サイドプロジェクトが威力をもつ時代:すぐに何かを始めよう!

なぜかと言うと、自分の本業ばかり見つめていると、その分野で生き抜いていけるかもしれないが、大きく伸びる可能性のある新しいアイディアや、自分がほんとうに心から楽しめること、ワクワクすることには出会えないかもしれない。

『サイドプロジェクト』という言葉を聞いても、特別な意味や感情は浮かばなかった。

『サイド』というからには、『本流』とは別のところでやる、あまり重要ではないプロジェクトのことを意味するのだろうなぐらいにしか思わなかった。

今朝、この記事を読むまでは。

Start Something:The Power of Side Projects (何かを始めよう:サイドプロジェクトのチカラ)

もちろん、この記事を待つまでもなく、Googleの従業員がその20%の時間を好きなことに使っており、そこからGmailやAdSenseが生まれたことは有名だ。

また、最近急速に伸びたおなじみのウェッブサービスも、サイドプロジェクトから生まれているものが多い。

Twitter, Instagram Uber (配車サービス), Stuble Upon (ソーシャルネットワーク)などが、サイドプロジェクトとしてスタートしている。

たとえば、Instagramの始まりは、このようなものだったそうだ(以下記事より引用・翻訳)

ケビンはNextstopでマーケティングの仕事をしていた。彼は正式なコンピューター最センスの教育を受けていなかったが、夜と週末に、サイドプロジェクトを始めるためにプログラミングを学んだ。最初にBurbnという地域に根ざしたものをつくった。が、それはうまく受け入れられなかった。が、ユーザーがその写真共有の仕組みを気に入った。ケビンと仲間はそれをBurbnからスピンオフして、Instagramをつくった。

Kevin Systrom was doing marketing at Nextstop as his day job. Systrom (without formal computer-science training), would spend his nights and weekends building side projects to learn how to code. Eventually, he came up with a location-based product named Burbn. While this initial prototype didn’t take off, users loved the photo-sharing features in the product. Systrom and his co-founder would spin this feature off into its own app, named Instagram.

記事にはほかにもたくさんの例が書かれている。

ウェッブサービス以外にも、マスコミ志望の女性が、望む仕事を得ることができず、父親の助言で、自分で書いた記事をネットで公開し、結果、ニューヨーク・タイムズ誌などからも仕事を受注するフリーランスのジャーナリストになった話も紹介されている。

僕は、この記事を読んで、目からうろこが落ちた。

何かと言うと、つまり、「すべての時間と精力を本業一筋につぎ込んで本業分野での競争に勝ち抜くこと」こそが経営であると思っていたからだ。

だから、たとえば、こうやってブログを書いていていいのだろうか、と思うこともあるし、Kimono Archiveをやることについても、利益を生まないことに精力を使うのは、見栄や自分のワガママなのではないだろうかとか、思わないでもなかったのだ。

だが、そうとばかりも言い切れない。

なぜかと言うと、自分の本業ばかり見つめていると、その分野で生き抜いていけるかもしれないが、大きく伸びる可能性のある新しいアイディアや、自分がほんとうに心から楽しめること、ワクワクすることには出会えないかもしれない。

そこにこそ、自分ならではの、大きなビジネスチャンスは眠っているかもしれない。

そのこと自体は、いつの時代でもそうだったのかもしれないが、これほどインターネットと技術のスピードが上がった世の中では、良いアイディアが、瞬く間に人気化する可能性が高くなった。

サイドプロジェクトが化ける可能性が、とても大きくなっているのである。

本業以外に、時間をとって、自分の好きなサイドプロジェクトをやっても良いのだ。

僕らのような自営業者、経営者だけでなく、会社に努めているひとも、給料の得られる昼間の仕事のあとで、自分なりのサイドプロジェクトを立ち上げても良いのだ。

しかも、良いアイディアがあれば、いくつだって立ち上げても良いのだ。

最後に、先に紹介した女性が語ったことを記事から紹介したい。

”サイドプロジェクトは素晴らしい。あなたが本来望んでいない仕事についていたとしても、あなたのクリエイティビティを発揮できるから。あなたが何もできていないとイライラしているのは、みんなにあなたが何をできるか知ってもらっていないからかもしれなわよ。だから、まず、無料でやってみせるのよ。そしたら、みんなやってきて、あなたにそれをやって欲しいって頼むようになるわ、お金を払ってでも”

“Side projects are great because they keep you going creatively and mentally when you’re not in the place in your career you want to be,” wrote Gaby when I e-mailed her about this piece. “I always say if you’re upset because you’re not doing a thing, it might be because people don’t know you do that thing. So do it for free and then people will want you to do it for them, for money.”

photo by SPLITSHIRE

(2014年4月6日「ICHIROYAのブログ」より転載)

Google共同創業者、ラリー・ペイジ

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