「アロハの心を東北の子供達へ」、レインボー・フォー・ジャパン・プロジェクトについて、発起人の大久保良市さんに話を聞きました。

大切なのは、「忘れないこと」。

レインボー・フォー・ジャパン・プロジェクトは、東日本大震災で被災した子どもたちをハワイへ呼び、心を癒してもらうことを目的にしています。ハワイの人たちと触れ合い、様々なアクティビティーに参加するこのプロジェクトが10回を迎えました。

「子供達をハワイに呼ぼう」

当時私はJALのハワイ支店長を務めていた関係で、震災当日から何本もの電話を受けとりました。皆さん、ハワイのローカルの方で、航空会社だから、何かができると思ったのでしょう。募金もすぐに億単位で集まり、東北大学病院などに寄付しました。ただ直接的な支援もしたいということで、子供達を連れてくる方法はないかと考えました。

レインボー・フォー・ジャパン・プロジェクト発起人の大久保良市さん

ハワイ日米協会(JASH)、ファースト・ハワイアン銀行など多くの方の協力を得、受け皿はできたのですが、こうしたプロジェクトは日本から送り出しを手伝ってくれる人たちが必要です。探していたところ、さとう宗幸さんが会長をされている「宮城びっきの会」と出会い、協力してもらうことになりました。第一回目の子供たちは大震災の4ヶ月後の7月にハワイに来ています。

レインボー・フォー・ジャパン・プロジェクトという名前は、「ハワイと日本の間に虹の橋を架けたい」との思いからつけました。

交流研修プロジェクトですので、子供たちは、地元の子供たちとキャンプをしたり、ハワイのシニアの方々とアクティビティーを行なうことで、アロハの心を感じてもらいます。今回はハワイ島まで足を伸ばし、ボルケーノ国立公園ツアーやスターゲイジングツアーにも参加しました。

今回ではありませんが、コンサートでウクレレを披露したり、事前に用意した故郷の様子を発表した子供たちもいます。

どこでも現地の人たちの協力がなければ、成り立ちません。ハワイでは日系の人たちが中心になって、様々な支援を申し出てくれました。ホテルやレストランは、無料で部屋を提供してくれたり、お弁当を提供してくれたり、ありがたいです。

ウクレレファクトリーのコアロハでは、子供たちはウクレレ作りを体験し、自分で作ったウクレレを持ち帰ります。20人近い子供たちを工場に呼んで、ウクレレ作りをすることは大変です。その後にみんなでBBQも行います。実はコアロハでは、その日工場をストップし、スタッフ全員で迎えるのです。子供達にとって、自作のウクレレは一生の宝物になることでしょう。

今までに参加した子供たちは総勢約200人になりました。多くのことを学んで、ALOHAの心を受け継いでくれたと思っています。第1期、第2期の子供たちは社会人となり、海外に目を向ける子、地元の復興に力を注ぐ子など、頼もしい成長を遂げてくれました。

大切なのは、「忘れないこと」。大震災から5年が経ち、募金集めは大変になってきていますが、せっかく始めた活動です。今後は中学生だけでなく、小学生や高校生を呼ぶ「ハワイ-東北レインボープロジェクト」と名前を変え、続けていきたいと思います。

子供達の映像です。ご覧ください。

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Hawaii Web TVより転載

撮影:塩沢淳子

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