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KitchHikeインタビュー第2弾!気になるあの人の食卓におじゃましてみよう!【食を旅するイラストレーター オダヒロコさん [前編] 】

織田さんは世界の家庭料理に関心を持ち、2010年には7ヶ月ユーラシア大陸一周半旅行に行かれました。
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こんにちは、KitchHikeマガジン編集部のMaiです。

KitchHikeマガジンのインタビュー企画第2弾! KitchHikeが注目する"おいしい"人たちを直撃して、食を切り口にその人のライフスタイルに迫ります。

前回登場していただいたDJみそしるとMCごはんさんのインタビュー記事も是非ご一読ください。

"食"はライフスタイルを構成する大切な要素の一つ。"食"との関わり方を見れば、その人のライフスタイルが見えてくるはず。では、そんな"おいしい"人たちは、"食"とどのような関係を築いているのでしょうか?

<KitchHikeインタビュー企画第2弾!>

第2弾に登場してくれたのは、"食を旅するイラストレーター 織田博子(オダヒロコ)さん"! KitchHikeマガジンでも長らく連載をしてくれているので、ご存知の読者の方も多いはず。

織田さんは世界の家庭料理に関心を持ち、2010年には7ヶ月ユーラシア大陸一周半旅行に行かれました。そこでの体験の一部が、2015年1月に発売されたコミックエッセイ『女一匹シベリア鉄道の旅(イースト・プレス)』にまとめられています。

つい最近では、BSフジのドキュメンタリー番組「夢の食卓 "Table of Dreams"」に密着取材をされ、3月28日(土)に放送されるそう!

今後の活躍が期待される女性クリエイター!ということで、早速、図々しくも、ご自宅の食卓におじゃまさせていただきました。今まで訪ねた各国の海外料理を作ってください!という編集部の無茶ぶりを快諾してくれました。

織田さんが現地の方から直接伝授された家庭料理をいただきつつ、インタビュースタートです!

<一人旅×家庭料理×イラスト=(!)>

―KitchHikeマガジン編集部(以下、編集部)

今日は宜しくお願いします! 料理中にいきなりですが、なぜ一人で旅に出ようと思われたのですか?

―織田博子(オダヒロコ)さん *以下敬称略

元々いろんな国に興味を持っていて、いつか行ってみたいなと思っていたんです。それで、社会人3年目の時に、行くなら、今が最後のチャンスだなと思ったことがきっかけですね。

一人旅って、一人旅ならではの楽しさがあると思うんですよ。たとえば、二人旅だと、風景や地元の人々のことよりも相手のことを覚えている気がするんです。でも一人旅だと、感動しても無言だったりして寂しいけど、その代わりに地元の人と話したり、旅を楽しむいろんな工夫をしてみたりできます。

あと、一人だと、モノゴトを真摯に見られるんです。自分が旅をする中で感じた様々な感情を記録するんですよ、これが一人旅の醍醐味ですね。

―編集部

実感がこもってますね! 不安はなかったのですか?

―織田

ありましたよ! 基本は怖がりなので、行く前は本当に憂鬱で、ありえないような最悪の事態まで思い描いてしまいます。でも、飛行機が離陸した瞬間に吹っ切れるんですよ。

結局は、「見てみたい」っていう気持ちが勝つんですかね。

―編集部

不安よりも好奇心の方が上回ると。何を見てみたかったのですか?

―織田

シベリア鉄道に乗ってみたいとか、シルクロードに行ってみたいとか、色々ありましたね。ただ、一生に一度の旅なので、漠然と見てくるだけではもったいないと思って、いくつかテーマを持って行きました。家庭料理とか、建築、牛乳、郵便局、おじちゃんおばちゃんとか。

―編集部

おじちゃん、おばちゃんまで(笑)。確かに織田さんの描かれている人物は、おじちゃん、おばちゃんがほとんどですね!

「家庭料理」はKitchHikeも掲げているテーマですが、なぜ家庭料理を旅のテーマに?

―織田

私は食べることが大好きで、旅に出る前から「世界家庭料理の会」と題して、友達を集めていろんな国の料理を食べる会をしていました。

全部で30回くらいやったんですけど、だんだん口コミで広まって、その国に友達がいる人とか、実際にその国の方が来てくださったりして、友達の輪が広がりました。最初は、みんな国籍・年齢も違う知らない者同士だから、すごく緊張してるんですよ。

でも、一緒に料理を食べているうちに自然と和んできて、それがすごくいいなと思ったんです。それで、「家庭料理」は自分が一生を捧げてもいいテーマだなと思うようになりました。

―編集部

それはまさにKitchHikeですね! 一生を捧げてもいいテーマとは素晴らしいです!

では、旅の中で最もおいしかったものは何ですか?

―織田

いろいろあって選べないな。印象に残っているのは、ウズベキスタンのプロフ(羊肉と野菜の炊き込みご飯)ですね。料理自体ももちろんおいしかったんですけど、その食文化もとても印象的でした。

ウズベキスタンの人たちって、食事のプロセスにすごく時間をかけるんですよ。まず、食事の準備として、お米の中に交じっている石を取り除いたり、バザール(市場)に大量の食材を買いに行ったりしなければならなくて、夕食の準備をお昼すぎからやってるんです。

さぞかし大変だろうと思ったんですけど、それがすごく楽しそうなんですよね。学校から帰宅した子供たちが手伝ったり、主婦同士で井戸端会議をしながら作業してたりして、みんなで楽しんで準備してるんです。

―編集部

料理を作るところから、大賑わいですね!

