あの大ヒット映画の裏側にも迫る!  デジタルアート体験イベントをレポート

「すごい作業量だけど、途中で飽きないの?」「やらなくてはいけないことが多すぎて、飽きるとか考える余裕はないですね」

小さいころからスマホやタブレットに親しみ、デジタルネイティブと呼ばれる現代っ子たち。

学校や習い事でプログラミングやデジタルアートに触れた経験のあるお子さんもいるかもしれません。

子どもたちの未来や夢を想像する力を応援する、創作絵画コンクール「ドコモ未来ミュージアム」は今年、デジタル部門が10周年を迎えた記念に、公開中の映画「未来のミライ」と共同でイベント『映画『未来のミライ』プロデューサーに聞く! デジタルがひらくこどもアートの世界こどもとアートの新たな関係』をデジタルハリウッド大学で開催しました。

ここでしか聞けない映画の制作秘話や、デジタルアートを体験するワークショップの様子をレポートします。

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● 「ドコモ未来ミュージアム」とは?

ドコモ未来ミュージアム」は、図工・美術・総合学習をはじめ、夏休みの課題など幅広い分野で活用いただける絵画コンクールです。

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映画を1本作るのに必要な絵コンテは918枚!

『未来のミライ』の舞台裏

第1部のパネルディスカッションに登壇したのは『未来のミライ』の制作会社であるスタジオ地図代表取締役・プロデューサーの齋藤優一さん、CGディレクターの堀部亮さん、デジタルハリウッド大学名誉教授の南雲治嘉さん

この日、残念なことに急遽参加ができなくなってしまった細田監督にかわって登壇した齋藤さんが、現在公開中の映画『未来のミライ』の裏話を語ってくれます。緻密で膨大な作業によって完成するアニメーション映画。映画のワンシーンを切り取りながら、風にゆらめく草木や、キャラクターの表情やしぐさなど、細田監督がこだわったディティールがスクリーンに映し出されて、会場一同くぎ付けです。

細田監督は本作品の制作にあたり9~10カ月かけて絵コンテ(設計図)を描いたそう。

98分で918カット要した絵コンテ、それぞれが背景、CG、作画を合成して躍動的な一つの作品になっていくのです。

「すごい作業量だけど、途中で飽きないの?」と問いかける南雲先生に、CGディレクターの堀部さんは「やらなくてはいけないことが多すぎて、飽きるとか考える余裕はないですね」と苦笑い。

映画の中でも重要な役割を果たす東京駅のシーン。

未来の東京駅はどんな様子だろう?というイマジネーションを膨らませるために、外国の色んな駅を細田監督と齋藤さんは取材したそうです。

本物の駅だけではなく、フランスのオルセー美術館のように「かつて駅だった建物」まで見て回ったとのことで、作品にかける情熱がよくわかります。

また、このシーンに登場する「遺失物係」と「駅長」のキャラクターデザインを手がけたのは大人気絵本作家のtupera tuperaさん。

齋藤さんからの「知ってる人いますか?」の問いに会場内は「知ってる~!」とにぎやかに。

日頃、絵本やアニメーション、雑貨などで知られている作家さんだけに、こんなところで繋がりが!と嬉しくなってしまう瞬間でもありました。

この後Q&Aタイムもありましたが、中でも印象的だったのは「一つの作品が完成するまでにどれくらい時間がかかるのですか?」という質問。

細田監督の作品は構想から完成まで大体3年かかるのだそう。ということは今は3年後に向けて動いているということかもしれません。

普段なかなか知ることができない、映画制作の舞台裏というだけではなく、子どもにとって「仕事するってこういうこと」という雰囲気を理解するにも良いひと時でした。

子どもの自由な発想が溢れ出す!

デジタルアート体験

第2部は、未就学児と小学校低学年、小学校高学年と中学生のに2つに分かれてデジタルアートを体験するワークショップが開催されました。

5歳になる筆者の娘も、ジュニアクラス「はじめてのデジタルアート 描いてみよう、ぼくたちわたしたちの未来のくらし」に参加することに。

2歳くらいからお絵描きアプリで遊んでいるので、タブレットでの操作はお手の物、こちらのワークショップも楽しみにしていました。

子どもたちの自由な発想に期待すべく、同伴しているパパママたちは席から離れて様子を見守ることになりました。

各自、タブレットが配布されて、南雲先生からは「まず最初に顔を描いてください」と声がかかります。

タブレットの扱い方についてはデジタルハリウッドの在校生であるおにいさん、おねえさんたちがサポートしてくれますが、与えられたテーマで何をどう描くかは、子どもたちの発想に委ねられます。

「次はお花を描いてください」「その次は遊園地」と南雲先生から次々とテーマが寄せられ、試行錯誤すること30~40分。

操作に頭を悩ませるシーンはところどころあるものの、音を上げたり騒ぎ出す子どもが一人もいないのに驚き!

集中して取り組んだデジタルアート、いったいどんな作品に仕上がっているのでしょうか。

回収したタブレットをプロジェクターに移し出して、作品を鑑賞する南雲先生。

「色使いがすごく綺麗ですね」「楽しくて足が浮いちゃっているのかな?」と、作品一つ一つ、一人ひとりの個性を汲み取っていく様子は流石です。

ひたすら単色で仕上げる子、ありとあらゆる色を使う子、カラーパレット以外の機能やグラデーションなども駆使する子など、千差万別な仕上がりに、子どもの頭の中がいかに自由な発想に満ちているかが分かります。

この日、参加した皆さんの作品も「ドコモ未来ミュージアム」に出品されることになりました。

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映画制作の舞台裏という貴重な話が聞けたことが個人的には印象的でしたが、それ以上に子どもたちの真剣なまなざしや、新しいものを吸収する力に驚かされたこの日のイベント。ここをきっかけに、デジタルアートやアニメーターを目指す子もいるかもしれないなと思うと、自分自身、子どもの好奇心や関心を引き出す経験をもっとしていきたいなと感じました。

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(写真提供:ドコモ未来ミュージアム)

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