佐川氏証人喚問では終わらない!・・・自民党内政治力学が急速に変化

昭恵夫人や加計孝太郎氏の国会招致が必要不可欠なのです。
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佐川氏の証人喚問を与党が認めたということは、自民党内の政治力学が急速に変わりつつあるということです。反主流派はもちろん、これまで安倍首相を支えてきた二階幹事長も含め、各人が各様の立場で、秋の総裁選に向け動きだしたということでしょう。この決裁文書の改ざん問題で、はっきりと安倍三選に黄信号がともりました。

その背景には、安倍首相のお友達や近しい人、昭惠夫人のことで、これ以上自民党が迷惑を被るのはかなわないという思いがあります。公明党にはもっと、その思いが強いでしょう。麻生大臣の首をとるのは、いずれにせよ、野党や世論の高まりでしょうが、安倍首相の首までとることになるとすれば、それは自民党ということになるでしょう。

野党は、この佐川証人喚問でひとまず矛をおさめた格好ですが、来週の集中審議、証人喚問でろくな成果が出ないのなら、偽計業務妨害罪 で告発すべきでしょう。

法曹関係者の多くの見解は、公文書の偽造・変造・虚偽文書作成罪の可能性は低いというものです。政治的には極めて興味深い様々な箇所が削除されているとはいえ、主要な部分、その結論と、それを導き出す脈絡自体は変更されていないというのがその理由ですが、#改ざん文書 の提出で国会審議やその進行を妨害(一年以上!)したことは事実ですから、「偽計業務妨害罪」には問えるということです。

一方で、加計文書 でも改ざん疑惑 が出てきました。森友との共通点は、どちらも官邸が司令塔となるか、何らかの形で関与していたという点です。加計は国家戦略特区(総理が議長の会議所管)対象案件、森友は昭惠夫人の名誉校長就任、講演や夫人付の同道等々既に明らかになっているとおりです。

私の予算委質疑(今年2月5日https://www.youtube.com/watch?v=WuJ83654DxI)でも述べましたが、この二つの問題をつなぐ結節点が官邸内にあるということです。何度も言いますが、そこがキーなのです。普通、役所が個々の判断(忖度)でこんな改ざんはしません。

だからこそ、昭恵夫人や加計孝太郎氏の国会招致が必要不可欠なのです。佐川氏の証人喚問だけで事案の解明ができるとは思いませんし、この問題がここまで長引く理由は、国民の多くが「納得できない」と言う理由は、この二人のキーパースンが公の場で一切説明しないということにあるのです。

(2018年3月15日「今週の直言」より転載)

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