小規模認可保育所を15園運営し、全国小規模保育協議会の理事長もやっております、働く父の駒崎です。
本日、(日本の子育て支援政策を議論する)第28回内閣府子ども子育て会議に委員として参加し、そこで有用な資料があったのでシェアしたいと思います。
【小規模認可の伸びが激しい】
こちらにあるように、子ども子育て支援新制度開始時(2015年4月)に1655園と爆増した小規模認可保育所ですが、翌年度である2016年度では2429園と、成長率46%と激増しています。
大規模認可保育園が保育士不足や物件不足で作りづらい中、小規模認可が大きく成長し待機児童解消に寄与しているのは、大変喜ばしいことです。待機児童問題の牽引車としての小規模保育の活躍を、期待しています。
【保育士率100%のA型が最多】
2429園の内訳でいうと、保育士率100%を義務付けられているA型が1711園(昨年対比78%増)、保育士率50%以上のB型が595園(昨対比4%増)、保育士率0%(ただし家庭福祉員等の資格が必要な)C型が123園(昨対比1%増)と、A型が大半を占めており、伸びの大半もA型です。
制度施行時に、資格要件の緩和による質の低下を批判する方もいましたが、実態は7割が保育士100%の園であることから、ウィングを広げて、認可外保育所を包摂し、質を底上げしていく方針は、概ね成功しているのではないかと思います。
【小規模保育のこれから】
小規模保育の有効性は、開始1年での大幅な開園数の拡大によって、証明されたと思います。待機児童問題の解決のためには、小規模保育の潜在能力を解放していくことだと思います。
そこでハードルになっているのが、年齢規制です。小規模認可保育所は、0〜2歳しかお預かりできないことになっています。(ただし3歳以降行き場がない場合は、「特例給付」制度を使って、いつづけることはできます)
3歳以降は、幼稚園や近隣保育所が受け皿になってくれるから、ということで、待機児童が集中している0〜2歳中心で良いんじゃないか、というのが当初の趣旨でした。
しかし、制度を開始してみると、幼稚園は子ども子育て新制度に30%しか参入せず、近隣保育所も「うちも3歳以降で待機児童出ちゃっているので、卒園児は受け入れられません」と連携してくれないのです。国は想定を、読み間違えてしまったわけです。
よって、年齢規制を取っ払い、小規模認可保育所においても、0〜5歳の預かりを可能にさせるべきなのです。イメージとしては、各年齢3人ずつ、18人の小さな温かみのある保育園です。こうした園はスウェーデンのような諸外国でも行われていますので、日本でやれない理由はないでしょう。
今後は、趣旨が陳腐化してしまった規制を取り払い、小規模認可保育所の潜在能力を開花させ、より機動的な待機児童対策を行っていくことを、国には期待しています。
(2016年7月28日「駒崎弘樹公式ブログ」より転載)