日本代表選手は「日本」のことを知っているのだろうか。

「日の丸を背負う」という意味がどういう意味なのか、「日本」という国がどういう国なのか、知らずに世界大会に出るのはいいのだろうか。

私は今、ボート(漕艇・ローイング)の日本代表として、オリンピックに出ようとしている。まだ決まったわけではなく、今年4月のアジア大陸予選で3位以内に入れば、出場が決まる。

私自身、「ボート」という競技については、人並みに知っているつもりだ。ただ、日本代表として、「日本」のことを知っているかと聞かれれば、「知っている」と強く答えられるか、疑問だ。

私の単なる想像だが、どんな競技の日本代表選手もそうなんじゃないかと思う。どんな競技もその競技の中でトップになれば、日本代表になることができる。ただ、その「日本」という国が、どのような歴史を持つ国で、今どういう状態にあるのか具体的な「日本観」を持っている選手はどれぐらいいるのだろうか、と思う。

選手にとって、歴史が口頭で伝えられることはあまりない。それこそ学校の授業だけだろう。社会人選手がいざ、日本のことを勉強しようとしても、本や博物館の資料を見ることでしか学べないのではないかと思う。

オリンピックや世界大会に向けて、どんな競技の選手においてもハードなトレーニングが毎日のように続く現状において、実際に博物館へ行ったり、小難しい歴史書や映像を見る体力や精神力は残されていないと言ってもいい。

ただ「日の丸を背負う」という意味がどういう意味なのか、「日本」という国がどういう国なのか、知らずに世界大会に出るのはいいのだろうか。

日本の代表として世界の国々と競う。日本の代表として。

諸説あるかもしれないが、日本という国は現存する世界最古の国らしい。そのこと自体恥ずかしながら一昨年ぐらいに初めて知った。よくニュースになる靖国神社も、第二次世界大戦後に作られたものではなく、もともと明治維新後に作られたものと知ったのも最近だ。

私自身、世界史や日本史など、受験勉強のために相当勉強したつもりだったが、以上の2点を知らないだけで、本当に「日本」の代表なのか、自身を疑った。

2020年、東京でオリンピックが開催される。みんな東京のことは良く知っていると思う。ただ日本のことを知っている日本人選手が、本当の意味で「日の丸を背負う」選手が、どれだけいるのか、わからない。

「日の丸を背負う」、そのことが競技成績を上げる科学的根拠はないだろう。ただ、自国にそれほど誇りを持たない選手と、強い誇りを持つ選手、どちらが競争に強いか、それはあまり関係がないのか。

私自身、日本という国が好きだが、好きでも嫌いでも、日本代表選手として日本をもっともっと知った上で戦った方が、もう既に自分以外皆カッコよくて恐縮なのだが、よりカッコいいのではないかと思う。

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ボート(漕艇)日本代表。昨年企業を退職、現在無職。

今年4月韓国で行われるアジア大陸予選で3位以内で五輪枠獲得。種目は軽量級ダブルスカル。

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