北欧神話がベースとなったマーベルコミックスの人気作「ソー(Thor)」を実写化した2作目。雷神ソーを演じるクリス・ヘムズワースの人気もあってヒット中。
今回はロンドンで発生した重力の異常が発生し、地球はまたも滅亡の危機に向かっていく。その事態を打開すべく今回は「アベンジャーズ」ではなく、ソーのみで立ち向かう。
マーベルコミックス出身者の「アベンジャーズ」の一員として、米国ニューヨークをほぼ破壊するような激闘を繰り広げて早1年。今度は英国ロンドンで謎の重力異常が発生、調査担当は天文物理学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)。しかし、その過程でダークエルフのパワーを宿してしまって大変なことに。愛する彼女を救うためにソーは彼女を連れて神々の世界アスガルドへと向かうが、それがさらに危機を拡大する。窮地に陥った彼は、宿敵の弟ロキ(トム・ヒドルストン)に助けを求めるしか術はなかった・・・・。
主人公を演じるクリス・ヘムズワースは83年生まれでオーストラリア出身。『スター・トレック』でカーク船長の父親を演じた。本作の後『ラッシュ/プライドと友情』にも出演。一方、ナタリー・ポートマンは81年生まれで、めずらしいイスラエル出身。出演作は『レオン』のマチルダ役でビュー、『マーズ・アタック!』、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』、『クローサー』、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』、『マイ・ブルーベリー・ナイツ』、『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』、そして『ブラックスワン』でアカデミー賞主演女優賞受賞。
本作の主人公ソーもアメリカンコミックスの主人公である。アメコミは基本的には勧善懲悪のヒーローもので、絵も綺麗で図法もきちんとしており、筆者も大好きである。アメリカンコミックスにはマーベルとDCとの2社がある。マーベルの主人公は、スパイダーマン、キャプテン・アメリカ、X-メン、ハルク、アイアンマン、マイティ・ソー、ゴーストライダーなどあげ出すとキリがない。DCはスーパーマン、バットマン、キャットウーマン 、ワンダーウーマン、グリーンランタンなどを持つ。テーマ性からいっても、米国映画にぴったりくる。マーベルは2009年にディズニーに買収され、一層、映画化が増えることとなった。
このようなキャラクターには「著作権」が大事な点となる。最も有名なキャラクターはミッキーマウスではないか。米国ではいわゆる著作権法がたびたび延長されているが、1928年生まれのミッキーマウスの影響もあるのではないかともいわれている。映画でも書店で、昔のDVDが大変安く販売されているが、この著作権で様々な解釈があり、問題にもなっている。日本の企業も著作権等の知財では、アジアで苦労している話も聞こえる。社会制度が違う国々では、このような知財などの法的な面の検討も重要なのである。筆者は産業政策や企業戦略も教えてきたが、このような知財の対応は、産業にとって不可欠になる。
筆者も、自身の書籍の著作権問題で被害を受けており、現在でも解決していない。しかし、そのような問題に巻き込まれること自体が、自分の脇が甘かったし、不徳の致すところであったと反省している。皆様も注意していただきたい。
「宿輪ゼミ」
経済学博士・エコノミスト・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・映画評論家の宿輪先生が2006年4月から行っているボランティア公開講義。その始まりは東京大学大学院の学生さんがもっと講義を聞きたいとして始めたもの。どなたにも分かり易い講義は定評。「日本経済新聞」や「アエラ」の記事にも。1月に記念すべき150回を迎え、2014年4月で9年目になります。
Facebookが活動の中心となっており、以下を確認、ご参加下さい。会員は5000人を突破しております。