自転車が生まれ変わる!?リチャード・ブランソンも絶賛した「Rubbee」

前回のブログ「米国発の電動乗り物5選!交通システムを再考する機会」に引き続き、今回は"自転車"に関わる3つの事例を取り上げたい。

前回のブログ「米国発の電動乗り物5選!交通システムを再考する機会」に引き続き、今回は"自転車"に関わる3つの事例を取り上げたい。

まず紹介するのは、自宅にある既存の自転車を手軽に電動化する「Rubbee」だ。ヴァージン・グループ創設者のリチャード・ブランソンが「Fantastic!」とコメントを寄せた、注目のプロダクトである。

強力な駆動モータを備える「Rubbee」は、後輪と接するローラーが回転することで、自転車をグングン前へ推し進めていく。後輪部へ装着するのも数秒というお手軽さで、価格は699ポンド(約10万円)。重量は6.5kg、フルチャージまでの所要時間は2時間、最大走行距離は25km、トップスピードはなんと時速25km!(この時点で"自転車の域"を超えているかもしれませんね。笑)

取っ手部分がオシャレで、使用後もスマートに持ち運べるのがポイントだ。なお、ホイールサイズやフレームタイプには特に制限を設けていない。防水性を含め頑丈さにはこだわっており、たとえ泥まみれになっても動作する。ロンドンに拠点を置いており、2013年11月出荷を目標に現在資金調達中である。

次に紹介するのが、自転車のシェアサービスを提供する「Social Bicycles」である。同社が提供する自転車は、GPSシステムを内蔵しており、携帯電話から発見・予約できる上、予約時に携帯電話へ送られた4桁のPINコードで、簡単に自転車のロックを解除できる。さらに、ユーザーは利用し終えた自転車を、システムエリア内であればどこへでも駐輪できる。(ただし公共・既存の自転車ラックを使用)

今までにも「自転車をシェアする」サービスは数多くあったが、その多くは「自転車をスマートにする」というよりも「ラックをスマートにする」ことへ注力されていた。対して同社は、ドッキングステーションに組み込まれていたセキュリティ・認証システムを、自転車自体へ集約・統合している。つまり、同社のサービスであれば、特定の駐輪ハブ設置を必要としない。これにより導入費用を低く抑えられ、歩道スペースを削る必要もない。実際、ステーションベースの場合、自転車1台当たり5000ドル以上の膨大なインフラコストを必要とするが、「Social Bicycles」はこれを5分の1へ抑える。

ユーザーにとっては「どこへでも駐輪できる」というシンプルな手軽さは、非常に魅力的だ。現在はニューヨークに拠点を構え、サンフランシスコ空港やバッファロー大学など全米5カ所でサービスを提供している。今後は「手元にスマホやタブレットがない」という状況にも対応するため、地元企業と提携してホットスポットを増やしていく考えだ。

最後に紹介するのが、自動車の部品を自転車として蘇らせるスペイン発のエコプロジェクト「BICYCLED」である。仕掛け人は、同国のデザイン事務所「Lola Madrid」。彼らは単なる「新商品の提供」ではなく、スクラップが自転車へと蘇るエコシステムを構築することで「ライフスタイルの提案」をしていく考えだ。

自転車は世界で年間1億台以上が生産されており、常に10億台以上が現役である。人口100人当たりの自転車保有台数においては、トップがオランダの109台。そして、ドイツ85台、デンマーク78台、ノルウェー69台、スウェーデン68台、日本68台と続く。なお、アメリカは44台、中国は31台と低い。しかし、総保有台数で見てみると、上位は中国4億台、アメリカ1億2000台、日本8600万台となる。つまり、日本においては、膨大な自転車が眠ったままの状態といえる。(参照:2009年の自転車統計要覧、調査年度は1995年~2008年で各国毎に違いあり)

この状況に対して、眠っている自転車に「Rubbee」を取り付け、電動自転車として現役復帰してもらうのもいいかもしれない。「Social Bicycles」のシステムを組み込んで、皆でシェアできるようにするのも良い。「BICYCLED」のエコサイクルを取り入れて、自転車ではない新たな製品として蘇らせるのも一興だ。どんな方法であれば眠ったままの資源を有効活用できるのか、そんなことに思いを巡らすのも面白いだろう。

なお、各製品の更なる詳細情報は、下記でまとめている。

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