闘う細胞不足で感染症にビクビク 頑張ったのに抗体が消える?

気をつけることの一番が「感染症」なのです。

チャーミングケアという、病気や障害のあるどんな子どもにも、子どもらしくいるための外見ケアやメンタルケアなどの重要性を推奨・啓蒙しているチャーミングケアラボの石嶋です。

暑いですね・・・非常に暑い。学生だと長い夏休み、保護者は何かと大変な季節ですね。

我が家は現在白血病治療中の子を含む3人兄弟全員が小学生になったのですが、去年までは幼稚園児がいました。

幼稚園って、どうして学期末ごろになると感染症が蔓延するみたいな状態になるのでしょうか?

もはや、それも季節の風物詩的なものになっており・・・

ここ2年間、白血病治療中の子どもがいる我が家には脅威でした。

長男の白血病治療は、1年間を入院治療。残りの約1年間を抗がん剤の経口薬を飲んで治療していきます。

とはいっても、抗がん剤です。日常生活を送ってはいるものの、普段と全く同じというわけにはいきません。

気をつけることの一番が「感染症」なのです。

闘う細胞。体の中にいったい何人兵隊がいるの?

白血病の治療は、白血球の値をコントロールして行います。

コントロールすることにより、例えるなら体内にいる兵隊が健康体の人であれば1万人くらいいるところが、我が子は2000人から3000人ほどに減った状態を保つのです。

そこにウイルスがやってきて、体内戦争が起こったらどうなるかを想像してみてください。

チャーミングケアラボ

1万人と2000人、完全に兵隊不足であり戦いに不利なことは明確です。

つまり罹患してしまうと、非常に治りにくいし、その体内戦争に負けてしまうと入院を余儀なくされる場合もあります。

感染症の種類によっては最悪危険な状況に陥ることもあるのです。

そのため自宅に戻ってからのこの1年間は感染症のシーズンになると、罹患していない兄弟までも学校を休ませて防衛していました。

治療によって予防接種の抗体が消える???

そして、そんな中、ちょっとした情報が私の元に舞い込みました。

  • 抗がん剤治療が影響して、今までに摂取してきた予防接種の抗体が消えてしまっている可能性がある
  • その抗体を再接種するにあたり市町村で助成がおりず全額負担をしたら、20万円以上かかったので市町村宛に助成嘆願をした

というものでした。

「な・・・なんですと!!!うちはどうなん??」

とまず思いました。

すぐにその抗体問題の事実確認を取りました。

  1. 骨髄移植など免疫抑制剤を使用した治療の子は確実に抗体がなくなる。
  2. 抗がん剤単体でもなくなった事例はあるが、エビデンスが揃っていないため確定はできないけれど、一部接種済みの抗体がなくなってしまう傾向がある。

「エライコッチャやないですか!他人事ではないやん!」早速、自分が住む市町村に問い合わせました。

すると数日後、「どうやら骨髄移植治療に限定されているけれども、大阪府から助成の計画があるようです。」と返答をもらいました。

「なぜ骨髄移植だけ?抗がん剤治療のみのうちの息子は適応外ということになるやないか!

治療頑張ったが故のことやのに・・・その限定的な感じはどういうことやねん!」

と思い、調査を始めました。

それぞれの感染症への考え方(患児の保護者への聞き取り調査)

そんな中、GW前後に「はしか」が流行しました。

まだまだ闘う細胞不足のうちの息子。

さらには抗体が残っているかどうかも治療中なのでわからない状態でした。

そうなると、人ごみへの外出はリスクでしかない状況でした。

だからといって、白血病に罹患している本人もそうですが、そのほかの兄弟も世間が連休で色々出かけてる中、家に缶詰じゃ辛いですよね。

それは・・・推奨しているチャーミングケアとは程遠い。

結局私たちは、運営している子供のお見舞い品のショッピングサイトの一部収益の寄付先にもなっている神戸のチャイルドケモハウスに宿泊することにし、それなりのGWを満喫しましたがーーー

他地域ではどう過ごしたのか?ちょっと聞いてみました。

Aさん:

うちは骨髄移植してるからねぇ。まだ予防接種打てる時期じゃないから、はしか・・・怖いやん。そんなんもらっても困るし、もし万が一もらってしもたとして、それ・・・うちらにうつっても怖いから、とりあえず親の私らが予防接種、念のためにしたわ。

*麻疹風疹の予防接種は、世代によって抗体がついていない世代があり・・・ちょうどそこの層が、私たち親の層に当たるのです。私も予防接種は子供が白血病になった時点で自費で追加接種しました。

Bさん:

