おいしい紅茶が飲みたい!そう考えていたら「あさイチ」がおいしい紅茶のいれ方特集をやっていた。

私は紅茶党だ。いいトシをした男が気取っているわけではないが、昔からの習慣で、朝はミルクティーで始まる。

私は紅茶党だ。

いいトシをした男が気取っているわけではないが、昔からの習慣で、朝はミルクティーで始まる。

水道水で湯を沸かし、茶葉で淹れた紅茶に冷たい牛乳を多めに入れてごくごくと飲む。

イギリスに駐在していた20年以上前から続く習慣だ。

テレビの特派員として4年間駐在していた頃に、紅茶のおいしさを知った。

特に、朝のミルクティーのおいしさは格別だ。

一方で、その頃からなんとかならないのかと感じてきたのが、日本の喫茶店やカフェ、レストランなどで出てくる紅茶のマズさだ。

超一流店は別にしても、そこそこ高級なはずのレストランやホテルの喫茶店などでも、紅茶を頼むとティーバッグで出てくる。

茶葉で淹れたリーフティーとして出てきても、「ミルク」として出されるのは、「コーヒーフレッシュ」と呼ばれる小型カップ。

つまりコーヒー用の「クリーム」だったりする。

ビュッフェ方式のホテルの朝食ではコーヒーと並んで紅茶もある。

だが、だいたいは、お湯だけが出てきて、ティーバッグを浸して自分で紅茶を淹れる。

「ミルク」はそばにはなく、コーヒーフレッシュという場合も多い。

そこそこの一流ホテルでもそんな実態なのだ。

そんな時、私はコーンフレーク用の牛乳を探し、見つけたら店の人間の目の前でどぼどぼと紅茶のカップに注ぐことにしている。

例外なく、そんな紅茶はとってもマズい。

このマズい紅茶が許せなくなっている。

ハンバーガー店の紅茶がティーバッグなのは仕方はない。

だが、レストランでこのマズい紅茶・・・。

コーヒーフレッシュをつけて、金を取るなんて・・・

許して良いのか、と個人的には思う。

イギリスだったら、ありえない。

金返せ、と暴動が起きるよな、などと想像しながら、何でこんなものを出すのだろうかと恨めしく思う。

積年の恨めしさだ。

そんな私がちょっとだけ溜飲を下げたのが、3月26日放送のNHK「あさイチ」で放送していた特集「いちオシ!紅茶の新常識」だった。

自宅でも簡単に出来る紅茶のおいしい淹れ方を紹介していた。

1つ守るだけでプロの味に! NEWゴールデンルール これまでもたびたび、紅茶のいれかたのルールについては、伝えられてきましたが、今回番組では、紅茶研究家の磯淵猛さんオススメの、新しいゴールデンルールをご紹介しました。 ポイントは、95度。 お湯の温度が沸騰する直前に火を止め、95度のお湯を注ぐだけでいいのです。 95度のお湯をポットに勢いよく注ぐと、茶葉の周りに空気の泡がつき、「ジャンピング」と呼ばれる現象をおこします。その「ジャンピング」が起きると、茶葉の中から味や香りの成分がほどよく抽出され、おいしい紅茶を入れることができるのです。 95度を見分ける方法 ※やけどに注意しながら、確認して下さい。 やかんのふたをあけ、浮いてくる"泡"を確認。 90度で小さな泡が少し浮いているだけですが、95度になるとその泡の量が増えてきます。 お湯の沸いている"音"を確認。 90度では、『ポコ・・・ポコ』と小さく跳ねるような音がしているのが、95度になるとその頻度が早くなります。 そのほかのポイント ・使用する水は、蛇口から出したばかりの新鮮な水道水を入れるのがオススメ。ペットボトルの水を使用する場合は、10分の1の量の水を別の容器に移し、ボトルをよく振って、水に酸素を含ませてから使用して下さい。 ・電気湯沸かし器で湯を沸かす場合、水を入れてすぐに沸かしましょう。一度沸かしたり、長時間、電気を入れたまま保存した湯は、水中の酸素が減っているため、適しません。 ・湯を入れたあとは、茶葉の大きさなどにもよりますが、3~5分蒸らしましょう。 ティーバッグの場合は、ティーカップに入れて1分程度蒸らして下さい。

