「お祭り」の魅力。

どうしてここまでしてみんなお祭りに関わるのでしょうか? 町内会の義務だから? 奉仕が尊いから?
Kohgen

浅草に住んでいる筆者として、非常に強く感じるのは「お祭りは特定の人の力で作られているのではない」ということです。江戸を代表するお祭り「三社祭」には、毎年に150万人~180万人の人出がありますが、このお祭りも、浅草神社の奉賛会や地元町内会の方々を含む多くのボランティアで成り立っています。

地元にいて感じるのは、お祭りに関わるということには本当に充実感があるということです。

ある人はこう言います。

「正月が明けても年は明けねぇ。三社で年が明けるんだ」

またある人は、毎年秋になると

「三社まで半年を切った。筋トレしないと!」

と言います。

三社祭の期間は家族総出でお休みを取る人も少なくありません。

いったいお祭りの何がこんなにも人を引きつけるのでしょうか?

子供の頃は、お祭りの魅力と言えば祭りばやしや屋台など、当日遊びに行って目につくものばかりでした。けれど大人になって改めて見れば、お祭り当日に至るまでには本当に大変な準備があり、関わる人の数も膨大で、面白くないことや諍いもしょっちゅうあることを知ります。

それなのに、どうしてここまでしてみんなお祭りに関わるのでしょうか?

町内会の義務だから?

奉仕が尊いから?

答えははっきりわかりませんが、すべては「お祭り」の魅力なのだと思います。

お祭りは、日常の中の非日常です。毎日が新鮮で刺激にあふれていた子供時代と違い、大人の毎日は仕事とわずかな休息の繰り返しです。満員電車に揺られ、いつものオフィスでいつもの顔ぶれで昨日と同じような仕事を右から左へこなす毎日。こうまで悲観的ではないにしても、子供の頃のように生きること自体が冒険 だった日々とはだいぶ様子が違います。そんな暮らしの中で、お祭りはまさに日常の中の非日常なのです。

大勢の人が集まり、非日常を満喫し、笑顔になる。普段と同じ町並みだけれども、全く違う景色。そこでまた新たな縁もつながる。普段見ている人の意外な一面を知ることもできる。普段食べているものも美味しく感じる。

すべてがお祭りの持つ魅力だと思います。そして、お祭りで遊ぶだけでなく、自分自身でお祭りに「関わる」ことの充実感や満足感は格別なものです。

今年で5回目を迎える、世界最大の寺社フェス「向源」は、2011年に小さなイベントとして始まりました。その後、年を追う毎に来場者が増え、今年は初めての2日間にわたる開催で5,000人の来場数を目標としています。そして、来年、再来年とさらに多くの方たちに集まっていただけるイベントにしたいと考 えています。最終的には2020年の東京オリンピックの年に東京近郊のお寺や神社で同時多発的にフェスを行っていきたいと思います。

東京オリンピックは、それ自体がお祭りです。日本の内外から多くの人が集まり、日常の東京の風景は一瞬で非日常に変わることでしょう。それは本当に楽しい ことです。その楽しみ(Fun)に対して文化的な楽しみ(Interesting)を加えていくのが、寺社フェス「向源」の役目と思っております。

そしてそれは代表や副代表という特定の人によって作られているものではありません。代表は思いを口にしただけ。その思いに共感し、動いてくれる人が向源を支えてくれています。

日本文化の素晴らしさを伝えたい。それが向源を支えてくれる力です。

日本文化の素晴らしさを自らが体験したい。それも向源を支えてくれる力です。

向源では日本の文化体験イベントを通して、「私たちは日本人である」という原点を見つめ直す場を作っています。そこには、過去から現在まで受け継がれてきた由緒のある伝統を守りつつも、現在から未来に向けた新しいことに挑戦したいという向源のテーマに共感する多くの方の支えがあります。

昨年の向源でボランティアスタッフとしてご参加頂けた方々のお声を一部ご紹介します。

「日本文化についてもっと考えるようになった。」

「東京出身でない自分が、東京タワーの前で外国人を含めたいろんな方にご案内できることがうれしかった。」

「『日本文化についてもっと知りたい』という共通の価値観で仲間と一緒に活動できたのが嬉しかった。」

「普段の生活では宗教の話をする機会がないので、仏教に関心を持っていることを口にすることにためらいがありましたが、ボランティアで参加できるイベント があるよ、という切り口で話すとほとんどの友達が足を運んでくれました。仏教について関心を持っている人がたくさんいて、それでいて興味のあるワーク ショップが違うのはおもしろい発見でした。」

今年の向源は、5月2日と3日の2日間にわたって開催します。より多くの方に集まり、非日常を満喫し、笑顔になっていただくために、今年も向源ではボラン ティアスタッフを募集しています。私たちと一緒に、寺社フェス「向源」という文化的な楽しみの豊かなお祭りを通して、自分の「源」に向き合ってみません か?

ボランティアとしてご参加くださる方は「寺社フェス「向源」2015 ボランティアスタッフを大募集!」よりお申込みください。

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