ママの「家事・育児奮闘CM」を改めて考える

「ママ」というか「女性」に一体どうなってもらいたいのか?そこが議論の本質であろう。その議論をせずに、「女性活用」をうたう現政権。

今朝の朝日新聞社会面「ニュースQ3 ママだけ家事・育児に奮闘?CMの表現に議論」の記事が出たので、改めてこの問題について考察してみたい。

「ママ」というか「女性」に一体どうなってもらいたいのか?

そこが議論の本質であろう。

その議論をせずに、「女性活用」をうたう現政権。

専業主婦が多い時代であれば違和感なく通用したCMであろう。

しかし、女性が「家事・育児」をやることを前提に置いた上で、

さらに「仕事」もさせながら、

「活躍」もさせようというフルコミット状態を押し付けてどうするのか。

よく家事代行に頼めばいいという意見もあるが、

まずは、夫婦でともに家事も育児も仕事もできる環境を整備するのが先だ。

長時間労働でクタクタとなり、賃金もなかなか上がらない状況。

生活防衛のために、仕事を抱え込み残業を続けなければならない。

しかし、時間をかけても一向に成果が出ず、上司からもパワハラに遭う。

そんな活躍していると自信を持って言える男性が明らかに多いとは思えない中で、

さらに、「女性が活躍する社会を作るのだ」という。

何か順番が間違っていませんか?ということだ。

そうではなく、男女がお互いにフルコミットできる状態。

つまり、お互いが「普通」に仕事をし、

お互いが「普通」に家事・育児をし、

お互いが「普通」に余暇が楽しめる社会を、

まずは無理なく創造しなければならないのだ。

そして、ひとり親となれば、

地域社会がしっかりと支えていく。

いまやるべきことは、「女性の社会進出」ではなく、

「男女の社会的包摂」を目指すべきなのだ。

女性をあくどい男性社会に進出させてどうしようというのか。

壊すべきは「男性社会」のほうだ。

CMは購買優先という事情はあるのだろうが、

多くの人が観ることになる公共的(電波)空間を使用していると考えれば、

より一歩先のイメージを作り出すことに傾注してほしいと切に願う。

当然、CMとはそういう未来志向のものだと思っていたが、

今回立て続けに、ネガティブなイメージを持ってしまうCMが制作されたのは、

本当に残念なことだ。

今回の記事での筆者のコメントの部分を引用したい。

花王の洗剤「ウルトラアタックNeo広がっています篇(へん)」には「育休明けママ」「幼稚園ママ」など母親ばかりが登場する。労働・子育てジャーナリスト吉田大樹さんは「一人でもパパが登場していれば印象は違ったのに残念だ」。花王広報部は「週末編では父親が洗濯をしている。今後も男性にフォーカスしたCMを計画中」という。

花王広報部のコメントとして、

「週末編では父親が洗濯をしている」としているが、

ここもちょっと惜しい。。。

週末だけでもやるのだから良しとするのか。

週末にしかやらないことを良しとしないのか。

最終的には夫婦がお互いに納得をして決めればいい話ではあるが、

平日は女性がやらなければならないというイメージを、

新たなイメージとして果たしてふさわしいのか。

皆さんはどう考えるだろうか。

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