2015年度の"再生可能エネルギー助成金"は1.8兆円超に!

経済産業省は19日、2015年度における再生可能エネルギーの買取価格・賦課金を決定した。
high voltage post.High-voltage tower sky background.
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gyn9038 via Getty Images

経済産業省は19日、2015年度における再生可能エネルギーの買取価格・賦課金を決定した。賦課金単価は、1kWh当たり1.58円で、標準家庭(月の電力使用量が300kWh)では月額474円となる。

再エネの買取価格と賦課金の関係は次の式の通り。ごくごく簡単に言えば、再エネの賦課金とは、再エネの買取総額から回避可能原価を引いた値。

再エネ賦課金単価(円/kWh)

=〔(再エネ買取総額 - 回避可能費用) + 費用負担調整機関の事務費〕 ÷ 販売電力量

2012年から始まった固定価格買取制度(FIT)では、再エネの買取総額も賦課金も増加の一途をたどってきている。下の資料を参照されたい。

標準家庭の毎月の賦課金水準もさることながら、買取費用が総額1.8兆円という規模に達していることを注視せざるを得ない。この金額規模を何と比較すべきかであるが、FITが再エネ普及のための助成制度である性格上、エネルギー対策特別会計の規模と比較するのがわかりやすい。

2015年度の政府のエネルギー対策特別会計(経産省分)の予算規模は0.8兆円。再エネの買取総額は、エネルギー政策全体に充当する特別会計予算額を遥かに超えている。この勢いだと、2016年度には再エネの買取総額は2兆円を超えるかもしれない。

現状、こんな巨額の"助成金"を注ぎ込んでも、再エネ電気は、日本全体の発電電力量の数%程度にしかならず、しかもその殆どは天候に左右される不安定電源。今の技術水準では、公的助成の費用対効果が著しく低い。

高効率の蓄電技術や発電技術の実用化までは、再エネに対しては身の丈に合った普及策へと即刻改革していくべきだ。日本には、そんな余裕はない。

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