動する日が多数ありました)

という日々でした。

しかも、この期間に、新刊の校了、翌月刊の入稿、そして新刊の発売が重なることに。

自分の時間は当然なく、さらに子どもが3日間熱を出し、仕事と子育ての疲れで自分も体調も崩しかけ、まさに嵐のような日々でした。

赤字入れをしているときに子どもが寄ってきて、ペンをとられました
赤字入れをしているときに子どもが寄ってきて、ペンをとられました

体質が変わった

しかし、だからこそ自分にとって普段気づかない大切なことに気づき、体質が変わる期間にもなりました。

普段の生活に戻ると忘れる、元に戻ってしまう可能性が大なので、ここに自分のためにも書き残したいと思います。

① 絶対退社時間の設定により集中力が上がる

息子のお迎えのため、どんなに遅くとも17時には退社しなければなりません。そのため、会社の中にいる1分1秒が惜しく、常に何か手を動かしている状態です。

「普段からそうしろよ」「あたりまえだろ」と思われたかもしれません。

私も、そう思います。

しかし、それまでは、大変な仕事は後で時間かけてやればいいと考えがちで、集中するまでは何となく水を飲みに行ったり、トイレに行ったりと「気が散りやすい体質」に陥っていたのです。

この悪しき体質が、強制的に退社する時間を毎日設定されたことで、変わらざるを得なかった。ライザップ的に体質が変革し、とにかく会社に着いてからは集中するようになったのです。

②タスク出しをしてから処理するようになった

これも「基本だろ!!」と会社の上司に見られたら怒られそうです。

ただ、仕事を早く終わらせるにはこれが超大事!( あたりまえ)

とにかくまず、やるべきことを、箇条書きにして、グダグダ考えずにやる。手を動かす。

すると、なんということでしょう。

いつもと同じ、いやむしろ多いくらいの仕事の量が17時までに片付いたのです!

タスク出しは、ワンオペがきつくなってきた後半から本能的に行うようになりました。

たぶん私の場合、書き出す方が頭で覚えてくより負担が少なく、仕事の量も見える化できてスッキリするからだと思います。

③ 悩む前にまず形にする。そして人に聞く。

この間、悩んだのがタイトルやオビのコピーをつくるというアイディアが必要な仕事です。

それまでは、一人でうんうん悩んでいました。

しかし、それではもはやお迎えに間に合わない!

というわけで、アイディアが必要なものは、まず自分で思いつくだけ考えて、言葉にし、すぐ人に見せに行く、というスタイルに変わりました。

たたき台をつくって、フィードバックをもらって、また自分で叩いてみて、、、の繰り返しです。

「100パーセントにこだわるより、6〜7割でいいから形にするのが大事」とよく聞きます。以前から私もそうしよう、と思っていました。

しかし、このワンオペ期間中は「3割しかできてないけど、いいや!」という感じでとにかく何らかのものができたら社内の人に意見を聞きに行きました。

まぁもしかすると「もうちょっと自分で考えてこいよ」と思われたかもしれません。

ただ、私の場合、相手に何か言ってもらったほうが、3割から7割にも、もっていきやすいと、分かったのです。

というわけで、フィードバックは1回といわず、2回でも3回でも、とにかく早い段階から数を重ねたほうがいい、と思いました。

④昼飯を食べない!

時間がない+集中できているという状況では、私は昼ごはんを食べません(食べられません)でした。

昼休憩中も何らかの作業をしていないと、17時には終わらない!という面もありつつ、お腹が空いてないのに決まった時間にご飯を食べる必要もないと思ったからです。

4月に行った脳科学のセミナーで、「1日1食で十分」という話を聞いていたからかもしれません。

たしかに、昼飯を抜いたほうが集中力が、続いたような気がしました。

まあ、これはさすがに毎日ではなく、お腹が空くと集中力も無くなるので、日によっては何かを摘んだり飲んだりしていました。

ただ、以前のようにガッツリランチを食べることはなくなりました。

また、長期間、昼休憩無しを続けるとメンタル的にしんどくなるので、ワンオペ育児が終わった日には久しぶりに外でゆっくりランチを食べ、リラックスしました。

⑤ 周りの人がすごく助けてくれた

最後に、一番大事だなぁ、と思ったことは、周りの人が助けてくれたということです。

上司、社長をはじめ、社内の人に理解していただけただけでなく、著者や関係者の皆さまにも、やはり迷惑をかけた点があったと思います。

もちろん、「やるべきことはやる」という大前提はあり、そこに甘えてはいけないと思います。しかしやはり、誰にも文句や嫌味を言われなかったのは非常に恵まれているなぁと思いました。

とくに、自分が発端となったイベントに参加できないという、非常に申し訳ない事態が発生。。。

そのときも、先方の皆様、会社のイベント担当者、登壇者の社長に本来私のやるべきことを全てフォローしていただき、当日は大盛況となりました!

本当にありがたかったです。

以上、①ー⑤がワンオペ育児中に気づいた大切なことです。

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5月15日に、ディスカヴァー・トゥエンティワン本社でイベント「文章の書きかたを学ぶ時間。ベストセラー連発の出版社トップに"90分でわかるコツ"を聞く」を開催しました。

ワンオペ育児中の「仕事やりきった感」

もちろん、反省点もめちゃくちゃ多々あり、

・「重要で緊急な仕事」に集中するため、「重要だけれど緊急じゃない仕事」が後回しになった。

・とくに〆切が曖昧なものは優先順位が下がってしまった

・「重要じゃないけれど緊急な仕事」はホントのギリギリになってしまったり、クオリティが低かったかもしれない

・レスポンスが遅くなることがあった。

・とくに後半は疲れとストレスで余裕がなくなってくるので「話しかけないでオーラ」を出そうとしてしまった。

・話しかけられてもいい加減な返事をしてしまった

・いつもは雑談を振りにいく側のくせに行かなくなった

・「忙しい」という言い訳を使ってしまった

・とくに親しい人には「ワンオペ育児中で〜」と言ってしまったが、のちのち考えると同情をひこうとしていた面がある。

・机の上が汚くなった( いつもかも)

・コップを洗わずに帰った( これもいつも)

・とはいえ、やはり17時までで全てが終わるわけでもなく、まとまった時間が必要な作業は寝かしつけのあと深夜におこなったり、土曜日に妻が帰ってきたときに行ったりした

など、枚挙にいとまがありません。

ですが、ワンオペ育児中の「仕事やりきった感」はいつもよりあった気がします。

そして、この期間に担当した本は大変だったけど、自分としてはいつもと比較しても良いものになったのではないか!と思っております。

あと、個人的に子育てに対する満足感も得られました。朝と夜二人きりで、ご飯を食べ、お風呂に入り、一緒に寝ていると前より息子との絆が強くなったような気がします。(多分)

余談ですが、息子もこれを機に断乳ができました。

まとめると、

・時間を区切ってタスクを集中的にこなす

・周りの人に頼る

という変化が、ワンオペ育児によって私にもたらされました。

この2つは仕事をする上で基本中の基本かもしれません。

でも恥ずかしながら私の場合、「絶対的な時間的制約」と、「圧倒的な疲労とストレス」がかかることではじめて自分の中で習慣化ができた、と感じました。

これからは分担育児にもどりますが、今回考えたことを忘れずに過ごしていきたいと思います。

(とはいえ、じつは6月にもう一回、3週間のワンオペ育児期間があるのだ、、、!)

(2018年5月26日noteより加筆修正の上転載)

ワンオペ育児の大変さを実感して得られた「アタラシイ時間」。

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