私が「完璧」なカラダを諦めた理由

「どうして20代の一番美しい時のスタイルを諦めなければならないの?」と思う人もいるのではないか。

4人目の子どもがまだお腹にいた時、他の子どもたちが急速に大きくなっている私のお腹の妊娠線に気付いた。そして3歳と5歳になる子どもたちが、「この紫の線は何なの?」と興味津々に聞いてきた。

私は子どもたちにこの線について教えてあげることにした。「あなたたちはみんなこのお腹の中で生まれ、お母さんから栄養をもらいながら大きくなったの。この線はあなたたちを生むために、どれだけ私の体が伸びたかの証しなのよ」そして子どもたちは自分のすべすべのお腹を見ながら、どうして自分たちのお腹にはこの線がないのかと不思議そうにしていた。

妊娠することで、私たち女性の体は思った以上に変化する。中には元に戻らない変化も起こる。体重が増えたり、傷ができたり、体形が変わることもある。人によっては、こうした変化は全く意味がないと思えるかもしれない。「どうして20代の一番美しい時のスタイルを諦めなければならないの?」と思う人もいるのではないか。

どうしてこんなに体が変わってしまうのか。それは新しい命を生み、育て、愛するためだ。もし体が変化することに意味がないとすれば、子どもを産むことも意味がなくなってなってしまう。他人を愛し、尽くすことも意味がなくなってしまうのだ。

以前に私の親友が、運動をすることで、自分の体が他人に見せびらかすための道具ではなく、別の目的を見出したことを教えてくれた。トレーニングをして自分の目標を達成することで、自分で自分の体の価値を認められるようになったのだ。

私たち女性は自分の体にどれだけ意味があるかを実感できると、メディアがお勧めするような完璧な体になれないことで自分を卑下するよりも、自身や体を大事にしたい気持ちが生まれるものだ。

これは雑誌やメディアが伝えていることとは大違いだ。雑誌やメディアは、私たちの体を男性を誘惑するか、女性を羨望させるための展示品のように見せている。そして、美しい体を利用すれば素敵な出会いが生まれ、社会的にも成功できるかのように伝えている。

■「自分の体が愛情にあふれている証し」

妊娠して母親になることで、私たちの体の意味や目的を全然違う視点からみるチャンスを与えてくれる。もちろんトレーニングで体を鍛えることだって大きな意味があるし、私たち人間自身も、無限の可能性がある。新しい命を生むことが、スポーツやアートで夢を叶えることに比べ、どれだけの意味があるのだろうか?

私の冷蔵庫には、自分たちがどうやって生きて、死ぬべきかについて書かれたマグネットが貼り付けてある。私たちは、完璧な状態で死を迎えることができない。お墓に入る時は、使い古されてボロボロになっていることだろう。これこそが世の中の答えなんだ!骨と皮だけのように痩せても、得られるものは何もない。

そして、私たちはある程度歳をとれば、妊娠することもできなくなってしまう。ドレスのサイズが大きくならないように頑張るよりも、より人生を生きやすくするためにも自分たちの体を使う方が、よほど意味がある。

私は4人の子どもを産んで、自分の体の意味を改めて考えるようになった。自分の「傷」について、あまり意識しないで体を受け入れるようになってきた。それはこの傷が、大きな意味を持つからだ。これは勲章なのだ。言ってしまえば、自分の体が愛情にあふれている証しなのだ。

私にとって「完璧さ」の魅力というのはどんどん希薄に、無意味になってきている。自己犠牲による愛は、それよりもずっと素晴らしいものなのだ。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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