どこも行けないよね^^;怖いし、うちまだ外来で抗がん剤治療中だし・・・せいぜい公園でキャッチボール程度かなぁ。

はしかって、まだ下の子が予防接種してなかったりするんだよね。

もし万が一罹患してしまったら家族内パンデミックだし、保育園とかに知らない間に充満させてしまう可能性もあるから・・・うちだけの問題でもなくなってくるよね。そうなると・・・

Cさん:

もう治療終了してだいぶんと経っているけど、最後の抗体検査でうちは意外と全部抗体あったんだよ。

手術とかしてるのに・・・奇跡だなと^^; 本当かなぁ・・・逆に不安になるなぁ。。。でも全部大丈夫って言われたなぁ。

Dさん:

うちは幼児期の心臓移植組なんで、移植の前に予防接種で打てるものは全部打っちゃうんですよ。

移植後は無理なのわかってるから。

抗体が消えたりつかなかったり・・・はあると思うけど、症例自体が本当に少ないので、特例措置で助成してくれたりしましたよ。初回はね。

なるほど・・・特例措置ーーーそういうのもあるのか。

未接種状態でいることへのリスク

当事者側への聞き取り調査では、費用面での不安が前提ではありますが、なぜ予防接種をしない状態でいることが怖いのか?ということへの意見が多く得られました。

予防接種を受けられない我が子への感染の恐怖感ももちろんあります。

それと同時に、我が子からさらに感染が拡大することへの恐怖感を語ってくれたのがとても印象的でした。

予防接種は、予防接種法により接種する月齢が定められています。

ですので、低年齢の子どもには免疫がついていない場合がほとんどなのです。

そして、コメントの中にもありましたが、その抗体は必ずしも定着しているものとも限らないのです。

例えば、私のような40代の年齢層は麻疹風疹の予防接種の回数が1回の世代なので、抗体がついていない場合が大多数だと言われています。

私は息子が病気になったと知った段階で、抗体検査を受けて、自費で予防接種を打ちました。

そういった、抵抗力のない層に、はしかのような感染症が広がってしまったら・・・

考えただけでも恐ろしくなります。

チームで予防接種問題に取り組もう!

さて、私の住む市町村の予防接種助成問題はどうなったかというと

「『確実に抗体のなくなる骨髄移植に限定して、注意喚起のために有効期限つきで』

本来であれば市町村が管轄する予防接種の助成を、都道府県である『大阪府』がフォローをした」

というのが実情だとわかりました。

  • 注意喚起ということは、各市町村で助成が実施されることは話が別ってこと?
  • 府の有効期限が切れたらどうなるの?
  • 骨髄移植以外の適応範囲の人たちはどうなるの?
  • 他府県はどうしているの?
  • そもそも、小児がん患児の予防接種事情を、当事者以外の人ってそこまで理解してる??

様々な疑問が浮かびました。

どこか他の大きな団体に頼まないとーーーと瞬時に私は感じたので、頼む先を当たってみました。

ちょうどやり取りをさせてもらっていた「がんの子どもを守る会」という患者会が、協力してくれる事になりました。

全国に目を向けると、予防接種助成問題に関して制度化されていない自治体の方が多いのが現状です。

  • 予防接種を管轄している全国の市町村で、情報がバラバラ。できれば一元化したい
  • 全国で市町村に嘆願しているのは、全て患児の親。負担が大きいのでは?
  • 情報を知らずに助成を受けず、経済的な理由で予防接種を受けないという選択肢を無くしたい

協力してくれていた各地の保護者たちの情報を共有して、患者会を通じて厚生労働省に全国嘆願する方向になりました。

チャーミングケアラボとしては、大阪府にきちんと情報を伝えよう!と、各市町村にがんの子どもを守る会の関西支部と手分けをして、一件一件に電話連絡をしました。

結果、ほぼ全ての自治体が「大阪府の条例」通りの措置にとどまっていることが判明し、抗がん剤のみの私の息子は適応外になりました。

しかしながら、全体像に関しては少し理解していただけた様子でした。

来年度に向けた予算化にあたり継続的にフォローしていかなければいけない話だなと感じました。

そして、保護者の声の一つに

「この子は、昔なら亡くなってた子なんですよ。だけど今は救われる。

日本の制度はそこに追いついてないから、予防接種だけに限らずこの子のための制度がないんです。

なんか、存在してるけど・・・存在してないみたいな気分になる時があります。」

というものがあり、とても心に残っています。

嘆願したら終わりではなく、制度化されるまで今後も引き続き調査をしていかねばならない分野であることは間違いないと感じています。

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