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2016年04月14日 01時38分 JST | 更新 2016年04月14日 01時38分 JST

食べることは今を生きること! 改めてその大切さを教えてくれる暗闇ごはん

「『暗闇ごはん』は、もともとは『食べ物と真剣に向き合ってもらいたい』とのと思いから始めたものです」

薄暗い部屋の中で、アイマスクを着けて食事をとる。

そんな一風変わったイベントがあります。「暗闇ごはん」と名付けられたそのイベントは、浅草・緑泉寺で10年前に始まりました。今回はこの暗闇ごはんを主催する青江覚峰さんにお話をうかがいました。

■食べることに集中していますか?

青江さんは「『暗闇ごはん』は、もともとは『食べ物と真剣に向き合ってもらいたい』とのと思いから始めたものです。」と語ります。

私たち現代人は、本当に忙しく暮らしています。たとえば社会人にとっては9時に会社に行くのはアタリマエのことです。

そのためには何時に家を出ますか?

何時に着替えて、お化粧をして、家を出ますか?

何時にご飯を食べますか?

何時に起きますか?

多くの人が、今自分が行っている行為そのものではなく、次のこと、さらにその次のこと......と先に起こることばかりを気にして、行動をおこしているのではないでしょうか。

どうしたら今、その時に行っていることに集中できるのか。

そう考えたときに始めたのが暗闇ごはんでした。せわしない現代人にとにかくただ、目の前の食べるという行為に集中してもらう仕組みが「暗闇ごはん」なのです。

五感からもたらされる情報のうち、実に七割近くを視覚からの情報が占めていると言われています。その視覚を遮断してしまえば、情報は最小限に抑えられます。

食べ物を口に入れるという行為を行っているときに視覚を遮断すれば一生懸命になろうと必死にならなくても、否応なしに真剣に食べざるを得ない状況に追い込まれるわけです。食べ物を口に運びながら、まず鼻で匂いを感じ、唇で温度を感じ、舌に乗せた後は、味、食感、歯ごたえや噛む音、喉越しの感触などを使って、その食べ物が何であるかを探ろうと、誰もが意識を集中し、まさに一生懸命食べるのです。

私たちは、食べることで生きています。時間や他人に気を取られながらの食事の場面において、脇役のように扱われがちな食べ物そのものの正体にじっくり迫ることは、食べ物、即ち命に向き合うための確かな入口になります。

■「殺さないでは生きられない我が身」を知る

また、暗闇で食べるということは、食卓に何が上っているかも知り得ない状況ですから、食べ物に関する先入観も持ちようがありません。

この、先入観なく食べられるというのが、「暗闇ごはん」のもう一つの狙いである「思い込みにとらわれていることを知ってもらうこと」に結びつきます。

どんな食材でも、調理しやすく食べやすい部位とそうでない部位があります。例えば、かぼちゃ。かぼちゃはそのおよそ半分をワタと言われる繊維質が占めています。ほとんどの場合においてこのワタの部分は真っ先に捨てられ、食卓にのぼることはありません。決して食べられない部分ではないのですが、大方の人は、「かぼちゃのワタは食べられないもの」という先入観を持っているでしょう。

「わたしは、『暗闇ごはん』であえてかぼちゃのワタを調理してお出ししています。よく作るのはかぼちゃのポタージュです。ワタの部分から種を除いて煮詰めたものを裏ごしします。そして、別に煮ておいた実の煮崩れたところを足してポタージュにします。その上に、かたちを残して煮た実と、ローストした種の中身を取り出してあしらいます。こうすると、一皿でかぼちゃの全てを余すところなく使い切り、召し上がっていただけます。」

青江さんが、一生懸命食べることが大事だと思った理由は、先に記したとおり命に向き合う機会が現代人にはないと感じたからでした。人間が命に向き合うということの切実さを知る機会はあまりないように思えます。しかし、私たちの食べる行為は、毎回は「殺さないでは生きられない我が身」を突き付けています。それ対して、いかにして向き合うか。

食育という言葉も、もはや新しくない時代です。食べ物はありがたいものだと教わった経験を誰もが持つでしょう。しかし、摘み取られた命に感謝しなさい、作ってくれた農家の方々に感謝しなさいと、周りから押しつけられているだけのうちは、心からの感謝は生まれません。自分自身で経験し、ある種のショックを与えられて初めて「気づいた」という体験は本物になります。

時間や他人の目などを気にすることなく、自ら欲してその対象に正面から向き合い、理解し、そこにあるがままの全てを受け入れることこそが、私たちが生きるためにいただく命への最大の感謝であるとともに、深い哀れみと尊敬の行為と言えるのではないでしょうか。

暗闇の中で食事をとることの効能は、まさにそこにあるのです。

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