―織田

面白そうだから、私も一緒に手伝わせてもらいました。食事の時も、大きな絨毯を一つ敷いて、みんなで座って、大皿からとって食べるんです。親戚の人や友達が来ていることもあって7、8人くらいいたのでにぎやかでした。

言葉は分かりませんでしたけど、みんながおしゃべりしながら食べている雰囲気が非常に印象的でした。食事が終わった後も、その絨毯の上に寝っころがりながらみんなで談笑してるんです。

昼からみんなで準備を始めて、夜中までしゃべってるから、一日の半分以上はみんなで団らんしていることになりますね。

ウズベキスタンの人たちって、お米を食べるし、緑茶を飲むし、ちゃぶ台を使ったりもするんです。ちょっと日本とのつながりを感じました。

―編集部

逆に、食べるのに困難をきたしたものはありますか?

―織田

虫が苦手なので、ミャンマーの竹虫の揚げ物や、中国の蚕の天ぷらは、ちょっと食べるのを躊躇しました(笑)。

ただ、見た目が苦手だからとか、自分の文化には合わないからとかいう理由で食べないのは、「出されたものは絶対食べる」という私のモットーに反するので、とりあえず食べます。

―編集部

いやいや! 虫が得意な人はなかなかいないとは思いますが(笑)。

―織田

私は、その国のものを食べることは、その国の文化を受け入れたいという意思表示だと思っています。その人たちが大切にしている食文化ですからね。

たとえば、外国の方が納豆を目の前にしたときに、食べてくれた方が、こちらとしては嬉しいし、親近感がわくじゃないですか。

―編集部

食文化は、文化のド真ん中と言ってもいいかもしれませんね。

味がまずかったものとかはないんですか?

―織田

ファーストフード店が出す機械でつくったようなものは味気ないなと感じました。

やっぱり、つくる人の顔が見える家庭料理はおいしいですよ。

―編集部

なるほど。目の前で実際に作ってくれる料理は、おいしく感じられますよね。

では、織田さんにとって家庭料理とは?

―織田

「つくる」「食べる」「団らん」すべてのプロセスを合わせて「家庭料理」だと思います。「食べる」のはただの手段だし、「料理」もただの結果なので、私はこの全プロセスに関心があります。

このプロセスを一緒に体験することで、そこの歴史とか深く根付いている文化を感じられますよ。私にとっては、仲良くなる手段の一つでもありますね。

たった3時間くらい一緒に「家庭料理」を通して触れ合っただけなのに、自分の娘みたいに接してくれた人もいるし、いまだに連絡を取り合っている人もいます。

―編集部

「家庭料理」は、人と人とをつなげてくれますね!

―織田

「団らん」といえば、面白い話があります。

ミャンマー人の友人に、食文化について聞いているときに、昔ミャンマーでは、大きなちゃぶ台の板部分が皿になったような「ダウンラン」という食具を使っていて、これをみんなで囲んで、そこから手で食べることが、家族や友情の印だったって聞いたんです。

この話を聞いたときに、ダウンランと団らんってすごく響きが似ているなと思って調べてみたら、どちらも「丸いもの」とか「囲むこと」という意味があることが分かったんです。

―編集部

まさかそんな由来があるとは! 初耳です...! おもしろいですね!

―織田

不思議なつながりを感じました。ミャンマーと日本って、地理的に中国を介してつながっているので、中国の言葉でも似たようなものがないか調べたんですけど、特に見つけられなかったんですよね。

フィリピンの友達に聞いたりもしてるんですけど、見たことないと言われてしましました。ロマンチックですよね、何か知っている方がいれば教えてください!

ー インタビュー後編へ続きます! 来週公開予定! ー

「家庭料理」を自分の中の研究テーマとして設定してから早7年。織田さんは、旅を通して、友達を通して、様々な家庭料理に出会ったといいます。

そんな織田さんが料理をつくりながら話してくださったのは、料理のコツではなく、その料理を教えてくれた人のことや、その場所のことでした。家庭料理を通して、他にも様々なことを吸収できるのですね。

後編では、7ヶ月間旅をしてきた織田さんならではのお話が飛び出します。お楽しみに!

<織田さんが振る舞ってくれた各国の家庭料理をご紹介!>

●タロ・シチュー(ミャンマーのカチン地方料理)

里芋と豚肉とブロッコリーの塩味の煮込み料理です。なんだか、なつかしくて優しい味がしました。

●ミモザサラダ(ロシアやヨーロッパ料理)

上に振りかける卵の黄身がミモザの花のようだから、この名前で呼ばれています。ロシア風では、マヨネーズをたっぷりかけるそうです。

●プロフ(ウズべキスタン料理)

今回のメインディッシュ! 織田さんが一番おいしかったとおっしゃっていた、羊肉と人参・たまねぎの炊き込みご飯です。たしかに、おいしくて、編集部一同おかわりしてしまいました! 織田さん曰く、使うお米は日本のお米と似ていたそうです。

レシピを教えていただいたので、後編の記事に載せます。お楽しみに!

●ドルマ(トルコ起源のベラルーシ料理)

ピーマンの肉詰めならぬ、パプリカの肉詰めです。肉だけでなく、お米も入っています。見た目も華やか。

●イマーム・バユルドゥ(トルコ料理)

「お坊さんの気絶」という意味の名前。あまりにもおいしそうなにおいがするので、イスラムのお坊さんが気絶してしまったという昔話に由来するそう。たしかに、つくっている途中からいい匂いがして、わたしたちも気絶しそうでした!

●ケークサレ(フランス料理)

直訳すると「塩のケーキ」。キッシュのような、お惣菜ケーキです。

[ 織田博子プロフィール ]

世界を旅して、各国の家庭料理や人びとを描いています。モットーは、「まずは食べてみる」。

好きな食べ物:れんこんの含め煮・プロフ(中央アジアの羊肉の炊き込みご飯)・餃子系全般

趣味:本を読む、散歩

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(2015年3月25日「KitchHike マガジン」より転載)