出典:|NHK「あさイチ」イチおし!紅茶の新常識

水道水が良いのは、「空気」が入ることで甘みが出るのだと言う。

いかに苦みを抑えるかが大事なポイントだ。

番組では、水が95度になると茶葉が水中を動き回って、もっともおいしい味になるという結果を検証実験で示していた。

「あさイチ」では、紅茶に含まれる成分の思わぬ「効用」も示した。

コミュニケーション能力をUPさせる紅茶の力 紅茶を飲めば、苦手な人との会話も自然と盛り上がる!?そんな秘められた力が紅茶にはあることが実験で判明しました。脳の血流を計る機械を装着し、紅茶を飲みながら30分間、自由に会話をしてもらったところ、前頭葉の左側「話す中枢」の部分と、中央の「話す意欲や積極性」をつかさどる部分の血流が活発化していました。その2つの部分が同時に活性化しているということは、コミュニケーション能力が上がっている証拠だと言います。杏林大学医学部の教授、古賀良彦さんが行った実験では、紅茶、緑茶、コーヒーの3つの飲み物を飲みながら10組のペアで会話をしてもらったところ、紅茶は、ほかの飲み物より脳の前頭葉が活発化していたことが判明しました。

出典:NHK「あさイチ」イチおし!紅茶の新常識

そういえば、NHK以外の民放テレビ局も最近は「紅茶ブーム」で、都心に「紅茶専門店」が増えていると特集していた。

「あさイチ」でも以下の話題も放送していた。

ブーム到来?!国産紅茶の魅力 紅茶の産地といえばインドやスリランカなどの国を思い浮かべる人も多いと思いますが、最近、人気が高まっているのが国産の紅茶です。 今回、三重県亀山市で生産されている「べにほまれ」の紅茶について取材しました。 明治から昭和にかけて国産の紅茶の生産が奨励されていた時期、亀山市でも良質の紅茶が生産されていました。特に戦後、亀山市で作られた「べにほまれ」の紅茶は、海外でも「ダージリンにも負けない香り」と称賛され、国内外でも高く評価されていましたが、輸入自由化の波により衰退。一度途絶えてしまいます。 絶滅したと思われていた幻の木「べにほまれ」がよみがえったのは2年前。地元の生産者のグループによって4か所の畑が発見され、1年かけて整備されました。現在は、少ないながらも亀山市内の飲食店などで販売されています。再び世界に誇れる紅茶を作りたいという生産者の夢が紅茶の復活を支えました。 アレンジミルクティー ティーアドバイザーの小山弥生子さんに、この季節に合うフルーツとスパイスを使ったアレンジティーの作り方を教わりました。 【材料】 ・茶葉・・・8グラム(※「ディンブラ」を使用しました) ・リンゴのスライス・・・3枚(※「王林」を使用しました) ・カモミール、シナモン・・・適量 ・水・・・500ミリリットル ・牛乳・・・200ml(※低温殺菌牛乳を使用しました) 【作り方】 ティーポットに茶葉、リンゴのスライス、カモミール、シナモンを入れお湯を注ぎ、3分間蒸らします。(※上記ゴールデンルールを守って作りました) (1)のポットに牛乳を注いだら、できあがり!

出典:NHK「あさイチ」イチおし!紅茶の新常識

日本でも本当に紅茶ブームが定着して、街中からマズい紅茶が一掃されることを願っている。

「あさイチ」のような特集が次々に放送されて、紅茶をおいしく出す店があちこちで当たり前に存在するようになることを願っている。

特に、店で紅茶を出す際にコヒーフレッシュを一緒に出して金を取るなんてことは絶対に止めてほしい。

せめて紅茶に入れる「ミルク」とは、クリームではなくm「牛乳」のことだという常識が広がってほしい。

歴史が長いコーヒーの文化に比べて、紅茶の文化は日本ではまだまだ蓄積は浅い。

紅茶通にとっては、おいしい紅茶を飲もうとするととにかく大変だ。

今回の放送で、少しはおいしい紅茶をいれるノウハウが多少は広まった。

NHK「あさイチ」のスタッフの中にも私と同じ思いの人がきっといたのだろう。

(2014年3月28日「Yahoo!個人」より転載)