甲子園には神が舞い降りる  ~校旗が語る勝利の女神の奇跡

対戦カードの詳細が電光掲示板に映し出される試合直前に、作新の旗だけがはためく状態のスコアボードを撮影できる時間はたった15分程度なのに...

「甲子園球場には、神が舞い降りる。」

史上最高とも称される投手 江川卓さんが残した言葉です。

ちなみにご本人に確認したところ、神が舞い降りるのは高校野球全国大会の期間中だけで、プロ野球の際には降臨しないそうです。

6夏連続で甲子園に(作新学院が)出場させて頂いていると、その言葉を信じざるをえないと思える奇跡に、自分自身も数多く遭遇してきました。中でもこの夏、作新の校旗に見られた奇跡は、甲子園に"勝利の女神"が確かに存在することを示してくれたようでした。

まず、この写真。「北海高校」と迎えた決勝戦のスコアボードです。

上部に掲げられた国旗や大会旗、そして相手校の旗などどれもはためいていない中、一番右に位置する作新の旗だけが風を一杯に孕んではためいています。

次は、準決勝 対「明徳義塾」戦。この際も同様に、作新の旗だけがはためいています。

準々決勝 対「木更津総合」戦。この際は、スコアボードの上空で風が回っているようで他の旗も各々違った方向にはためいているようですが、ボード正面から見てしっかりはためいているのは作新の旗だけです。

ひょっとすると一番右のポールは、もともと風をうけやすいのでは?と思い第3戦 対「花咲徳栄」戦のスコアボードを見てみると、作新の旗は左ポールにもかかわらず、相手校の旗がはためかない中しっかりはためいています。

甲子園初戦となった対尽誠学園戦では、ちなみにどの旗もしっかりはためいていました。

どの写真も、数時間にわたる試合中に作新の校旗だけがたまたまはためいた瞬間を撮影したんじゃないのと疑われそうですが、スコアボードに点数が入っていないことでわかるように、すべての写真はプレイボール前に撮影されたものです。

しかも、スターティングメンバーを含め対戦カードの詳細が電光掲示板に映し出されるのは、いつも試合直前。ですから、この状態のスコアボードを撮影できる時間は15分程度に限られています。

初戦から5試合すべてに吹いた"作新の風"。実は、試合前からその風は甲子園に吹いていました。

開会式の当日、甲子園球場には出場選手が入場する前に、歴代優勝校の校旗が入場します。その際にも、作新の旗だけがはためく瞬間がありました。

入場してくる選手を球場で迎える際にも、両隣の校旗はさしてはためかぬ中、作新の校旗はしっかりはためいている瞬間がありました。

各優勝校の校旗は大会期間中、甲子園球場正面に飾られるのですが、今大会は偶然にも前列に飾られ、しかもなぜか球場を訪れるたび遠くから旗の存在がなぜか目に飛び込んできました。実は5年前、ベスト4になった時にも校旗がよく目に入ったので一緒に撮影したのですが、今夏もそれ以来となる記念写真を、初戦を迎えた8月12日球場入りする前に行いました。

作新の校旗に常に風を吹かせ、優勝まで押し上げて下さったのは、応援して下さった地元や全国の皆様はもとより、131年の学院の歴史を支えて下さった数限りない先輩諸氏に他なりません。

そうした御恩に報い期待に背かぬためにも、作新学院はどの学校よりも積極的に社会貢献する学院であらねばならないと、常々肝に銘じています。

実は、ベスト4に勝ち進ませていただき6夏連続出場が始まった2011年春には東日本大震災が起き、学院も「オール作新」での復興支援体制を震災から数日後には構築、できる限りの支援に取り組みました。

募金活動、被災地訪問、一万枚を超える除染用ぞうきんの作成、避難所へのお見舞いetc.ささやかながらこうした支援の多くがその後も各設置校で毎年継承され続け、今に至っています。

こうした支援活動の国際版として昨年度、学院創立130周年を記念して「アフリカ一万足プロジェクト」を実施し、約1万5000足の使用済み運動靴を回収し、すべてを洗浄・乾燥した上で、アフリカ各国の子どもたちに届けることができました。

今夏、54年ぶりにもたらされた甲子園優勝も、「オール作新」での社会貢献活動という日々の地道な積み重ねに対する天からのご褒美であると、私は理解しています。

今年も9月28日 学院の創立記念日には、毎年恒例となりました街頭募金活動を実施させて頂きます。甲子園で活躍した硬式野球部をはじめ生徒会、JRC部などの生徒たちが街角から、東日本大震災、熊本地震、台風10号などの被災地への支援を呼びかけさせていただきます。

お忙しいこととは存じますが、ご協力のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。(詳細は学院HP〈http://www.sakushin.ac.jp/〉をご覧いただければ幸いです。)

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