落ちこぼれの人生を歩いていると思っている皆さんへ

忘れないで。私たちには理解できないような「魔法の力」が存在します。

いつでもモチベーションを高く保っていなきゃなんて思っていませんか? 何かしなくちゃ、なんて焦っていません? そんな必要はありません。他の人のブログや記事を読んで「あれもできていない、これもダメ...」なんて悩まなくてもいいんです。

私たちは毎日たくさんの情報を得ます。Pinterestの文言にまで目を通します。そのうち突然スイッチが入って、行動を起こすようになると思っています。世の中で人気の言葉は、成功や意欲、意志力、目標、生産性。

だけど誰も言わないことがあります。それは、あなたはあなただということ。変わるタイミングがくるまで、あなたはあなたなんです。変わりたいと思う時にあなたは変わります。アイデアが形になるのには、一番いいタイミングがあります。変化はそうやって起こるものです。

大切なことはただ一つ。今のあなたがどんなあなたであろうと、そのままでいいと認めましょう。

あなたはロボットではありません。やる気が出ないときに押す"やる気スイッチ"なんてついていません。物事がうまくいかないときもあります。思いがけないことが起こるのが人生。人生!人生ってなんだ? それは初めての連続。小さなことに大きな苦労をして、やっとの思いで何かを学ぶ場所です。

すべてが思い通りにいくことはありません。体が続く限り毎朝5時に起きることはできるけれど、言葉やイメージやアイデアや浮かばないときは、何をしたってうまくいきません。毎日、素晴らしい目標を掲げて生きるのはいいことだけれど、「その時」がこなければ、うまくいかないことがあります。それを受け入れることを、自分に許しましょう。

「『その時』がこなければ、うまくいかないことがあります。それを受け入れることを、自分に許しましょう」

小説を書きたいと思っていても、主人公が思い浮かぶまで筆はすすみません。真実を捉えた傑作だと人に認められる作品を書けるようになるまで、もう何年か人生経験を積まなければいけないかもしれません。自分の内面を知るために一人っきりになる必要があれば、恋愛もできないかもしれない。心から共感できる仲間に出会えない時もあるでしょう。悲しみに打ちひしがれる日々もあるかもしれない。でもそういった全てが、いつかあなたを代表するような作品になるのです。

人生は思い通りにコントロールできない。私たちはそれを知っています。それなのに、まるでそのことを知らないように生きています。人生を思い通りに進めようと躍起になり、せっかくの創造力をゲームの勝敗に費やし、他人の成功を聞いて手っ取り早く成功しようと考え、感情や疑念を無視してただひたすら生きています。

でも人生はゲームではありません。勝ち負けを争うものではないのです。理解できないことや予測できないことに左右されないために、全てをコントロールするなんて不可能です。今を生きるということは、現在の自分を受け入れ、それに満足することです。

とはいえ、世の中はそんな生き方をいいとは思っていないのも事実。私たちのまわりは、生産性を向上させるためのツールや、◯◯するための30のこと、なんて欲求を押さえるためのマニュアルであふれています。でも、私たちは自分でしかいられません。変わるタイミングが訪れるまで、自分は自分です。健康的な生活習慣や、成長するための習慣を取り入れて少し変わることはできるかもしれないけれど、そのタイミングをコントロールはできないのです。

タイミングに従わざるを得ないということを、私たちはつい忘れてしまいます。

人生の不幸の大半は「今の自分は間違いで、本当の人生が他にある」という考えが原因になっています。人生は自分の力で変えられる ―― そう信じていますです。そして「本当なら状況を変えられるはずなのに」とか「もっと裕福で魅力的で幸せな人間になれるのに」と感じて、自己嫌悪に陥ってしまうのです。自己責任という言葉が重要視される世の中で、私たちはつらさや痛みを自分で抱え込んでしまいます。そんな必要はないのに。全力でやったうえで起こったことは、起こったこととして受け入れなければいけません。結果をそのまま受け取り、傷つく必要はありません。チャンスはいつも、思いがけない形でやってきます。

望む人生を生きるために、これ以上のモチベーションやインスピレーションは必要ありません。もっと頑張れたのに、と恥じる必要もありません。状況や生き方がまったく違う人から「まだ頑張りが足りない」と言われても、うのみにする必要はありません。チャンスはいつか必ずやってきます。困難にぶち当たった時には、いい経験だと思えばいい。目の前にあるものが、将来必ずいきると信じましょう。今日のあなたが、明日のあなたをつくるのです。

「私たちには理解できないような『魔法の力』が存在します。それは自分の力でコントロールできません。マニュアルもありません」

欲望を抑えられるだけの人間になっていない時もあるかもしれません。望みが叶う場所にふさわしい人間にならなければいけないこともあるでしょう。

望みが何であっても、望みを持つだけで十分なんです。それをかなえるためには、みじめな気持ちを味わわなければいけません。じゃあどうすればいいんだろう? やる気に問題があるわけではありません。問題は、努力は山に石を運ぶようなもので、頑張った分だけ山を高くしてしまう、ということなのです。

でも忘れないで。私たちには理解できないような「魔法の力」が存在します。それは自分の力でコントロールできません。マニュアルもありません。だから流れに任せましょう。必死に頑張るのをしばらくやめて、歯車を回るがままに任せておきましょう。信じて下さい。その時間が大きな意味を持つ時が、必ずやってきます。

そう信じることを、自分に許してあげてください。

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。